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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

『フレンチトースト』

作者: Zimmer Volkovsky

初めまして、ズィマー・ヴォルコフスキーです。

『The Strange Men』という男女共学が許されない架空のアメリカの州の男子校達の日常ストーリーを創作しているのですが、この作品のスピンオフ的な気軽な小説を書いてみたいと思い「小説家になろう」を始めてみました。


[The Strange Menシリーズ]

https://www.uchinokomato.me/episodes/5126



今回このサイトでの処女作はTSMシリーズのちょっと間抜けだけれど頼れるお兄さんのジャッカルとツンデレで少し素直になれないオスカーカップルの休日のだらだらとした昼の話を書きました。


[ジャッカルのプロフィール]

https://www.uchinokomato.me/chara/show/205276


[オスカーのプロフィール]

https://www.uchinokomato.me/chara/show/204115


※TSMストーリー内容やキャラクター説明を読まなくてもこの小説は読めます。


--------------------------------------------


感想やコメント等は気軽にお願いします✨


[作者のTwitter]

@Lazyboy_vol22


[創作アカウント]

@Volkovsky_22

恋人であるクローことオスカー・ブライトウェルは凜として人前では決してジャッカルに甘えることなどないのだが、2人っきりになった途端持ち前のしなやかな体でジャックに甘え始める。もちろんその時のジャックに理性など存在しないのであった。



_________


『ふぁあ〜』


まだ眠たい重い体を起こし大きな欠伸をする。

隣で寝ているオスカーを起こさないように目覚まし時計に手を伸ばす。短針は1の数を指していた。


『もう1時か、腹減ったな…』


いつも休日はオスカーと料理をするのだが、気持ちよさそうに寝息を立てている天使を起こす気持ちにはどうもなれない。


髪の毛を撫で、そっと頬に触れる。

きちんと手入れのされた銀髪の髪の毛は絹のように美しく、まつ毛の長い横顔はまるで人形のようだ。このままずっと見続けていられるような美しさだが流石に空腹には耐えられないのでクローの白い肌に毛布をかけ直しベットから降りる。


『さて…』


キッチン。確か食パンが残っていたはず。

いつも1斤買うのだが自分は朝ごはんをあまり食べずに出かける日が多く、オスカーは元々少食なので中々これが減らないのだ。それならば買う量を減らせばいいのだろうが半分だと少なく、買い出しに行く数が多くなって学生という忙しい我らには手間がかかって面倒なので1斤なのだ。


そろそろ期限も近いので切らす前にフレンチトーストにして美味しく食べてしまおうと思う。キッチンにはレシピ本が多数並んでいるのだが全てオスカーの物だ。どこで買ってくるのか知らないが彼の母国語であるドイツ語で書かれているので英語しかできない俺には読めやしない。ケータイで調べるのも面倒くさいので料理はいつも感覚でしている。


卵を割って牛乳を注ぎ、砂糖をスプーンで適当に2杯入れて混ぜる。そこに4分の1にカットした厚切りの食パンを並べレンジで温める。小さい方が直ぐに染み込んでくれるので時間短縮になる。その間に紅茶の用意をする。


お湯を沸かし、ダージリンの茶葉をティーポットに予め入れておく。真っ白なソーサーの上にアンティークなティーカップを用意する。坊ちゃんはお茶に対するこだわりが強いのでね。


先ほどレンジで温めていた食パンをひっくり返しもう一度温める。テーブルクロスを轢き、皿を並べ、メープルシロップを用意しておく。


音のなったレンジから食パンを取り出し、薄く油を引いたフライパンに並べる。お湯が沸いたのでティーポットに慎重にお湯を注ぐ。キッチンが紅茶とフレンチトーストの甘い香りでいっぱいになる。


白い皿にフレンチトーストを2枚ずつ乗せ、紅茶を入れる。どうだ、オシャレな朝ごはんだろう?後はオスカーを起こすだけ。


『オスカー、ご飯できたぞ。』


オスカーは『やだ』と小さな声で呟き毛布に丸く包まってしまった。


『坊ちゃんの好きなジャッカル様特性のフレンチトーストを作ったんだぜ?』


フレンチトーストに反応したのか眠たそうな顔をしながらオスカーは体を起こしじっと俺のことを見つめる。



_________


『腰が痛いから椅子に座れんわ。』


『じゃあベットで食べるか?』


『んー、そうするわ。』


『誰がこんな“お下品”な食べ方を教えたんだか?』と人差し指と中指を2回折るとオスカーは『お前やろ』と笑った。


プレートにフレンチトーストと先程淹れたダージリンティーを乗せベットのサイドテーブルまで運ぶ。オスカーがフレンチトーストを丁寧に一口サイズに切り、口に運ぶ。


『美味しい』


幸せそうな顔をするオスカーに思わず自分も笑みがこぼれる。もう一口、もう一口と頬張る姿が愛おしい。じっと見つめていたからかオスカーは少し恥ずかしそうな顔をする。


『…そういえばお前の分は?』


『あっ。』


完全に自分の分のことを忘れていた。

まだ卵も残っているし焼けば直ぐに作れるので手間ではないし、少しでも長く美味しそうに食べてくれるオスカーのことを眺めていたい。お腹は大分空いているが彼が食べ終わったら自分の分を焼けばいい。


『特大サービスや。』


オスカーがフレンチトーストに甘ったるいほどにメープルシロップを絡めジャッカルの口に運ぶ。


『おいひぃ』


空腹だったからか、愛する人からの一口からだったのか、理由はわからないがジャッカルはオスカーに幸せそうな顔をするものだからオスカーもつられて微笑んだ。





幸せそうな二人を邪魔するものは誰もいない。

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