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エピローグ 格闘対戦ゲーマー

Realでの絶景探しは一か月に一度のペース、主にビッキーに誘われてパーティで行動したりもする。もちろん、三人の時間が合わないと一緒にパーティは出来ない。たまに一人だけの時間が出来た時、Realの無料格闘ゲームをやったりもする。


「二十分ぐらい時間空いちゃったな…」


ゲーセンの格闘ゲームと同じ要領。ゲーム内で死んだり魔力切れを引き起こしてもゲームが終われば復帰するし、持っていた武器や装備品なんかも壊れたり耐久度減ったりしても原状復帰する。一応レベル別で似た強さでランクマッチする、戦闘職の娯楽の一つ。もちろん負けた事は無い。勝ったことも無いんだけど。一応最強を自負させてやらせてもらってるので、オレTUEEEなんてやんない。ヒマ潰しさせて頂いて気分悪くさせてしまったらちょっとフェアではないからね。一応ヴァミリオンドラゴンの魂と融け合っているので、そもそも一対一というよりは二対一に近い。それでも、何十回かやってる内に強いと思う相手とは出会ったりもする。過去二度負けそうになって焦ってドラゴン変化第二形態までぶち上げたことすらある。世界は思ってる以上に広いのである。


「ちょっとやってみるかな…」


そんな僕が、敗北を予感させるプレイヤーと出会った。


「オーソドックスな荒野で、対戦相手は武器二本を腰に下げてる近距離接近タイプか…対戦宜しくお願いしますっと」


「…」


大体距離は25メートル程度の間隔か。超近距離の領域。勝敗が決する間合いだね。


「…」


一瞬、対戦相手の姿が幻のように消えた。その時思った。これはちょっと違うかもしれないと。


「…ッ」


反射的にドラゴン変化第一形態になっていた。目の前に相手が居て、みぞおちに一撃。拳が突き刺さっていた。


「…」


刀ではなく、拳で。いや、それ以前に、この感覚。あの時だ。Realの死火山でムゲンさんと手合わせした時と酷似。一瞬で間合いを詰められ、意識もする間に斬られていた。あの衝撃。


「…!」


「武器を使用しないとはね」


後方30メートル以上の距離を持たせて飛んだ。


「武器とは…格上に対して使用するものだ……。が…」


ドラゴン変化、第二形態。体内の魔力を爆発的に高めてオーラを硬質させる。究極闘気カリスマの使用。こんな場所で。こんなところで。こんな時に。


「こちらも抜かねば無作法というもの…」


堂に入るという言葉があるけど、この人の武器を引き抜き、抜剣した姿勢。たたずまい。様相。どこかで見たようなポージング。まるで力が入ってない、ある種の弱弱しさすら一見の印象に感じてしまう。真っすぐに射すくめられるような眼力が、その意志を雄弁に語っている。斬る!という意志を感じる。心拍数を上げていけ。意識しろ。絶対相手はマジで強いッ!!


「…」


相手が斬る動作をするのを見た。飛ぶ斬撃とやらを僕は体感したことがある。余裕でかわせる自信はあったはずだった。


「…」


袈裟斬りにぶった斬られた。


「…ほぉ……」


が。ダメージはそう無い。見えない速度で放たれる攻撃。僕の意識できないレベルでの可動速度。この時点で、夢幻さんを超えるファイターであり、これまでの歴戦を塗り替える強者と認識した。この人僕よりヤバイじゃんッ!!



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