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15、街へ

街へ向かいます


地球から転移してきて15日目の朝、街に向かうことにした。


街道に一番近い休憩小屋まで転移してから徒歩で街道に向かう。


4体のロボットも一緒だ。


ロボットには名前を付けておいた。


貴族などもオートマタに名前を付けているようだ。


女性型がマリとユリ、男性型がケンとシンだ。


街道に出たところで周囲に人がいないことを確認して魔動車を用意した。


キャンピングカータイプだ。


東へ12kmのところに村がある。


そこからさらに南東へ10km進んだところに辺境伯の治める街がある。


メイル辺境伯の領都メイルシティーだ。


ちなみに辺境伯の領地は森の入り口までのようだ。


森に入って2kmぐらいは国の領土となっているが領主はいない。


国有地という事か。


森の中でも開拓を行えば開拓した者が土地を所有しそこからさらに2kmが開拓した土地に最も近い国の領土になることがこの世界の条約で決まっている。


メイル辺境伯の所属する国はアクア王国と言い王都アクアレイクはきれいな湖のほとりにあるらしい。



魔動車は時速20kmぐらいで進んだので40分ほどで村に着いた。


村の入り口では特に身分証を必要としなかった。


助かった。


でも治安は大丈夫なのかなと思ったら巡回の兵士が多かった。


お金を作りたいので採集ギルドに行き、ギルドへの登録を行い、空間拡張をした袋に入れてきた薬草の納品をしたい。


「いらっしゃいませ。どのようなご用件ですか」


「ギルドへの登録と納品を行いたいのですが」


「ではこちらに必要事項をお書きください」


差し出された登録用紙に書くのは氏名と種族と年齢と住所だけだった。


「住所も書かなくてはいけませんか」


「旅の方の場合は空欄でも構いません。定住するところが決まったら最寄りのギルドに届けてください」


犯罪歴がないことを調べる魔道具を使用した後、ギルド員証を渡された。


ギルド員証に魔力を流して手続きが終了した。


このギルド員証は他国でも有効だそうだ。


さらにこのギルド員証は魔道具になっていて実績が記録されていく。


詳しいことが書かれたリーフレットが渡された。


ギルド員証をなくすと再発行に金貨1枚が必要になる。


続いて納品だ。


納品の方は珍しい薬草も多かったようで金貨3枚と銀貨6枚を得ることができた。


その後、年会費銀貨1枚を徴収されたが・・・・・・・。



ハンターギルドにも行きそちらにも登録を行った。


採集ギルドで登録してあるので手続きは簡単だった。


採集ギルドのギルド員証が採集ギルドとハンターギルドの兼用ギルド員証になった。


ハンターには一般と上級があるらしい。


私は当然一般ハンターだ。


納品実績と依頼成功実績によって上級ハンターになるらしい。


ここでも空間拡張をした袋から出したいくつかの魔物の素材を納品をした。


こちらでは大金貨2枚と金貨6枚と銀貨8枚になった。


年会費として銀貨2枚を徴収された。


ここの村は森林と周辺の草原で採れる薬草や魔物の素材の集積地になっている。


だから小さな村だが買取も盛んにおこなわれている。


同時に魔物に襲われるリスクがあるので高さ3mぐらいの石壁で村が囲まれている。


商業ギルドもあったがここでは登録は受け付けていないという事だ。


ハンターギルドや採集ギルドの登録があれば商業ギルドに登録している人と同じような条件で買い取りをしてもらえるというので何点か納品してきた。


商業ギルドの方がハンターギルドや採集ギルドより買取価格が5%から10%程度いいようだ。


ここでの納品で大金貨1枚と金貨2枚と銀貨8枚を得た。


今の所持金は大金貨3枚金貨11枚銀貨19枚だ。


ロボットもオートマタの登録をしたいが街まで行かないと無理なようだ。


街の入る時に登録が出来るらしい。



お金もできたので少し早いが村の食堂で昼食にする。


定食は鉄貨3枚だったがパンとスープと猪のステーキで果物のデザートも付いた。


飲み物は紅茶だった。


シンプルだけど美味しい昼食だった。


満足だ。



昼が近づき食堂が混んできたので街に向かった出発することにした。


街への道のりは平和だった。


魔物が出る事も盗賊が出る事もなかった。


当然お姫様を助けて大活躍という事もなかった訳で・・・。


ちょっと緊張を緩めてしまっていた。


街まで後2kmというところで路肩に脱輪している魔動車が立ち往生していた。


「大丈夫ですか?」


声をかけると護衛の兵士が身構えた。


え、偉い人だったのか。


ああ、領主の辺境伯の魔動車だった。


どうしたらいいかなと思ったら品のいい男性が近づいて来て兵士を下がらせた。


領主に仕える執事だった。


「失礼しました。辺境伯の執事をしておりますナイクと申します。魔動車が脱輪して困っております。お力添えいただけないでしょうか」


「構いませんが。こちらの魔動車で引っ張り上げればよいのでしょうか」


「同時に私たちの魔動車を支える必要もありますのでそちらのオートマタにもお手伝いいただけないでしょうか」


こちらのことが見透かされているなと思ったらどうやらこの執事さん鑑定魔法を使えるようだ。


「わかりました」



私の魔動車で領主の魔動車を引き上げたが領主の魔動車は車軸に損傷が生じていた。


私のことはあちらにある程度知られているようなので魔法で応急修理することを申し出たら喜ばれた。


これで領主の魔動車はけん引すれば動くが人を乗せるのを避けたい。


ということで私の魔動車には辺境伯一行の内8人が乗っている。


運転席には2体のロボットと辺境伯の魔動車の運転手が乗っている。


後ろの座席には私以外に辺境伯夫妻と辺境伯の2人の娘さんたち、執事のナイクさんとメイドさんと一名の護衛の騎士が乗っている。


辺境伯の魔動車は当然私の魔動車でけん引している。


6名の護衛の騎士は馬に乗っている。


ロボット2体は私の魔動車のトランクから出したスクーターに乗っている。


辺境伯夫妻は私の魔動車の内装に驚いた様子だった。


娘さんのうち年上の方は私のことをじっと見ている。


鑑定持ちのようだ。


偽装がばれていないよね?


辺境伯夫妻はお礼をしたいから屋敷に来て欲しいと言ってきた。


断れそうにないな。


そうこうするうちに街の門に着いた。


先行していた騎士がロボットの事前登録をしておいてくれたので簡単に登録が済んだ。


私もギルド員証があるので街への入場が簡単に行えた。


そしてそのまま領主の館へと向かう事になった。

お読みいただきありがとうございます。

評価や感想をいただければ幸いです。

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