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エピローグ 偉大なる勇者の休日

ビッキーが怒ると地球が割れそうに感じてしまう。あっヤバイな。って感じだ。親にズボンを下げてエロ本出してティッシュを一枚置いておくのが見つかったぐらいの衝撃度だ。人によっては学校を四日間ぐらい休むかもしれないし、人によってはバッグ一つで世界に放浪の旅に出かけるだろう。それとも、真夜中まで公園のブランコに座って走馬灯の回想をやって人生を省みる。いずれにせよ、死ぬまで永遠に忘れない記憶だ。魂に焼き付く記憶だ。死ぬ前に思い出す記憶。そんなヤバさと並ぶぐらい、今はヤバいと感じた。


「…」


凍りつくようなオーラが体から溢れて僕たちのいるフロア一帯に溢れてる。


「千年前ならチビってたな」


王様はボソリと言った。それってギャグのつもりだろうか。


「なんで五人で並んで打ってるのに大当たりゼロなの?」


ビッキーは無言の沈黙を突如として破った。ブチギレてるのが自分自身では解ってない感じの口調だ。


「遠隔だからじゃないですかね」


マスターは言う。


「今当たらない時間帯だからじゃないかな?そういうのもあるんだよ。そんでもって席を立った後に次打ったやつが1000円で確変入ったりとかね」


マスターは死んだような目になって言っている。半分は自分自身に向けてであろう。


「オレ達が打ってる台は450分の1で大当たりの確変突入率50%のスマスロマックス機。こういうこともあるさ」


マスターの発言は火に油を注ぐ結果になったらしく、短くそうですかぁと言うと。


「止めましょう」


そう言った。


「まだ大当たりしてないんだが」


王様はパチンコ依存症の適性がありそうな発言を放った。


「…」


僕のフレはコーヒーレディにメニューを始まりから終わりまでを一つずつもって来させてる。満足そうな表情を浮かべてる。パチンコ屋にパチンコ以外で幸福に浸れたのはおそらく史上初めてだろう。


「うーん」


そもそもコーヒーレディという存在自体、僕は認めてない。福本漫画に可愛い女性がいたか?いなかったろう。ギャンブルと女性はミスマッチなのだ。


「台を変えましょう」


鶴の一声で僕たち五名はゾロゾロと台移動をやった。


「スカイドラゴンか」


「え?なにこれ?」


穴が四つ開いてるクルーンが四つ中央に据えられてる。一発台か。


「どうせ傾斜がダメで入らないんだ。きっと」


マスターはもうそろそろ負けが確定しそう顔で、声は泣き声。


「じゃあやりましょうか」


千円で一発。あって二発。無くてゼロ。それがようやく入って4✖️4✖️4✖️4で大当たり。


「絶対無理でしょこれ…」


無理ゲーである。どう足掻いても絶望。


「ん??」


かこん。気付けば一発入ってクルーン二台目に玉がくるくる転がってた。


「まさかね」


かこん。そして三つ目も突破。そして。


「え?」


かこん。ファああああゔぉおおおお。凄まじい轟音と共に視覚から電子ドラッグ飛び込んで来そうな激しい明滅と爆音で変な汁が脳から出た。


「フォおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


変な声が出た。脳から変な汁が出てる。


「きたっ!来たよ!きたっ!!き…」


僕たち五人全員が当たってた。王様はちょっと民衆の前には出せないような顔をしてるし、マスターに至っては変顔の境地である。ビッキーとフレだけが無言で打ってる。


「…」


これは…。やってる(確信)

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