第三話 最強と動機
翡翠は自己チューです。
「失礼します。第十師団団長、翡翠・ゾーラノルン入ります」
ボクは扉を開けて中に入った。
中に入ると人が4人いて、ボクの正面に座っているのがアルセイフ王国15代目国王、コール・アルセイフ、歴代の王の中で最も他国に武力介入や人員援助している。だが、民に優しく彼が王に就いてから国益が上がっていることから国民からの人気はかなり高い。
その横で偉そうに立っているはげ頭の大男は去年ボクに喧嘩をうってきて一瞬で返り討ちにあった第一師団団長、ゲルトン・ゲーラーだ。
アルセイフ王国でも1、2を争う名家の出で、実力はそこそこあるけど性格が最悪なので評価するに値しない人物だ。
部屋の隅にいる白い髪の存在が薄いおじさんは王の護衛隊長、アルフ・スレイプ。
戦っているところを誰も見たことが無く強いのか弱いのかも分からない底が見えない面白いおじさんだ。
そして、はげの横に立っている独特な魔力を身につけている女性はボクの武器・戦闘の先生で姉様の上官で第ニ師団団長のトルテオ・リノールだ。
ロングの銀髪にで黄色い瞳、容姿は良いわけでわないが、会う人ほとんどの第一印象が優しそうな人と言うやんわりした顔と雰囲気をもっている。
武器を扱うに関しては多分大陸では最強クラスだと思う。
ボクの数少ない尊敬する人物の中でも一番尊敬している人物で、ボクの団長になって初の任務に同行してもらってその時、先生の武器を使っての近距離戦闘のあまりのかっこよさに気付いたら教授してくれと頼み込んでいた。
それを先生は娘に魔法を教えてくれればと、あっさり了承してくれた心の広いお方だ。(これは翡翠の視点では)
「よく来たなゾーラノルン、今日呼んだのは昨日の礼と次の任務についての話しをするためだ」
「礼はいいですから、さっさと任務の話ししてください」
はっきし言ってもう帰りたいし。
「おいゾーラノルン、王に向かってその口はなんだ」
うっさいハゲだ...
「黙れハゲ、ボクは今、王と話ているんだ」
「ハ、ハゲだと!!お前、俺にそんな口聞いていいと思ってるのか」
「思ってるから、言ってんだよ少しは頭使えハゲ」
ハゲは顔を真っ赤にしてまだ何かを言おうとしているが。
「おいゲーラー、今ゾーラノルンに話しがあるのは私だ黙っていろ」
「も、申し訳ありません」
この王の一言でゲーラーはそれっきり話さなくなった。こんな馬鹿でも忠誠心だけはもってるんだよなぁ。
「ゾーラノルン、お前をに頼みたい任務とは、そこにいるリノールの第ニ師団に同行してゼピロン聖国へ行って欲しい」
ゼピロン聖国か、確かあそこはトールトスに攻められていたよな。
「トールトス王国への武力介入ですか?」
ボクが先読みして言うと、王は感心しながら。
「確かに第ニ師団はトールトスへの武力介入だがお前は特別任務で魔獣退治だ」
「魔獣の種類は?」
ボクは少し期待を込めて聞いた。何故ならゼピロンの天使達が他国に助けを求めるほどの魔獣だとするとSクラス以上の魔獣かもしれないからだ。
「<欲望の魔鳥>...クォーカスだ」
その瞬間ボクの体に雷が走った。
「ククククク、クォーカスってあのクォーカスですか!!!!!!」
「そ、そうだ魔鳥類の王とも呼ばれているあのクォーカスだ」
ボクの変わりように先生以外が少し驚いている。
そう、今ボクは物凄く興奮している。<欲望の魔鳥>と呼ばれている鳥の王クォーカス、ボクがいつか会うと決めている生き物の第2位にこんなに早く会えるとは思ってもみなかった。
「出発は何時ですか!!!」
「あ、明後日で出来ればお前に第ニ師団員30人の転移も頼みたいんだが」
「分かりました。それとボクも頼みたいことがあるんですけど」
「何だ?」
今ボクはこの機会に前から考えていたある計画を実行することにした。
「話しをする前に王、ボクはこの一年とちょっと国のために十分尽くしてきましたよね、そしてそのことに関してボクは褒美の一つも受け取らなかったですよね!!!」
「う、うむ」
「と言う事でボクはこの任務が終わりしだいそのまま旅にでます!!捜さないでください!!」
「な!!そんなことが許せるか!!お前は十師団団長なんだぞ!!!」
「じゃあボク団長辞めます」
「なっ!!」
これには王も何も言えなくなって。
「だって元々無形が欲しくて試験受けただけですし。あ、言っときますけどこれは返しませんよ。それにこれ使えるのボクだけですし」
無形はボクを主としているから他の者が使おうとする拒絶するようになっている。
「いや、今更返せとは言わないが」
「そうですか。それじゃあボクは旅に出るのでこれで失礼しまぶっ!!!!!!?」
いきなり後ろから衝撃が!ボクにいきなりこんなことする人は...
「何ですか先生?」
「何ですかはこっちですよ翡翠、さっきから自分勝手なことばかり話して貴方がいなくなったらミレイナは誰が教えるんですか!!」
(ここでその話しをする貴女も充分自分勝手だと思う...)
ボクは心の中で悪態をついきながら。
「ミレイナに教えれることはもう無いですよ。充分首席で学校を卒業できます」
学校とは、12〜15歳まで通える魔法を教える教育機関でミレイナが通っているアルセイフ国立学校は国で一番成績の良い学校で良い成績を残して卒業すると十師長団から団員としてのスカウトがくる。姉様はこの学校を首席で卒業してボクの団以外の十師長団全てからのスカウトがきた。
「その話しはレキちゃんには言ったのですか?」
「言ってませんけど大丈夫ですよ適当に言いくるめます」
先生は呆れながら。
「レキちゃんもうちの娘も可哀相に」
ボクはそれに苦笑し。
「まぁとりあえずそう言うことで王、ボクは今回の任務が終わり次第旅にでますのでボクの代理をたてるか退団させるかそこは任せます。あと代理をたてる場合はボクの力がどうしても必要な時はこの種を割ってください何処からでも駆け付けるんで。それじゃあそう言うことでよろしくお願いします。」
そしてボクはそう言うと先生の方にお辞儀をして部屋をでて家へと帰った。
この世界の設定諸々は翡翠が旅に出て少ししたら紹介します。