エピローグ 無敗のギャンブラー
ゴシック様式の部屋、ひょっとすると僕の想像してる銀座あたりの高級クラブみたいな雰囲気かもしれない。そんな中で、マスターと僕はパンツ一丁のガッチガチな体をあらわにしていた。
「負けまくりですねぇ」
ポーカーで負けまくったのである。そんでもって僕の財布は空になった。硬貨すらも無い。情け容赦ないディーラーである。
「もしかして、ケーキに洋酒結構入れてました?」
「入れてますねー」
そのせいかもしれない。悪ノリが過ぎた。どれだけ悪ノリしたのか。持ってるお金が無くなると、次賭けるのは着衣の洋服であって、マスターが全裸になると僕も勢いだけで参加してしまってポーカーで、すってしまった。丸ごとである。
「なかなかいいからだしてるねー君たちー」
ちなみにさっき、記念と評して動画サイトにお店の宣伝のために店内状況を見回す撮影をやっていた。そしてバッチリ撮された。年齢制限食らってしまえって思う。そして僕たちがどうして負けたのか。負けまくったのか。それは格好があまりに悪いので省略。
「奥さんもやりますかー?」
ディーラーがそう言った瞬間、流れが変わったように思う。
「やる」
そして我が妻はものの見事に僕たちの服はおろか、お財布の中に入っていた現金すら取り戻してくれた。
「…」
ちなみに、全勝である。HiGH&LOWもポーカーもババ抜きも全勝である。僕はドン引き、マスターはすげぇすげぇの感嘆詞の連続である。
「きりがいいんで交代しますねー」
「いい。取り返すものは取り返すだけだから」
そう言って僕たちは食事代をサービスしてもらってお店から命からがら出ることができた。妻がどうしてギャンブルに勝てたのか。必ず勝利を納めていたのか。おそらくだけど、妻は人の心が読めるのだと思う。ただ、それはあくまでも普通の人に対してであって僕の心は読めないみたいだ。ただ、これも僕のなんとなくな考えだけど、おそらくは当たってる。
「マッキー良い奥さん貰ったな」
「正式には貰われたんだけどね。僕が。僕お婿で、苗字は東雲から梅田だよ。ほら。マイナンバーカードにも梅田」
「そうだったな」
「ありがとハニー。助かったよ」
「大勝利」