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第八十六話 地獄の餌ウサギ
無尽蔵の遺体の壁を突破し、僕達は浮島の一端へと足を踏み入れた。その大地にはまるで熱帯雨林のように生命に溢れていた。苔むした大地と大樹が密集し、鳥の鳴き声や虫の鳴き声も聞こえる。田舎の雑木林そのままの森林地帯が目前に視えた。
「…」
ふっと僕達の目の前に邪悪な目つきをした汚れだらけの目つきの鋭いウサギが出てきた。
「あら。不衛生」
僕達目掛けて飛びかかってきた。それをビッキーは四肢切断して動きを止めた。
「怖いですねぇ」
そして首をはねた。
「それにしても、人相が悪いですねぇ」
確かにヤバイ面構えだ。モンスターの領域に踏み込んでる。血走った目つきも、半分人面のようだ。