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8、陰謀と逃走

異世界へ


裏切りか。


いや、本人はそんな自覚はないだろう。


私のベンさんや国内の陰陽師から私の魔術の情報の一部がいくつかの国の諜報機関に漏れたらしいという事が伝えられた。


彼らの調査によるとどうやら親しいアメリカの魔術師が友人の魔術師に私のすばらしさを自慢してくれたらしい。


その場所が悪かったよ。


周囲にいくつかの国の諜報員がいたようだ。


隠蔽をしっかりしていなかったようだ。


それ以前から私はマークされていたようだ。


私の友人知人たちから情報を得ようという動きはあった。


私ももう少し気を付けておけばよかった。


親しいアメリカの魔術師は泣きながら謝罪してきた。


悪意がないのだから仕方ないよ。


私のことで巻き込んでしまって申し訳ないとも思っている。


そしてすでにいくつかの国が私を確保するために動き出していた。


ベンさんは魔術師の組織で私を守ろうと動き出してくれているが少し後手に回っているようだ。


国と繋がりを持つ魔術師組織がある関係から私が特定の国に拉致されるのを防ぐ方向で諜報員を動かしてくれた国もある。


実は国の中には魔術師が強い力を持っている国が存在している。


その国なら私の見方になってくれるだろう。


以前移住しないかという誘いもあった。


普通に暮らしたいと伝えたらそれを尊重してくれた国だ。


多くの国は違う。


それぞれ自国の優位のために、自国の野望のために、自国の利益のためにまたは自国の経済を守るために動き出した。


国だけではない。


私が魔術を公表すれば困ってしまう産業の組織や会社も動き出した。


そんなことするするわけないのに。


そう言っても無駄か。


国や組織や会社によって私に対する行動の方向性は異なるようだ。


拉致・拘束・確保・隷従・抹殺。


少し前から兆候があったのに見過ごしてしまったようだ。


散布したナノマシンからの情報を利用すれば何とかなったのかもしれない。


失敗だったな。


甘かった。


私だけならいい。


実力行使をすれば切り抜けるのは簡単だ。


このままでは私の周囲に迷惑がかかる。


怖いのは不特定多数の人質だ。


下手すれば私の住んでいる所の周辺の人たちにまで・・・・。


一部の国や組織は抹殺のために周囲の犠牲を考えない方向で動いているようだ。


安全を守ってくれる強大国へ行くか。


それはそれで不味い。


私の魔法は地球のそして世界の秩序を壊してしまうだろう。


世界を力で支配するという手もあるがそのような面倒は嫌だ。


時間がない。


私はこの世界にいてはいけないようだ。


そうなると逃走しかないかな。


どこへ。


一つだけ彼らが追っての来ないだろう場所があるのだが・・・・。


・・・異世界。


正確に言うとこの世界から過去に分岐した並行世界から派生したような世界のようだが。


神隠しの研究中にその存在に気がついた。


神隠しは異世界への転移と考えられた。


異世界からの転移者も発見したが会ってもらうことはできなかった。


少なくとも30以上の異世界が存在する。


頻繁に神隠しの起る場所を調査して異世界の次元における座標は解析することに成功した。


何回かいくつかの異世界へとナノマシンを送り込んだ。


そしてナノマシンの一部に帰還命令を出したらは帰って来ることもできた。


現在も送り込んだナノマシンと交信をして調査を継続している。


転移しても生きていける環境だということを確認した24の異世界の一つに行くことにしよう。


どの異世界に転移するか選ぶ時間はないが私の調査では地球からの転移者が一番多いと思える異世界だ。


私の転移能力で本当に大丈夫かもわからないが行くしかない。


兎にも角にも時間がない。


悪い情報が入ってきている。


私に対する攻撃の計画だ。


このままでは巻き込まれる人たちが出てしまう。


転移の時に私がこの世界からいなくなることを公表しなければいけない。


全ての荷物を持ち計画もなしに、置手紙を置いて異世界へと旅立つよ。


喫茶店は友人に任せることにした。


彼女なら有力な陰陽師の一族だから大丈夫だろう。


マスコミも利用しよう。


高性能ロボットなどの発明である程度有名だから記者会見ぐらいは開くことはできる。


陰陽師組織もいろいろ手をまわしてくれた緊急の記者会見を開いた。


魔術も含めて秘密にしてきたことの多くを公表した。


私が科学者であるだけでなく尋常でない力を持つ異端の魔術師でもあることも公表した。


そして狙われていることも。


だから逃げようとしていることも。


そして世界を混乱させたくないことと私が拉致や確保されれば世界の力のバランスが崩れる事、そしてそれを恐れて私を抹殺しようという組織があることも発表した。


一番恐れているのは周囲の人たちがこの騒ぎに巻き込まれることだとも告げた瞬間、私に銃弾が撃ち込まれた。


しかし私の攻撃反射魔術が自動発動して暗殺者は致命傷を負った。


目覚めが悪いので暗殺者を拘束してから治癒魔法をかけて命を助けてしまったが。


やはり私って甘いのかな。


今のように私の友人や知人たちにも危害が加えられないことも伝えた。


危害を加えれば危害を加えた者が危なることは今見てわかると思う。


実際会見の前にナノマシンを介して攻撃反射を友人と知人たちに施しておいた。


さらに私が異世界に行くこと、そして異世界に行ってもこの世界を見ているとも伝えた。


私の護りたい友人と知人たちへの理不尽な攻撃には異世界から介入することも宣言した。


これだけ伝えておけば大丈夫かな。


会見場というマスコミと多くの国や組織の監視の中で異世界へと私は転移をした。


多くのメッセージを残して。


あ、あの小説の続きを読みたかったな。


・・・・まあ情報収集で読めるからいいけど。

お読みいただきありがとうございます。

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