表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/27

妻だったモノ


「妻が、きのことりがうまくて、目が利くのです」


「・・・はあ・・・」


「おかげで、いままで毒キノコにあたったことは、ありません」


「そりゃ、すごい」


 こどものころ、じいさんに内緒でたべた毒キノコにあたったことのあるヒコイチは、感心した。

 絶対に大丈夫だとおもって口にしたそれは、『にせ』と名のつく本物と見分けが難しいたぐいの茸だった。




「その妻が、 ―― アレです」


「・・・・・・ア・・レ?・・・・っ!?あ、あの、さっきの、」


「茸のなかに、女がおったでしょう?」


「あの・・・」


「あれが、 ―― キノコにとりこまれた、おれの妻なのです。 いや、ただしくは・・・・妻だったもので・・・」


 そこで、ひくくわらったユキゾウの声に、女のわらうような声がかさなったようなきがした。


 いや、どこにもあんな、茸はない。




 ユキゾウは、懐から煙草入れをとりだすと、羅宇まで銀の、こまかい細工がほどこされたそれをつなぎ、煙草をつめはじめる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ