仮2
「〜〜〜♪ん...?今何か....」
薔薇の花が咲き乱れる美しい庭園を鼻歌混じりに散歩していると、ボタっと空から何かが落ちてきた。
何かの落下場所へと視線を移すとそこにはうごうごと体をうねらせている。
何本もある足は長く、細長い体。
おぞましい見た目のソレは....ムカデだ。
ムカデと認識するなりエリスティアは顔色を変えて反射的に泣き叫んだ。
「きゃぁぁあああああ!?」
ムカデはドレスの裾に着地し、その上を素早く動き回る。
パニックになったエリスティアはジャンプしたり走り回ったりと、動いてムカデを落とそうとするが上手くいかない。
「嫌!やだぁ!!誰か取ってぇええ!」
必死にムカデを払おうとするがなかなか服から離れない。
そんな必死に騒いでいるエリスティアを見て、木の上からケタケタと笑う声が聞こえてきた。
「だっせぇ!ムカデごときに泣き叫んでやがる!!」
「本当、あんなに騒いでみっともないね」
木の上から降りてきたのは二人の男の子達。
一人は短く切られた美しい金髪のディアマン公爵家の次男、レクシオ・ディアマン。
そしてもう一人は、長い白髪を風になびかせ、女の子とも取れるような長いまつ毛が特徴的なディアマン公爵家の三男、シルティ・ディアマンだ。