エピローグ 続々、年一
「ゴッドだな、やっぱり」
新宿には多くのパチンコ屋があるけど、その中でも特に勝てる日、つまり、一年で最も客側が大勝できる日。去年の出玉率も教えて貰ったけど、抽選に勝てえすれば大勝ちできる最大級のパチンコ屋にやってきた。もちろん騙されて。
「どういう仕様なの?」
「8192分の1を引く。高設定なら昼までには判別つくだろ。もちろんノリ打ちな」
全然仕様の答えになってない。
「僕の月のお小遣いは5万円なんですけど。今財布に3万4000円入ってるばっかりなんですけど」
「は?この前仕事紹介したじゃん!」
「僕達は普通に生きてんの。自由に使える範囲は平均のお小遣いなの。残りは貯金」
「何億もあるのに!?」
「僕もう、お父さんだよ?子供には、まともな金銭感覚身につけてもらいたいし」
「すげー。大人だ。ピーターパンじゃない。。」
僕達は並んでギャンブルする羽目になった。ちなみに僕の隣がジバダーでマスターの隣がいそまるさんである。ってかこの人カメラに向かって喋りまくりだな。風俗の話が出ててかなり不快でおこだ。
「ばばばばぺぺべぽぽぽぽぱぽぱぱぱぱーー。初当たり早いな。おっ。ラッシュ直ってんな。おいマッキー、バイヴスあげてくぞ!」
「そっすね」
パチンコのコーナーからスロットのコーナーまで音が聞こえるほどの大音量である。音量下げろよと。、こういうのマナーだよな。そもそもスロットよりパチンコの方が楽なんだよな。ストップボタン押すのも手間。。。あ。
「なんか引いたかな」
「槍刺さってるな。それ確定のやつ。あっつぅーー」
なんかの真似をされても分かんないぞ、こっちは!
「あっ。これ」
バーが揃ってテンパイ音が走った。
「ハッピージャグラーのビッグ!」
「うほ!ああーペチ」
第三停止ボタンを勝手に押された。
「ちょっ!なにやってんですか!マジやめてくださいよ!」
てれれれれーでっでっで、でーでー。
「ロッコンシヨージョー!!すまん。でも一応、ノルマ達成。負けてもいい」
「なに言ってんですか!?」
そんなことを言ってると舌打ちが聞こえてきた。ジバダーマナー悪いな。
「これどれぐらい出ます?」
「出るんじゃない、抜くんだ。オレらは今日、ぶっこぬきにきてんだから!3000枚ぐらいかな。この台リプレイもベルも基本揃わない4号機にタバスコぶっかけたような台だから」
「やべーな、じゃあこれから大爆発目指しまーす」
ボーナスゲームが一時間経過しても止まらない。4000出てる。
「くそがっ!」
ジバダーは熱いチャンスゾーンを外したらしく、台パンしてるし。
「オレもチャンスこねぇ。。。あ。お金が無くなった」
「先に帰っててください」
「じゃないよ!メダルちょうだ。。。。スマスロだからメダルの融通が出来ない!!」
「マスターこそお金はそこのatmで下ろしてくればいいじゃないですか」
「オレは固定資産持ってないよ。財布の中だけ。そしてゼロ。分かるよね?」
僕はしぶしぶ財布の中から二万円を取り出し渡した。
「二万円?」
「どうせ一万じゃ当たんないでしょ」