表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/27

タヌキか?


煙をはいた女は、ヒコイチの言葉にうなずくような、おじぎのような、ゆっくりとした動きで、頭をさげる。



 顔をあげると、微笑んでいた口をまたほそくして、ふううう、っと白い煙をはいた。



 この女が、山の化け物ということはなさそうだった。




 意味がなさそうで不気味なこの状況も、獣が人を化かすのに、おもしろがってつくりだした『コワイモノ』と、いったほうが合ってそうだ。



「 ああ、 おめえ、タヌキか?」


 いくぶん、気がおおきく楽になったヒコイチが、一歩近づく。



 きのこの《中の女》が、微笑んだまま、てまねいた。



「いいや、おれはもうこれ以上寄らねえさ。 おめえがタヌキかキツネなら、人をだまして笑うためにやってるんだろ? ここが山じゃなけりゃあ、おれが肥溜めに落ちるよう、そこにしかけてくるはずだ」


 見抜いているのだというようにわらってみせる。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ