俺の平凡な日常に終止符を!
とてもいきなりだが、paradoxという単語を皆は、知っているだろうか?
例えばだ。誰かが誰かに私のいうことに従うなと命令したとする。その結果命令された側は、必ず命令違反をする事になる。これが(paradox)という奴だ。
しかし今の分かりづらい説明だと何故命令違反となるのかわからなかった。という人も中にはいるだろうから簡単に説明しよう。
従うなという命令に従わなければその命令を破棄した事になり命令違反となる。逆に従うなという命令に従うと命令内容の違反となるという訳だ。簡単にまとめれば【矛盾】や【不可能】と言った感じだろうか?
我々人々の人生、否 動物も同じ事が言えるだろう。生きているなか我々生物はなにかと【矛盾】や【不思議】に感じる事があるだろう。しかしその感じた強さによっては深く考える事もあるが、ほとんどが細やかなもので直ぐに忘れてしまう事が多いだろう。それも当然。そんなに考えていたら人生なんてやってられないからだ。
簡単な例として動物のリスは自分が集めた木の実を埋めて取っておき他の物に取られないようにし、後から掘り出して食べるというとても賢い習性を持つ。
ここで話が終われば矛盾も何もないただリスが賢いというだけだが、残念な事に殆どのリスは自分の埋た木の実の場所を忘れるのだ。ここでの矛盾は、忘れるということを何度も経験しているにもかかわらず、習性としてまだ残り続けているという事だ。
今回はたまたまリスが例としてあげられた訳であり、我々生物は、【矛盾】している事を堂々としている事があると言う1つの考えにすぎない。勿論他にも違う考えを持つ人も居るであろう。
では、我々がやっている事は無駄が多いという事なのだろうか?
否
それはまた少し違うであろう。我々が文明を築かなければ少なくても我々は今このように安全に生活が出来なかっただろう。
否
決して今の時代が安全とは限らない。何故ならば、今でも紛争や戦争が、何処かで起きているかもしれないからだ。争いもまた考え方によっては矛盾する。
否
考え?そんな物は我々人間だろうが、野生で生きている動物達、もしかしたら植物さえもそれぞれ自分の考えを持っている事であろう。
否か?
要するに考えが沢山ある為その分答えも自然と沢山出て来るだろう。その答えは全てが自分が出した正解であり、また物理や数値的な答えでわない限りいくらでも疑問や矛盾がまた自ずと生じる。これもまたparadoxなのだろうか?
paradoxに陥って仕舞えば、そこから答えを導き出す事は【不可能】だ。しかし、その不可能を【可能】にできた暁には、我々がまだ解けていない謎もいつ日か解けるきっかけになるかもしれない。
「ピーンポーン...」
玄関の方から鳴り響くインターホンの音。誰かが訪れた事を表す音。しかし、それは音が聞こえてこそなりたつ仕組みだ。聴こえなければなんの意味もなさない。
「ピーンポーン...」
また鳴った。聴こえている。確かに聴こえてはいるが、聴こえているかどうかは訪れた人に知るよしは無く、建物内に居る住人の気分次第で、インターホンその物の存在意義を全否定する事が可能である。
「ピーンポーン...」
そう。居留守である。今はとてもじゃないが、インターホンへ向かう気はない。否、迎えないと言っても過言ではないであろう。何故ならば、
「ピンポンピンポンピンポンピンポン...ドンドンドン...」
「ねー!リン起きてるー?ねー、起きてないでしょ、早くしないと遅刻するよ!」
そう。愛しの布団の中に居るからである。こんな朝早くから動くように人間作られてはいない。そう俺は思う。否、科学的に既に証明済みだ!高校生の理想登校時間は、午前10時頃だと!
「ガチャ、...トットットットットッ」
ガチャ?インターホンでは有り得ない音が玄関から聞こえたが...気にしないで二度寝に入ろう。
「トットットットッ...バン!」
バン?今物凄い勢いですぐそこのドアが開いた様な音がしたが...
「あー!やっぱり寝てた!早く準備して!」
「何でお前がここに居んだよ!」
「リンが起きてこないからでしょ~?!わざわざ起こしに来てあげたんですよ~」
突然家に入ってきて部屋にも堂々と入り起こしに来てくれる幼なじみ。ギャルゲのような朝が来た。はっきりいってこうもいつも見慣れている幼なじみに起こされても嬉しいとあまり思わないし、ウザイと思うときすらある。
「ちげーよ!何でお前が家の鍵もってんだって聞いてんの!?」
「この前玄関においてあったから持って帰ったんだけど、駄目だった?」
否、訂正しよう。「駄目だった?」と聞かれたら。「全然平気だよ」としか言い返せなくなってしまう。何故なら、彼女渡辺 美幸16歳は、幼なじみの俺から見てもとても可愛い!性格に裏表がなくとてもいい子なため友達が多く俺が見る限り中心に居ることが多い。さらに、美幸は運動も得意と来た。高校最初の体育で100m走を12秒台で走り内の高校の陸上部に勧誘を毎日のように受けている始末だ。そう。彼女は完璧美少女なのである。
「いや、別にいいけどさ。」
その後の準備を済ませ、ミユキと共に登校していたのだが...
「信じられない!私が居る目の前で着替え始めるとか思わなかった!」
ミユキさんは、とてもお怒りだった。
「別にいいじゃ!下着脱がなかったし!急かしたのは、ミユキだろ?」
そう。事は数分前にかけのぼる。起こされた俺は、はいはいと返事をしたのちさっさと準備しろと急かされた為まず最初に着替様としたのだがその時、ミユキに別にパンツくらい見られてもいいやと思いそのまま着替えたら、恥ずかしかったのか、不愉快に思ったのか。さっきからこの調子である。
「急かしたよそりゃ~!だって遅刻しちゃうもん!でも私は、16歳のピチピチ現在進行形でjkなんだよ!女子の前で普通服は脱がないでしょ!」
全く女子高生の前でパンツ見せたりする不審者って数が減らないよなーまったっくそいつらバカだよな~!あ、俺もか...全くのど正論が飛んできた。
「わかったって、悪かった。ミユキのことをこれからは、ちゃんと女子として見るよ!」
「今から!...でもその口調だと今まで女子として見てなかったの?!」
今まで俺の肩を後ろから揺さぶって居たミユキが今の一言で固まった。その瞬間俺のポケットから人質を!否、物質を!取り上げた!
「ミユキさん!そんなわけ無いですよ!可愛いですって!だからか携帯折ろうとするの止めて下さい!」
すると案外すんなり携帯を返してくれた。可愛いと言われたのが余程嬉しかったのか登校中はずっと鼻歌を歌っていた。物質を本当に何回か複雑骨折させた凶悪犯がどうしてこんなにもチョロいのかよくわからない。学校でさんざん可愛いくらい言われてるだろうに。
学校の授業ほど俺の憂鬱に感じる時間はない。わざわざ学校に登下校し勉強しなければ行けないのか?勉強なんて物は家で好きなだけ出来るのに。逆に学校に行っているから家で好きなことをずっとしていてもいいかとなると、家庭学習時間が少ないだとか言われなんかかんか矛盾していてイラつく。この小学生見たいな言いがかりだが、皆一度くらいは考えたであろうと勝手ながら決めつけている。帰ったらアニメ見よ。
「今期か~なに見ようかな~…」
「今期なら絶対パラドックスがおすすめだぞ!」
「それくらい知ってるよ!」
「おい!佐藤!アニメもいいけど今は授業に集中しろ!」
「先生アニメ好きなんですか!?...すいません。声に出てました。」
教室内がざわめいた。授業中に誰かが先生に怒こられて周りが笑いだすあれだ。笑いの原因が自分となるととても恥ずかしい...
今更だが、俺の名は、佐藤 燐15歳。友達もそれなりにいて極々平凡の高校生ライフを過ごしているつもりだ。運動神経も、平均以上だ。部活関係は、運動事態あまり好まない為運動部はやめ、文化系は、陰キャの集まりみたいのと吹奏楽しかなかった。どちらも気にならなかったため元々入部希望の帰宅部に入部した。だが。この平凡ライフがあまり気にっていないのだ。異世界に行けるのであれば行きたいが、現実味が無さすぎるため、仮想空間のmmorpgなんたらを早く作ってほしいとねがっていたりする。
「詰まんないんだよな~」
「それは授業の事か?今期アニメのことか?どっちだ佐藤?」
「ん?俺の人生詰まんないな~て思って...すみませんまた声出てました。」
「そ、そうか、気にするなお前らはまだ若いんだからこれから良いことなんてたくさんあるぞ。暑さでそんなこと考えちまったんじゃないか?保健室いってきてもいいぞ。」
待たしてもざわめく教室。恥ずかしい...内の高校の先生方の優しさ改めて感じたが、恥ずかしい...
「キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン」
四時間目の授業の終わりのチャイムが、椅子を引きずる音と共に鳴り響く。そう。全校生徒。否、先生方もふくめた皆が待ちに待った...
「昼休みだ~!」
「佐藤さんまだ授業号令してませんよ!」
「すみません...」
ざわめく教室ももうなれた。否、やはり恥ずかしい...が、授業号令が終わるとお腹がすいた俺は、直ぐ様食堂へむかっ...
「リン君居ますか?あ、いた!リン~お弁当作って来たから一緒にたべよ~!」
屋上へと向かった。ミユキが教室に来てすぐに俺に向かって弁当作って来たよ宣言したため教室がざわめいた。何で?あいつら付き合ってるの?だの、渡辺さんの弁当食えんなら死んでもいいとか言っているやつもいた。もしや俺とミユキは、周りをざわめかせる異能力でも持っているのではないだろうか?何ならどっかの魔王ざわめかしてやろうか?
「嫌いな物入ってた?無理して食べなくて良いからね...」
弁当の蓋を開けてもなお考え事していたため。弁当の出来に不満がっていたと勘違いし心配そうにそうミユキが言った。
「全然!旨そうだけど?頂きます。...うん美味しい!」
「良かった~朝早くから作ったかいがあったよ~」
ミユキの奴朝は、あんなに怒っていたのに実は俺のために早起きまでして弁当作ってくれてたのか。案外こいつ俺に気が会ったりして...
「ありがとな、俺のためにわざわざ早起きまでして。」
「ううん、気にしないで!それ友達にあげるつもりだったけどその子今日休んじゃってさ~...?」
うん。俺に気なんて物はなかったみたいだ。気がもしあるなら中学の時に何か会ったって...そう自分に言い聞かせ自分の勘違いを自分で誤魔化した。恋愛において勘違いほど恥ずかしい事はないと俺は思う。
「えっと...今度から私毎日作ろうか?...」
「え!いいよ、ミユキに悪いから。...」
変な声でそう返事をしてしまった。ミユキも俺の勘違いに気がついたのかどことなくほんのり顔が赤くなっていた。とても気まずい。...
「えっと、ほら!リン食事バランス片寄ってるし...」
「えっ...ならお言葉に甘えて...」
「うん♪」
何だろうこの空気なんかいつも見てるミユキじゃない気がする!何処と無くいつもより可愛い気がするし...だが。残念ながらミユキに俺への好意はほぼないのだろう。そう簡単に人生は簡単に作られてはいない。しかし別に大した問題でもない。そう別にミユキのことが好きと言う訳でもないからだ。
「キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン」
ミユキと今期アニメをなに見るかを若干喧嘩気味に話していると昼休みの終了のチャイム...否!世界の終わりのチャイムがなった。午後からは、なんと体育でしかも体力測定を行うため例の音階に合わせて走る生徒を殺しにかかってきている奴がある。そう。とても鬼畜な食後の運動である。...
「ミユキ今日俺早退するは!急に気持ち悪くなった。」
「え!大丈夫!?なんか変なの入ってた!?1人で帰れる?」
心配そうに聞いてくれているのがかえって胸をいためる。仮病だから大丈夫何てもう言えない。よし、今すぐ帰ろう。先生もミユキには何故か特別優しい感じだからな...幼なじみを利用してまで帰る必要が有るのだろうか...
「今帰ったらリアタイで見れるけどちゃんと休みなよ!」
否。今すぐ帰ろう。そして今期アニメをリアタイで見るのだ。
「わかった。ごめん気使わせて、先生に言って帰ったら寝るは。」
「うん、気お付けて帰ってね?学校終わったらリンの家に何か買って行くね?」
なんてできた完璧美少女幼なじみなんだ!そう改めて実感した。
「フー、やっぱ家が一番落ち着くな。」
家につくなり部屋に直行しテレビを付けるなり今期アニメの1作品が始まるのを待っていた。昼休みが終わって直ぐに担任に早退することを伝え早退した。学校からしばらく距離が離れるまで渾身の演技で具合悪いですよアピールをして帰ってきた訳だが...
「まだまだじゃん。普通に学校から帰ってもリアタイで見れるじゃん。」
番組表を見てそう呟いた。ゲームをして時間を潰そうかと思ったがそんな気分出もなかったため、ミユキに言われた通りに寝る事にした。
「寝るか...」
テレビの電源を消しジャージに着替え眠りに着いた。それからしばらくたって誰かが家に入って来たのを感じたがまだ眠かった為気にせずにそのまま朝まで寝る事にした。
朝日が眩しく目が覚めた。隣には、仮病で帰った事を知らない純粋で優しい幼なじみのミユキがベットに突っ伏して寝ていた。看病していてくれていたのだろうか?今までに感じたことのないレベルの罪悪感に襲われた。しかし、大きな問題が1つ...
「ここどこ?」
単純にそう思った。どう考えても俺がいた部屋出はない。明らかに建物の構造からして違う。木製のそうだな、ゲームとかでよく見かける宿の1部屋て感じだ。部屋には、1人様ベッドが2つ横にならんであり、そのベットの足を向ける方向にちょっとした机がおいてある。部屋の香りは、不愉快に感じない木の臭いがするとしか言いようがない。なんとも素朴な部屋だ...
「マジでどこですか?」
なぜこんな所に要るのだろうか?本当に異世界に召喚て奴に会ってしまったのだろうか。しかしその答えは一瞬にして出された。自分の右手の窓のを覗きこんだら自ずと認めざる終えなくなった。
「うん。異世界だなここ。」
窓の外には、古代ローマ時代程の世界観で、すぐ側の道を竜者の様な物が走っているのを見てしまったからだ。まだ馬車ならかなり無理矢理だが、あ~寝てる間に飛行機乗せれたんだなと思っただろう。そうだ隣で寝ているミユキにこの事を伝えてみよう。どの様な反応するか楽しみだ...
「おい!ミユキ起きろ!俺たちよくわかんないけど異世界来ちゃったぞ!」
ん?俺が冷静過ぎないかだと?否。メチャクチャパニクっている!多分子の世界には娯楽と言う概念がない為アニメやゲーム仕舞いにはラノベや漫画すらない。それが耐えられるか?否。無理だ。断言する無理だ!だが、現実を受け入れるしかないのが現状だ。
「ん?具合良くなった?異世界?なにいってるの?まだ調子悪い?先生に私リン今日休むって連絡してくるね...リン?電話は?」
「こっちの世界から連絡できる手段その物がないかな~なんちゃって...」
「嘘でしょ!?ホントに言ってる!?もうアニメ見れないの!」
ほら見たことか、異世界行ってまず思うのは、アニメやゲームの娯楽が楽しめないと言う事実にショックを受けると言うことだ。
「いや、ホントにほら、外見てみ!現実押し付けられるから。」
ミユキは、俺のいった通り現実を受け入れるしかない状況に陥った。しばらく沈黙したのちミユキがふと一言。
「これからどうする?」
マジ同感。どうしたものか.....それにしても、この宿だけじゃこの世界に関しての情報量が少なすぎる。言語が通じるか、文字が読めるか、魔王軍や、魔物の様な人間とはまた異なった種族がいるのか否か知ることが出来ない。
「そうだな~まずこの宿出て言語が通じるか確かめるとか?...」
「そうだね...でも、ここって宿なんだよね?宿代どうすんの?」
俺の提案に同意してくれた後にそんなことをミユキが呟いた。確かに俺たちは異世界来たばっかの無一文。宿主に異世界から来たのでお金持ってませんて言って見てもいいが、言語の壁越えたとこでなんの意味も為さないだう。
「窓から出る?あ~でも、俺達靴はいて無いのか...」
「うん...私が思うにもう軽く詰んでる気がするんだけど?...」
そう。靴が無いだけで結構異世界ってもんは結構無理ゲーだ。異世界のほとんどが道が整備されてい。こんなことで異世界生活躓くと思っていなかった。否、異世界へ来ると思ってなかった。
「靴は仕方ないから何か替わりのを代用しよう。それで、何とかしてこの宿からでるぞ。」
「俺の想像通りの作りしてんなこのギルド」
「え!私の想像ていうか、理想よりちょっとずれてるかな!?...」
俺とミユキは各々の冒険者ギルドの感想をの述べていた。あの後宿内を探索し靴の代わりになるサンダルのようなのを見つけ、それが案外いい作りで足の踝辺りまで固定する事ができ、多少運動しても脱げることはないだろう。問題の宿の脱出計画だが...なんと!宿主件客が1人も居らず脱け出すのは容易かった。それから、宿の迎えに有った何かを売っていた優しい店員さんに堂々と日本語でギルド何処ですか?と訪ねたところ、通じた。
「よし、ミユキ冒険者登録さっさとしちまおうぜ!」
「うん、お金かかんないといいね!」
「おいミユキフラグ立てんなよ...」
そして今に至る。そんなわけで俺達は、冒険者として登録を行い、なにか簡単なおつかいクエストを受けようという事になっていた。
「ほら、並ぶぞ!」
「なんで?他の人空いてるじゃん!」
受付嬢が何人かいるが、皆が並んでいる所に並ぶのがセオリーと言うものだ。決してこの受付嬢が可愛いからではない。
「おっぱいおっきいね?...」
無言のままミユキに男性受け付け人のもとへ連れていかれた後、ここは、私に任せなさいととばかりに張り切って受け付け人へと話しかけた。
「あの、すみません冒険者登録みたいなのしたいんですけど。」
「かしこまりました。では、お1人様200銀貨のお支払頂きます。」
「お金掛かるんですか?」
「はい。掛かりますが何か?」
物凄い勢いでフラグを回収した様子のミユキがそこをどうにかとばかりに交渉しているのが伺えた。
「では、後払いと言うことで手続きをしておきます。」
「はい!よろしくお願いしま~す。」
交渉が上手く成立したのが嬉しいのかドヤ顔をミユキにされた後、受け付け人が、ステータスを調べるからと色々説明を聞かされていた。
「では、まずこの魔法結晶に順番に手をお当て下さい」
「こうですか?」
「はい。」
「サトウ リン様?ワタナベ ミユキ様?そうですね~お2人様共に平均値を上回るステータスのお持ちのようですね。上位職業には、まだ足りてはいなものの普通の職業ならばなんにでもなれますよ!」
予想だともっとこう神レベルのステータスか、最弱職オンリーかと思っていたが、予想の真ん中を貫いてきた。しかし、選択肢が多い分にはいささか問題はない。
「ステータスが上がれば多少お金は掛かりますが、転職も可能です。なので気楽にお決め下さい。」
「じゃ~俺最弱職の旅人にします。」
「私は~戦士もいいんだけどな~やっぱり魔法使いかな~うん。魔法使いでお願いします!」
「かしこまりました。ですが、サトウ様最弱職をお選びになるのはあまりオススメ出来ませんが宜しいのですか?」
「構わない。ステータスが上がり次第上位職にジョブチエンジするつもりだからな。」
「かしこまりました。ではこれを。」
受け付け人が、ふと手元に持っていたものを俺達に渡してきた。見た目は本のようだが...異世界によっては紙という資源はとても貴重な物で易易と手に入らないのだが、本の厚みは、ラノベや漫画位ある。この世界では、紙はそれほど貴重な物ではないと判断してもいいの去ろうか?
「これは?」
「私も思った。」
「えーっとですね。これは冒険者の1人1人が違う物を持っておりまして、最初のページに自分のステータスが記入されております。残りのページは、各々に会った自分だけの魔法や、戦闘術基本的なものも記載去れています。」
簡単にまとめれば、自分だけの魔法書件ステータスウインドウの役割をなしているのだろう。その後もステータスについて色々説明された。レベルが上がるとスキルや、魔法を習得する事ができるらしい。他にも習得する手段は有るのだが、まだよくこの世界の仕組みを人類は、わかっていないらしい。
「早速だけど、俺たちにも出来そうなクエストってないですか?」
「それでしたら、この町からそう遠くない所にちょっとした湖が在りまして、その湖から魔結晶を採取し持ち帰る。報酬は、魔結晶の数や質によって変動しますが...1っ個でもそれなりの金額になるとおもいますが...どうですか?」
「ミユキどうする?俺は、なかなかいい依頼だと思うんだけど?」
「いいんじゃない?私ちょっと水浴びしたいし!」
俺も同じことを考えたりもした。何故ならこっちの世界も暑いのだ。今の季節はこっちも夏なのだろうか。
「そう言う事なんで受けます!その依頼。」
「かしこまりました。くれぐれもおきお付け下さい。」
俺たちが転移もしくは召喚されたこの町は、王都の次くらいに有名な町らしくそれなりの腕利き冒険者や、商人が集まっていて、いつもにぎやからしい。ステータスこそそれなりの俺達だが、まだ駆け出し冒険者に変わりない俺たちにとってちょっとハードなスタート地点な気もする。ともあれ先ずは初めてのクエストをこなすべく俺達は湖へと向かっていた。
「な~ミユキ?お前さ~異世界来た実感とかある?」
ギルドでの受け付け人から湖への道が記された地図というよりかはメモに近い物を渡され湖へと向かっている途中、ふと疑問に思った事を問いかけた。
「う~ん何となくは感じてるかな?あ~でもまだ信じきれてないとこもあるかな~」
「やっぱり?俺に関しては異世界来れて嬉しいけど、アニメ視れないのはキツイ...」
「それな!今期結構熱かったのにな~」
そんな他愛ない話をしていた。俺にはともかく、ミユキも実は結構なオタクで、はっきり言って俺以上にそういう事には詳しい時もあったくらいだ。
「あ!俺今年こそKOMIKE初参戦するつもりだったのに~!」
オタクにとってKOMIKEほど神聖なるお祭りはないと俺は断言する。しかし、俺が知らないだけで他にも崇められているイベントもあったのだろうか?否、在ったとしてもKOMIKEには敵わないはずだ。
「フフーン、私は知り合いのサークルの手伝いで去年も一昨年も行ったのでした!」
「知ってるよ!何年前から幼なじみやってると思ってんだよ!」
何故だろう?アニメやゲーム関係の話になるとお互いに言い争っている感じにいつもなるのは俺達だけなのだろうか?
「いいでしょ~...あ!あれじゃない?湖!」
何だかんだ言ってる間に目的地である湖が見えてきた。町から近いとは言ってたものの予想していたより近かった。数キロ程しか離れていなかった。
「おい、この地図だと後もう数キロあるぞ!わかりずらい地図だなこれ。」
帰ったらあの受け付け人に文句言ってやろうか?
「見て~!メチャクチャキレイなんだけど~!え~マジ感動!」
確かにキレイだ。水が透き通っていて水に浮かんでいる葉が宙に浮いている様に感じる。しかし、ミユキはこんなにテンション高いい系女子だっただろうか?
「ホントだな~!てかミユキテンション高くねーか?」
「え、私?アウトドアの時はいつもこんなんだよ?」
なるほど。インドア派の俺には、到底知ることわ不可能というわけか。
「私水浴びしてくるからこっち来ないでね~制服のまま入る訳にいかないし!」
「わかったよ。ほら、行ってこい!俺も泳ぎながらラクリマ探すとするか~」
幼なじみの水浴び?それがどうした?俺もバカではない。NOZOKI何て野暮はしない。もし、NOZOKIがばれでもしたら、ミユキとの恋愛ルートはおじゃんだ。おっと、ミユキを狙っているわけではないが、可愛い女子に変わりはない。神はいつでも純粋な人お見守ってくれている。こういうのは何か触手系モンスターのお決まりだ。助けに行った際にちょっと見えちゃいましたなら、いつものご機嫌ななめくらいですむのだ。さあ!神よ!触手系モンスターを呼び起こす時が訪れたぞ!
「冷たくて気持ちかった~!リン~ラクリマあった~?」
「あったよ!沢山!...」
神などは、あくまでも神話や童話の中の存在だ。知ってたよ?こうなるの!でも幼なじみ件親友だよ!?嫌われたくないもん!
「わ~!ホントに沢山取ったね~私達いきなり大金持ち?!」
「かもな!...」
「ね~何かあったの?機嫌悪そうだけど。」
おっと、エロ展開無くて逆ギレしてます何て言えない。
「な、何でもないよ...」
「そう?ならいいんだけど。じゃ~町に戻ろ?日が沈むまえに町に戻れそうだし!」
ギルドから果物を積める大きめの袋を借りてた為それが一杯になる少し手前位の量を採取したのだが...
「ゴメン重くて今日中には、帰れる気がしない。」
欲張りすぎた。ラクリマも鉱石の一種だ。持ち上げることはできたが、数キロ歩くとなると気が遠くなる。こうなるのが分かっていれば戦士職を選んだのに。
「え~!テントも何もないのに野宿はさっすがにこまる~...な~んてね♪魔法使いになった私は一味ちがうのだよ~!」
すると、ミユキは自分の魔法書を手に取り何か詠唱し始めた。発音が特殊な為聞き取ることはできなかったが、唱え終えるとその効果が感じられた。
「ステータス上昇させてみました~!これでも無理なら他のも試して見るけど?」
「いや、これなら余裕で運べる!ありがとな!...てか!いつの間に魔法使える様になったんだ!?」
そう、俺達は数時間前にこの世界えと訪れたばかりだ。言語は通じたものの文字に関してはちんぷんかんぷんだった。それがどうしてこうもすんなり魔法を使いこなしているのか驚きを隠せなかった。
「それが不思議なことに貰った本をなんかね~パラパラ見てたら意味が何となく理解できて、詠唱も意識したら出来ちゃった!」
それを聞いた俺はすぐに魔法書を読んでみた。ミユキの言う通り何となくは解るが文字事態は読めない複雑な感じだった。
「う~ん解るけど解らない...ま~帰ったら考えるか。...戻るか。」
「うん!」
「こんなに沢山...お疲れ様でした。これで依頼は達成です!報酬は、鑑定の結果がで次第お支払致します。」
その後モンスターにも遭遇せず、問題が起きずに日が沈む前に町に戻ることができ、クエストの達成手続きを行っていた。
「それって、今日中に終わる?今俺ら知っての通り無一文で宿も取れなきゃ飯も食えねからなるべく早くたのむ。」
「はい、今日中も何も本の数分お待ち頂ければお支払できますよ。」
「良かった~私お腹空いて死にそう~」
それから数分間ギルド内を探索したいた。ギルドの広さは、高校の平均的な体育館程だろうか?ギルドの大半がテーブルが設置去れており、二階には宿として部屋がなん部屋かある。
「ギルドなんて宿件酒場みたいなとこあるよな...」
「ん?燐何か言った?」
「いや、独り言だから気にしないでいいよ。」
「サトウ様、ワタナベ様報酬のご用意が整いましたので受け付けまでお越しください!」
「ほらリン早く行こ?ほら、早く~」
「わかった、わかったから引っ張るな。」
ミユキと共にすぐさま受け付けへと向かった。昼間会った受け付け人が見当たらない。仕方がないあのお姉さんのもとへいくか。
「えー、サトウ様とワタナベ様ですね?今回受けて頂いた依頼の報酬金貨13枚と銀貨400枚になります。報酬から登録料を差し引いておりますので、これから冒険者として歴史に残るような活躍を見せてくださいね♪」
「はい!努力します!」
「リン?人様と話すときは目を見て話しましょうね!?...」
思ったより報酬少なくてビビったが、ともあれこれで俺達は晴れ晴れ冒険者として正式に認められたのだ。その後どうするかと美幸と少し話した後宿はギルドのにし、1部屋借り、お腹が二人とも空いていたためギルドででよく解らない肉やら野菜を食べることにした。
「すいませーん!このお肉おかわり~!」
「あ、私このお酒のおかわりくださ~い!」
「は~い只今~!」
「お前あんまり飲みすぎんなよ!ジョッキ5杯も飲めんの?」
「ん?大丈夫だって~私結構強いよ~!」
この世界では成人が14歳かららしくお酒も14歳から飲めるらしい。それを知ったミユキはさっきから飲みまくっている始末だ。本人は強いと言っているもののジョッキ1杯目からなにか調子が変わった。
「ね~!り~ん~!ヒック..何でこの肉は柔らかかくて~美味しいの?~肉の分際で生意気だと思わない~?ヒッ..」
あ、うん、完璧に出来上がってるねこの子。
「そうだな、確かに生意気だ。」
「でしょ~?ウケる~~!ヒッ...」
「何もウケねーよ!」
「ね~リン~私が~寝てるときに~...変なことしないでよ~ヒッ...」
「しね~よ!俺は欲望のままに動くゴミじゃ無いんだよ!」
「え~...ヒッ..しないの~?」
「お前酔いすぎだ!もう飲むな!あ、こらお代わり頼もうとするな!」
「ほら、着いたぞ!さっさと寝ろ!」
「うん?ママ?...どこ?」
「俺はママじゃないぞ!宿だよ宿!上に上がって来ただけだぞ!さっさと寝ろ!明日は、服だったり装備だったり買い物で忙しいからな。」
「???わかった...お休み~パパ」
「分かってなだろうお前。あとパパじゃないし俺。ああ、ここで服わ脱ぐな!朝起きた時、変な話お前に俺が殺されんだかんな!」
完璧に出来上がってしまったミユキは、あの後俺から逃げ回りながらお酒を飲み続け、挙げ句にテーブルに立ち上ぼりそこで服を脱ごうとまでした。他の冒険者の方々の協力有ってこの酔い狂った魔物を取り押さえたのだ。
「ウケる~!制服や~だ~脱ぐ~...邪魔しないで~!」
「ウケねーよ!ああ、分かった。諦めるよ。...おい!それ以上は脱ぐなよ!...」
結局ミユキは、下着姿になりそのまま爆睡した。ま~それなりに可愛いピンクの下着だし?見られてもショックは多少少なくなったりしないのだろうか。否、無いな。明日が怖い...
「え、え~!リン私達何かしちゃった!?ね~リンおきて起きて~!この状況を説明して!」
「うん~...昨日は、お前が悪酔いしてギルドで暴れた後この部屋に連れてきたらパパだのママだの言い出して、終いには制服で寝たくないとか言い出して全裸になろうとしたからそれを止めたらそのまま爆睡しだしたたからほっといた。」
俺は、昨日夜の全てを美幸に伝えた。嘘偽りなく正しい事を伝えた。
「.........」
「信じられない!幼なじみだけど、俺はもうすぐで16歳バリバリ現在進行形で男子高校生なんだよ?目の前で服脱ぎ出すとは思わなかった。...」
つい最近こんなことがあった気がする...デジャブかな?
「ごめんなさい...」
案外普通に事がすんだ。定番の流れだと問答無用でグーパンが飛んでくるかと思ったが、完全に自分が悪いと判断したのだろう。
「いいよ。これからは、酒の量考えて飲めよ!」
「うん...」
明らかにテンションが低いままミユキは制服を着、買い物の準備を整えていた。
「ねえ~リン?こっちのお金の価値ってどんくらいなの?」
「銀貨1枚が100円位じゃね?」
この世界のお金の単位は、銅貨、銀貨、金貨、聖銀貨、聖金貨、に別れていている。銅貨10枚で銀貨1枚。銀貨1000枚で金貨1枚金貨1000枚で聖銀貨1枚。聖銀貨10枚で聖金貨1枚。という仕組みになっている。そして、昨日稼いだのは、金貨13枚と銀貨400枚。1ヶ月分の宿代と、昨日の夕食代を差し引いて、金貨11枚と銀貨800枚弱残っている。日本円で約11万8千円弱残っていいる計算になる。
「先ずは、パジャマでしょそして私服最後に冒険に出るときの装備を買う!」
「俺的には優先順位が逆かな...ほら、これがお前の分の金だ。なくすなよ?」
「5金貨...少なくない?」
「バカ、俺も5金貨だよ、残りは食費や、消耗品に使うんだ。」
そう言うと。ミユキは成る程とばかりにておポンと叩いた。だが、5金貨でまともな装備が揃うだろうか?...
「よし、行くぞ!」
「うん♪」
「おっ!兄ちゃん何か買ってくかい?」
「このダガーカッケー!これ値段は?」
「うん?そりゃ~内の見習いが作ったガラクターだよ。欲しいなら500銀貨でいいぞ?」
「マジで!買う買う!」
俺達は町の中央通りの商店街に来ていた。商店街についてすぐにミユキがどこかいってしまい、今は別れて行動をとっている。ここに来る前に、はぐれたら買い物が終わり次第ギルドに戻る。と決めて有るのであまり心配する必要はない。
「この、盾はどうだ?これも内の見習いが作ったもんだから安くしとくぞ?」
「おお!シンプルな円上の小さめな盾だな!このダガーと相性いいんじゃね?!いくらだ?」
「1金貨と500銀貨でどうだ?」
「買う!」
「ほらよ、持ってけ!持ってけ!」
その後も、革製の鎧と膝宛と肘宛セットで2金貨で買い取り、上から羽織る為の黒色の腰あたりまでのコートを500銀貨で買い揃えた。
「あそこのおっちゃん優しかったな~。おかげで少ない金で最低限の装備整えられたし。金貯まったらまた行こ。」
私服や装備の買い物を終えた俺は、そんな独り言を呟きながらギルドへと向かっていた。
「それにしても、人多いな~あいつ帰って来れるかな?」
時刻はまだ昼前ぐらいだと思うが、人でにぎわっていて、有名な街なのだと再認識し感心していた。
「.......」
「ん?」
ギルドからもうそう遠くない近くの路地裏の方から何か聞こえた気がした。
「たす...けて..」
「!だ、大丈夫か?酷いケガだな...」
そこには、獣人と思われる女の子が倒れていた。この世界には10種類の種族が存在しており、種族の平均的なステータスを基準にその強さをランク別に序列が存在している。なんてことを昨日仲良くなった冒険者から聞いた。
「今助けてやる!...」
そして種族には大きな壁があり、純血出はない者は、全種族共通で奴隷として扱われるのだ。人と獣人のハーフだと予測されるこの子は、人間に酷く扱われたのだろう。全身打撲な様なケガを負っている。
「確か、回復魔法がどっかのページに...あった!」
しかし、俺は異世界人だ。この猫耳っ子をほっとくはずがない。俺達異世界人からして見れば、ただの可愛い猫耳っ子なのだ。
「初めて魔法使ったけど、詠唱俺何て言ってんだろう?...君?痛くない?多分治ったと思うけど?...」
「もう平気ありがとう。...」
やはり人間が恐いのだろう。おどおどしながらも礼を言うとすぐさま路地の奥へと逃げ去った。
「速!流石獣人の血を引いてるだけあるな~...大丈夫かな...」
ともあれあの子が元気になった事だしギルドに戻るか。
「ミユキ~?まだ居ないか...そうだ、どんなクエストあるか調べとくか。」
ギルドに戻ってきたが、予想通りミユキはまだ居なかった。何かする事も特に無いため明日受ける依頼を今のうちに決めることにした。
「最近山の近くに巣を作り初めたグリフォンの討伐...街の近くの山で神獣の目撃情報があったので、魔物の種類名の確認。倒せそうならばそのまま討伐...魔法結晶を好んで食すクリスタルドラゴの討伐...て、おい!クリスタルドラゴってまだ子供とわいえドラゴンだろ?序列2位の種族が昨日の湖に居たってのか!?てか全体的に依頼達成難易度レベル高すぎね?!」
そうドラゴンの子供のドラゴが昨日の湖にいたのだ。あの男性受け付け人本格的にしばいてやろうか?序列6位までは並の冒険者なら何とかたちうち出来るらしいのだが、それ以上の種族または、それ並の魔物には、序列9位の人間がそう簡単に倒せるはずもないとのことだ。今の俺達なら即死だろう。
「お!?これなら行けそうじゃね?とある洞窟でコボルドが出入りをしている目撃情報があったので討伐をか。」
俺が目をつけたのはそう、コボルドの討伐クエストだ。コボルドとは、狼のような見た目をしており二足歩行が可能で何体かで群れで過ごしている事が多い。知能があまり高くないうえに戦闘力もそこそこらしい。元の世界で知られているコボルドとそう変わりなさそうだ。
「すみませーん!」
「は~い!何でしょうか?」
「この依頼受けたいんですが良いですか?」
「え~コボルドの討伐ですね?...何か私の胸に着いてますか?...」
「いえ、何も。コボルドの討伐でお願いします。...」
「かしこまりました...では3日間の間で5体以上倒していただければ達成ですので頑張って下さいね!」
明日の分のクエストの受け付けを済ませ宿部屋に戻り休憩してしばらくすると、ミユキが帰って来た。
「見て見て~!これど~お?可愛くない?」
そう言って自分の着ている装備を見せびらかしてきた。魔法使い定番の三角帽子に、オレンジに近い赤色のフードの付いたローブをまとっている。そのローブの内側は、とても清楚な白い色のワンピース起きており、黒色の膝上まで伸びた靴下と共に茶色いブーツを履いている。
「可愛いと思う。似合ってるよ!」
「ホントに?フフ~ン良いでしょ~う!」
ミユキは誉められとても機嫌がいいご様子だ。明日この調子でコボルドを倒せるといいのだが、ま~そう上手く行かないだろう。
「ね~私お腹空いた~何か食べに行こ~」
「そ~だな。今日は早めに晩飯食って明日のコボルド戦に備えよう。」
朝件昼食は、装備等を揃え終えた際に各々食べていたので、宿で買った物をお互いに自慢しあった後のんびりして過ごしていたら既に夕方になっていた。美幸と下に降りギルドで適当に夕食を済ませ部屋に戻り2日目を無事に終えた。
「ほら、居たぞ!...そこの洞窟に今一体入ってったぞ!...」
「どうする?まずは洞窟から外に誘き寄せる?...洞窟内で戦闘する?」
朝早くに起き街で馬車を借り、コボルドの住みかとなった洞窟の近くまで数時間掛けてやって来ていた。
「あいつら基本的に洞窟や地下で過ごすからな...誘きだすのは難しいだろ。逆に警戒去れてはこっちが困るしな...先ずはそこで寛いでる奴を狙うぞ!...」
「了解!...私後ろから援護するね!...」
コボルドの知能が低いとは言え、あくまでも生物にはかわりない。それなりの行動をとって来るはずだ。俺達は木々に姿を隠しながら1っ匹の油断しているコボルドの元へそっと近づいた...
「よし、先ずはどれ程の戦闘力なのか倒すついでに確かめる。俺が合図したら支援魔法を頼む...」
「うん。任せて!...」
お互いに頷き合いミユキはその場に残り俺は木陰から勢いよく跳び出した!その気配に気がついたコボルドがこちらを振り向かれたのと同時に、ダガーで首元を切りつけ後ろに下がった!すると、その場で抵抗する素振りを見せたが、致命傷だったのかコボルドは力尽きた。倒したのを確認しすぐさま木々にに隠れ戻った。
「リン凄い!...すんなり倒しちゃったじゃん!...」
「フ~ッ緊張した...倒しはしたけど今のは不意を突いたから倒せただけだ。油断すると、こっちがああ為りかねない...」
「おお!...さっすが元自称プロゲーマー!RPG物に関しては慎重ですね~...」
「これは遊びじゃないんだぞ!...ほら、次はアイツだ!...今の内に強化魔法を頼む...」
「わかってるって!...はい!筋力値と素早さ上げたよ!...」
「よし、もしもの時の援護は任せたぞ!...」
今度は仲間倒された事に気がつき戸惑っている様子の奴を狙う。ミユキが頷いたのを確認し跳びだした。しかし!こちらが接近する前に気付かれてしまった為ある程度の距離をおき向かい合う形になった。
「くそ!そう上手くいかないってか!?」
コボルドの攻撃を盾で受け流しつつ上手くダガーで少しずつ確実にダメージを与えていたのだが、
「こいつ!仲間呼びやがった!」
1人では勝てないと悟ったのか遠吠えのようにし洞窟から数体のコボルドを呼び寄せられてしまった。
「ファイアアロー!」
魔法職とはこんなに強いのか...否。最弱職を選んだ俺が弱いのか...一体間ともに倒せていない俺と引き換えにミユキの魔法による攻撃で数体のコボルドが瞬殺去れた。
「ナイスだミユキ!ハッッ!」
ミユキの魔法に動揺をしている隙を突き向かい合って戦っていたコボルドを倒した。
「ミユキ!さっきのファイアアローてのはなんだ?!メチャクチャカッコいいじゃねーか!」
「フッフッフッ。この大魔法使いミユキ様にかかればこんなものよ!」
あの後ミユキによる攻撃魔法を受け倒されていくコボルド達。それを見ていた他のコボルド達は軽くパニック状態になり俺との戦闘時隙だらけになり...5体に留まらず俺達は数十体倒すことができた。その為俺達は今メチャクチャ調子に乗っていた。
「この魔法なら燐でも多分使えるよ?基本的な初級魔法だから。」
「マジ?じゃあ~いくぞ!ファイアアロー!」
威力は本職のミユキと比べ衰えるもののそれなりの炎系魔法の威力を発揮した!
「マジだ!俺カッケー!」
「ねえねえリン?私ね昨日杖を買おうか迷ったんだけど結局お金足りなくて諦めたんだけどそれ買いたい!」
「おう!良いぞ!魔法使いが杖持ってないのも変な話だからな!多少高くても良いぞ!」
「ありがと~!」
そうだな、俺もなにかあのおっちゃんのとこで買うか...
「よし、じゃ~コボルドの牙とか爪とかの戦利品集めて帰るか~!」
「うん!」
戦利品は時と場合によっては、依頼達成報酬よりメインな稼ぎになる事もある。これはもとの世界での経験上の話で、RPGの基本である。
「え~、サトウさんが11体ワタナベさんが23体...合計34体の討伐ですね!?スゴいです!私これからもあなた方の活躍を期待してますよ?!」
「はい!任せて下さい!期待に答えられるよう頑張ります!」
「燐~!人様と話す時は目を見ましょうね~!」
「あはは...えっとこちらが依頼達成件戦利品の換金分の報酬です。金貨35枚です。」
「「ありがとうございます!」」
コボルドの戦利品を集めた後、馬車に乗り数時間の道のりを大した問題も起きずに街に戻って来れた。問題と言えば美幸途中でお花摘みに行きたいと言い出したのでお好きにどうぞと馬車を止めた際に理不尽にもグーパンが飛んできたくらいか...結局街まで持ちこたえた為大きな問題にならなくて済んだ。
「これで昨日見かけた杖が買える!」
「俺もあのカッコいい魔法結晶のついたナイフが買える!」
「え~リンはこのダガーでいいじゃん!」
「おい、そんなに杖高いのか?」
「32金貨800銀貨何だけど...駄目?...」
「32...さっすがに...たか...くない?..」
「駄目?...」
次の日ミユキが一日中杖を大事に持ち歩き、他の冒険者達に自慢することになるのは時間の問題だった。
「り~ん!ね~これ見て!この依頼良さそうじゃない?」
「グリフォンの討伐?無理くね?」
俺達が異世界に来て早くも1週間がたっていた。杖を買った次の日ミユキが杖の凄さを俺に証明したいが為に、クリスタルドラゴに喧嘩を売りに行くと言い出した。勝てる訳がないと説得したのだが言うことを聞かず結局に湖に向かう事になった。一発当てて逃げる予定だったのだが...クリスタルドラゴの弱点属性である炎系魔法を俺と共に撃ちまくり討伐は出来なかったものの撃退に成功し、街から結構な報酬が支払われたりした為.....
「子供とはいえドラゴン撃退出来たんだよ?私達なら出来るって!」
「そうか?...そうかもな!よし受けるかこれ!」
絶賛調子に乗っていた...まだレベルが10前後の雑魚が運良く勝てた事に調子に乗っていた。普通グリフォンなんかは、100前後少なくても50前後のレベルが必要とされている。
「これ、受けます!」
「グリフォンの討伐ですか?!流石に私達ギルド役員としてこの依頼はまだあなた方には、オススメ出来ません。」
「ですよね~...」
「え?リン受けないの?」
「受けね~よ!死ぬよ!」
受付嬢の言葉の真剣さに目を冷ました。危うく調子に乗って死んでいたかもしれない...
「でしたら、こちらの依頼なんかオススメですが?どうなされますか?」
「紅色の鱗の回収?報酬もそれなりだな...」
「はい。少し離れた山に生息するドラゴンの鱗の回収依頼何ですけど、ここから馬車でしたら2日程で目的地辺りに着きますよ?」
「ドラゴン?!グリフォンの方が良くないですか?!」
「あ、いえ、もうすでにそのドラゴンの生息地は変えております。なので残されたドラゴンの貴重な素材を回収して頂く形になります。」
「いいんじゃない?私は受けても良いよ?」
「そうか?ならこれでお願いします。」
「かしこまりました。頑張って来てくださいね!」
今さらながら思うが、俺、ミユキのおしに弱すぎないか?否。美幸が強すぎるのだ。
「ね~リン?私達って2人パーティーじゃん?前衛がリンで後衛が私そして回復面での後衛も必要かなって思ったんだけど?遠出したとき少なからず魔物からの攻撃は承けると思うし。」
「要するに、僧侶か賢者のどっちかを勧誘してから鱗取りに行きたいってことか?」
「うん。そう言うこと。」
確かにミユキの言う通りかもしれない。今回の依頼に限らず2人だけだと限界がある。
「よし!じゃ~勧誘するか。条件とかどうする?」
「女の子がいいな!」
「それ以外は?」
「特にないかな~...うん。女の子で僧侶か賢者で私達のパーティーに入りたい人ってのが条件で勧誘しよ!私ギルドのおねーさんに勧誘チラシ依頼版に貼ってもいいか聞いてくる~」
「了解。あ、ミユキ~!書くチラシも貰ってこいよ~!」
その後依頼版にチラシを貼り付け、1人でいる女性冒険者に声をかけるなど勧誘を続けた。
「ね~誰も入ってうくれない~...」
「正確には、独り身の僧侶と賢者が見つかってないだけだろ?...」
そう。賢者は攻撃魔法と回復魔法を扱う事が出来るため独り身の者もいるが、元々上位職な為あって見つける事が難しい。僧侶に関しては、攻撃魔法を得意としないため必然的に独り身で要ることがあまり無いのだ。
「あの~?パーティーの募集のチラシ見たんですけど~...私じゃだめですか?」
そこに現れたのは、とても美人で魅力的な女性だった。
「おい、ミユキやっと1人来てくれたぞ!全然構いませんよ!自己紹介して貰っても良いですか?」
「......」
やっと1人来てくれたというのに何故か少し不機嫌そうにしているミユキ
「はい。職業は賢者でレベルが32です。名前...」
すると行きなり賢者のおねーさんの自己紹介を際切るように...
「不合格です。貴方を私達のパーティーに入れることは出来ません。」
ミユキがそんなことを言い出した。ミユキにはどこか不満な点でも有ったのだろうか?
「え!まだ名前も歳も言ってないのにですか?私は上位職の賢者ですよ!?それなりにレベルも高いと思っているんですが!?」
「はい。不合格です。」
「おい、ミユキどういう事だよ?!女性冒険者の賢者だぞ!歳もそう俺達と離れて無さそうだし良いじゃないか?」
「ほら!?そこのお仲間さんは私がパーティーに入ることに関して反対してないじゃないですか!?せめて理由はないんですか!?」
「理由ですか...そんな大きな重りが二個もあると私達の荷物になると判断しました。何か問題でも?」
「「........は?」」
どうやらミユキはこの人の胸の大きさに不満がっていたらしい。ミユキの胸が小さいからという訳でもない。それはつい最近下着姿を見ている俺が保証する。それなのにどうしてこうも大きい人を嫌うのだろうか?
「...その、重りならそれなりのが貴方にもついてるでしょ?...」
賢者のお姉さんが顔を赤らめながらそう呟いた。俺もそう思っていたところだった。
「!?皮肉ですか!ええ付いてますともそれなりの物が」!」
しかし、それをミユキは皮肉として受け取ったらしくキレ気味にそう言い返した。
「いや、そう言うつもりは...はぁ~そうですか。わかりました。私は他のパーティーをあたることにしますね~...」
「助かります...ねえ?リン?どこか他の所にもチラシを張りに行かない?」
「何かすみませんでした...わかった、わかった。それにちゃんと条件増やしとけよ!」
賢者のお姉さんにそう謝ると苦笑いして去って行った。その後、ミユキとともに街中の掲示板の様な所にもチラシを貼り、気お取り直して新たなる人物をギルドで待つことにした。
「こな~い。今日も~私寝る~お休み~」
「おい、徹夜して待つって言ったのミユキだぞ?」
「だって来ないじゃん。」
確かに来ない。あれから数時間飲みたくれている冒険者しか見ていない。それもそのはず今は丑三つ時あたりの夜中。そんな時間にわざわざ来るはずも無いのだ。
「しゃあないな...今日はもう寝て明日頑張るとするか...」
「うん。そうしよ!そうしよ!」
正直俺もミユキも眠くて仕方がない。暇潰しなしに徹夜なんて中々に無理な話しだ。
「あ、あの...パーティーに入りたいんですが...」
「「え?今なんて?」」
「その、パーティーに入れさせて貰えませんか?」
パーティーに入りたいと言ってきた女の子だが、フードを深く被っており良く顔が見えず、着ている服がボロボロなのからして貧しい子供か何かなのだろうか?
「えっとじゃ~自己紹介からしてもらえるかな?」
その、俺の問い掛けに一度頷きこうこたえた。
「職業は賢者、年齢は13歳。」
「君のお名前は?」
そうミユキが問い掛ける。
「無い...です。」
そう呟いた。
「それは...どういう...!!」
名前が無いという答えに疑問をもち恐る恐るミユキが問い掛けると同時にその子がフードから顔をだした。そこにいたのはただの13歳の少女出はなく、猫の耳が付いた少女がいた。
いつからだろうか?平凡な日常を嫌い常日頃何か起きないかと願っていた。そんな日々を送っていた。それはまだつい最近のはずの事なのに遠い遠い昔のように感じる。そんな不思議な感覚を体感した。