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山にすむモノ
申し訳ございません。じいさんとについては、よろしければ『さとりを斬った』を流し読みください。。。あっちは《あやかし》でございました。。。
いっきに寒気がかけぬけ、逃げようとしたのに、足はうごかせず、そうしてその女が、
―― ほほえんで、ヒコイチに会釈した。
「 ・・・・こ、りゃ、・・・その・・・」
どうして、とか、きくまえに、タヌキかキツネか、人をばかす類の、山にすむものを思い出す。
おなじ人をたぶらすといえども、じいさんからきいたことのある、おそろしい山の《モノノケ》、とは考えたくない。
いや、でも、この茸ってのは ――
ばかすにしては、なんで茸か・・・・
女は親しみやすい笑みをうかべ、ヒコイチのことをみている。
「 お・・めえさん・・・、どうして・・こんな中に?」
どうにか、きいてみた。