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5、究極の魔術と言ったら空間干渉の魔術かな

やっと会話が入りました。

主人公は会話の嫌いなボッチではありませんが。


空間干渉系の魔術もいくつか世界に存在した。


その多くが空間拡張と結界だった。


転移も存在はしたがよくわからない面が多かった。


ましてや異世界転移などは無理。


絵空事だと思っていた。


そんな時に神隠しのよく起こる神社の話を聞いた。


さらに神隠しの起る場所は日本中に何か所かあることが分かった。


中には神隠しにあった人物が遠い土地で保護されたという事件もあった。


移動距離と時間の関係から転移が起きとしか考えられないケースも数件ある。


調査を行い転移であるという証拠をいくつか見つけた。


その中で最近神隠しの起った神社の奥の院の鳥居で魔法粒子の残滓が発見された。


空間に歪みがあることも判った。


残念ことに空間のひずみはすぐに修復されてしまった。


転移を含む空間干渉の研究は難航したが何とか使えるようになった。


正確に言うと空間拡張と結界はすぐに解明して使う事が出来た。


まずは空間拡張だ。


イギリスの魔術研究家ベンさんが理論を飛ばして教えてくれた。


彼は深さ20cmしかないレジ袋に長さ50cmの木の枝を入れるところを見せてくれた。


魔法粒子の動きが見える私にとってはその魔術式の解明は簡単だった。


鑑定と思考強化ですぐに使えるようになっていたがそれを言うと長年の努力の末に使えるようになったこのベンさんに対して失礼になるのでただ感心をしていたらとんでもないことを言われた。



「君も空間拡張をできるようになっているよね」


「え、」



ジーっと私見ていた魔術研究家に見抜かれてしまった。



「君には魔術とはどのようなものか見抜く能力があるではないかな?」


「わかるのですか?」


「年の功だよ。君の考えや能力を読み取る能力があるわけではないよ」


「正直に言いますと事象変えるエネルギーの動きを観察して分析できます。ですから見た魔術を再現できます」


「それは全く厄介な。新しい魔術も簡単に開発しているという噂はやはり本当か」


「はい」


「まずこの箱に空間拡張を施してこの1mの長さの枝を入れて見たまえ」



出された箱は深さ10cm。


縦横も10cm。


問題なく空間拡張を行う事が出来た。



「空間拡張では入り口を通れないものは入れることはできないから注意が必要だ。それでは庭に行こう」



庭にはテントが張ってあった。



「それではこの中を空間拡張してみせるよ」



ベンさんの空間拡張魔法でテント内が縦横高さとも2倍になった。


外に出てみるとテントの大きさは変化していない。



「それでは一回空間拡張を解除するからタカシ君がやってみてくれるかな。まずは縦横高さは倍で」


「はい。わかりました」



一度内部を元に戻された空間を拡張する。


指示通り縦横高さを倍にした。


簡単にできた。


その後もさらに倍とか3倍とか10倍とか100倍とか試したがすべて成功した。


結局反対側が見えないところまで大きくしたが問題がないようだ。



「私の空間拡張は倍までで重ねて拡張することはできない。他の魔術師も同じだ。タカシ君は規格外だね」


「そうなのですか」


「力は気を付けて使った方がいいよ」


「はいありがとうございます」



その後、ベンさんには結界についても教えてもらった。


まさに空間を弄る魔術だ。


これで空間干渉の魔術を使った結界も創れるようになった。


防御の障壁の魔術とは少し異なる結界だ。


空間干渉で創られた結界は選択的に透過可能な物が光と音だけになった。


エネルギー操作によって作れる結界とは少し違う。


空間干渉による結界の方が強度が高い。


光と音は設定で遮断できる。


結界内の広さも空間拡張で広くすることが可能だ。


周囲にエネルギー操作で光学迷彩を施せば内部を隠蔽できる。


エネルギー操作と空間干渉の結界を複合すると面白い結界が創れる。


ベンさんには色々助けられた。


様々な助言も頂いた。


私にとって師匠と言える存在だと思う。


そういうと叱られるのだが。


ベンさんの所から帰った後、空間拡張を色々と行ってみた。


空間拡張を喫茶店の地下の一室で行った。


なかなか便利だ。


グランドサイズの魔術実験場ができた。


壁は結界で強化しておいた。


扉も結界を使って作った。


元は3畳の部屋なのに。


魔術で作った家や小屋にも空間拡張を施してみた。


これも使えるぞ。


ワゴンタイプのキャンピングカーに仕切りを作ってその内部を空間拡張で整備した。


寝室・居間・キッチン・トイレと風呂だ。


入り口は勝手に入れないように結界を利用したセキュリティを施した。


これでどこにでも快適に出かけられるね。


ついでに空間拡張を施したテントも作ったよ。


結界・空間拡張・神隠しの研究の集大成として転移を完成させることができた。



転移は瞬間移動でなく転移門を使う方法を開発することができた。


これは離れた空間を接続する方法だ。


別次元の空間を使って2点を距離ゼロで接続した。


初めは見える範囲に2つの転移門を作り片方からボールを投げ入れた。


片方の転移門からはいたボールがもう一つの転移門から出てきた。


ボールに損傷とかはない。


色々な物の転移門通過実験を行った。


風船・動くおもちゃ・本・ボールペン・水の入ったペットボトル。


転移をした水にも変化がない。


次に各種野菜・生魚・生肉。


問題なし。


鉢植えの植物も異常なし。


長細い虫かごにコオロギを入れて片方の転移門から入れた。


コオロギは問題なく転移門を通過した。


鳥かごに入った鳥も大丈夫だ。


その後は自律思考型ロボットだ。


通過後の思考回路や記憶に問題がないようだ。


猫も使った。


体の半分がもう一つの転移門から出ている猫の姿もシュールだ。


犬も大丈夫だった。


2匹とも結構賢い。


転移後も問題なく賢かった。


それでは次は私かな。


恐る恐る転移門を潜った。


1足す1は2。


大丈夫そうだ。


記憶にも問題はない。


転移門の距離を変えながら実験を繰り返した。


地下の実験場は大変に役立った。


問題ないようだ。


もう一つの転移門は記憶にある座標には簡単に創ることができた。


ベンさんに連絡してイギリスの彼に自宅に転移してみた。


そして彼にも日本に来てもらった。


密入国になるから家の外には出る事が出来ないけど・・・・。


ベンに転移門の作り方を教えたが縦横50cm距離は1mが限界だった。


それでも伝説魔術師の仲間入りだと喜んでくれた。


まあ、公表できないのが残念でとも言っていたが。



門を使った転移も使い方によっては瞬間移動のように使うこともできた。


練習は大変だったけどね。



派生した魔術として別次元の空間を切り取り収納に使うこともできるようになった。


これは便利だ。


容量はとんでもない量になる。


収納の大きさも気にする必要はない。


収納する時の入り口はないのだから。


頭な中に収納した者のリストが表示できた。


また考えたものが収納できた。


空間を時間とともに切り取ることができたものは時間停止した収納にもなった。


時間停止した収納と生物が活動できるように環境を整えた収納には生き物も収納できた。


時間停止した収納はその生物の時間も停止していたようだ。


大きな容量の収納空間をいくつか作った。


時間とか環境だとか条件を色々変えたりできたのは嬉しい事だ。


お試しで作った建造物などをこちらに収納した。


時間経過がない防災倉庫もついでだから作って仮設住宅や備蓄食料などを入れておいた。


時間経過がないから食料の消費期限を気にする必要がない。


傷みやすい食料も大量に入れておいた。


災害の起きた地域があれば持って行ってあげられるだろう。


魔術を使っていることをどのように誤魔化すかが問題だな。


収納空間内の操作もいろいろできるようにした。


収納空間内の物に対しての魔法行使もできる。


ペットボトルを入れておいて収納空間内でTシャツを作れた。


材料を用意しておけば料理を作ることもできる。


空間内で様々な建築物も作ってみた。


簡単だ。


材料があればだけど。


空間拡張で内部を広くした家や小屋を収納したからどこへでも持ち運べる。


すぐ設営もできるから便利だよ。


でも急に家があったらおかしいか。


自分が入って入り口を閉じることのできる収納空間も作れた。


実験した後で気付いた。


中から開けられなかったらどうなっただろうと。


でも収納空間から外へ転移できるのかな。


と思ったら案の定転移が可能だった。


これって神隠しの解明に役立つかもしれないなあ。


あ、収納から収納への移し替えも便利だよ。


頭な中で考えれば済んでしまうから。




お読みいただきありがとうございます。

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