ペンギン三兄弟 〜 38話 秋の毛ハイ の巻
ペンギン三兄弟
チャン・・・性格は几帳面。声がいいが顔がデカい。
サングラスをかけている。つぶあんが大好き。
ドン・・・体はちっちゃいが、器用に何でもこなす。
収集癖あり。
ゴン・・・ド天然。普通のことが超不器用。
日々体を鍛えてる。ゴジラが大好き。
ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。
今日も仲良く暮らしています。
3羽は縁側に寝転んで空を眺めていました。
チャン「きれいなうろこ雲だなあ」
ドン「すっかり秋の空だね」
ゴン「うろこと言えば、秋は魚もおいしいよね」
チャン「秋はなんでもおいしくなる季節だよ」
ドン「そうそう、おいもだってね」
ゴン「なんだか腹減ってきたな」
チャン「今はちょうどおはぎが食べ頃なんだなあ」
ドン「おはぎイイね、食べたい」
ゴン「チャンは、ほんとアンコが好きだよな」
チャン「だっておいしいもん」
ドン「知ってる?アンコを作る小豆には、肌や髪の毛にいい成分が含まれてるって」
ゴン「へえー、そうなの?」
チャン「おい、それはちょっと聞き捨てならないな、髪の毛にいいだって?」
ドン「そうそう」
ゴン「ペンギンには髪の毛ないよ」
チャン「髪の毛にいいなら、ペンギンの毛にもいいに決まってるだろ、最近頭の辺りがさあ」
ドン「あ、チャンも?ボクもちょっと気になるんだよね」
ゴン「髪の毛もいいけど美肌ってのがいいな」
チャン、ドン、ゴン「よし、おはぎ買いに行こう!」
3羽は、ドタバタとお財布を持ちだして、
近所の和菓子屋「あん」へ向かいました。
3羽は足取りも軽く、何かつぶやきながら進みます。
チャン「髪の毛、髪の毛、ルンルンルン」
ドン「毛、毛、毛、毛が生える」
ゴン「美肌、美肌、つるんつるん」
ゴン「おばちゃーん、おはぎちょうだーい」
お店に着くと、ゴンが高い大きな声で言いました。
おばちゃん「あらペンギンさんたち、いらっしゃい。残念だけど、おはぎがあと1つしか残ってないのよ」
チャン「えー、そんなあ」
ドン「ないと、余計に食べたくなるおはぎ」
ゴン「あんこならなんでもいいんじゃない?」
おばちゃん「オホホ、それが今日はね、ぼたもちも、大福も、あんころ餅も、なぜか全部売れちゃって」
チャン「ガガーン!」
ドン「ますます食べたくなるあんこ」
ゴン「とりあえず最後のおはぎ一個ください」
家に戻った3羽は、箱に入った一個のおはぎを囲んで
向かい合っていました。
チャン「どうする?」
ドン「やっぱジャンケンじゃない?」
ゴン「最初はグー、ジャンケン」
チャン「ちょっと待て待て、また忘れてるよ。
オレたちはみんなグーしか出せないの!」
ドン「あ、そっか」
ゴン「じゃあさ、仲良く三等分する?」
チャン「それがいいね」
ドン「そうしよう」
3羽は、あったかいお茶をすすりながら、
ひと口ほどの大きさのおはぎを、仲良くいただきました。
一方、和菓子屋「あん」の壁には、紙が一枚貼ってありました。
『ペンギン三兄弟様、明日、おはぎ30個おとりおき』
30個かよ!
反動っておそろしいね
おしまい