96 温泉気分
厨房に戻る頃には、必要な作業はほぼ終わっていた。
「皆ありがとう。アイテムボックスにしまえば今日の仕事はお終いだから、部屋に戻っていいよ。明日も早いからお風呂に入って寝てね。明日は普段の下着でいいから配らないよ。明日は朝6時に、メイド服を着て別館の食堂に集合。よろしく。」
「「「「「「「「「「「分かりました」」」」」」」」」」」 と返事をして、本館に戻っていった。
「太郎様、後は太郎様の揚げ物だけですね。」とミミリィが言ってきたので
「そう、彼女達が風呂の間に揚げちゃおう。ミミリィ手伝ってくれるかな。」
「勿論ですよ。」
揚げ鍋の用意をしてから、アイテムボックスから冷食を取り出すと、「何ですかそれは?
凍っているみたいですけど。」
「凍らせて傷まないようになっている食材。メンチカツと焼売。あとは揚げればいいだけなんだよ。焼売は本当は蒸し上げるのだけど、揚げ焼売も美味しいよ。」
「この前の朝食の時も見ましたけど、グンマーではそういうのもあるのですね。」
「凄いでしょ。」と自慢気に言ってみたが、スルーされた。
また、ミミリィにキャベツの千切りを頼み、自分は油が適温になるのを待ち、どんどん揚げて油切りが終わったらアイテムボックスにしまう、を繰り返していたらあっけなく終わった。
「簡単ですね。」とミミリィがボソッと呟くのを聞かない振りして、「じゃ。後は派遣メイドさん達に任せてお風呂入って寝よう。」
と、ミミリィを連れて帰ろうとするが、ミミリィは、
「こちらを最後まで確認してから戻ります。太郎様を起こすといけませんので、自室で寝ますから、太郎様は先におやすみになってください。」と、にべもなく断られた。
「分かった。じゃあ後はよろしくね。」と、返すと
「添い寝が必要なら、彼女達に言って下さいね。」と、微笑まれた。ちょっと怖い。
「あ、はい。」食堂で閣下に挨拶をして本館に戻ろう。
本館に戻ると、彼女達が風呂から上がり始めていた。
「ご主人様、お先にお風呂いただきました。」とエディット、マルギット、エヴァリーナが出てきたので、
「今は誰がいるのかな。」
「今入っているのは、ディオーナ、ソフィーア、マルティナ、アレクシス、グンネル、スサン、イヴァンネですよ。もうすぐ皆でます。」
「じゃあ、もう少しで入れるね。分かったありがとう。」
「ご主人様が待つ必要はないと思いますけど・・・。もしよろしければ、もう一度入り直してご主人様のお世話をさせていだきますけど。」
「いや、それには及ばないよ。明日も早いから早く寝た方がいいよ。」
「そうですが、ちょっと残念です。」と、湯上がりで上気してた笑顔で答え自室に戻って行った。
「じゃ、部屋に戻って着替えを持ってこようかな」と、階段を上がり始めると、後ろから
「ご主人様お帰りなさいませ。 あれ、ミミリィ様達はいらっしゃらないのですか?」
とマルティナに声を掛けられた。
振り返り、「ミミリィ達は派遣メイドさん達と最後に片付けしてから戻る。僕だけだよ。」
と言うと、
「では、お世話係が必要ですね。ディオーナとグンネルが上がったばっかりだから着替えずにお風呂で待つように言いますね。」
「あ、上がっているなら待たなくていいよ。」
「でも、ディオーナとグンネルが最後ですから、待ってもらいます。早めにお戻りください。」と、返事も聞かず浴室に戻っていった。
「ま、いいか。」と、自室に着替えを取りに戻った。
着替を持って風呂場に戻ると、ディオーナとグンネルがバスタオルを巻い待っていた。
「二人でお世話させていただきます。」
「上がってもいいんだよ。一人で入れない訳では無い・・。」と言い終わる前に、二人が涙目で恨めがましい目で訴える。
「私達じゃダメなんですか。」
「え? そういうのじゃ無くてね。一人でお風呂入れるからなんだけど。」
「私達は性奴隷だから、メイドとしてのお世話もさせていただけないのですか。閨だけ必要なんですね。」
「いや、そういうことではなくて・・・。はい、ではお願いします。」
それでも、服を脱ぐのは自分でやるからと、二人を押さえたが、脱ぎ終わったら直ぐに両腕を取られ、連行されるように浴室に入っていった。この体勢多くないか?
二人ともバスタオルを巻いたままなので、肌の密着はそれほどでもないで、なんとか平静を保っているが、自分では何も出来ないまま、両方から体を洗われるのはちょっと・・一部自分の管理下から離脱しそうで、辛いものがある。
「背中だけ洗ってくれればいいよ。」と、言ってはみたが、「イヴァンネやスサンは良くて、私達はだめなんですか。」と相手にされない。
お湯を掛けてから丁寧に洗ってくれているのは嬉しいのだけど、一部が制御不能になりそうで冷静さを装うだけだって神経使っているんだよ。君達は元世界じゃ高校生だよ!犯罪なんだよ!
なんとか耐えて、お湯を流すところまでいったので「後は湯船に浸かって適当に上がるから、もう戻っていいよ。」と促すが、動こうとしない。
「あ、本当に戻っていいからね。」
「イヴァンネやスサンは一緒に温泉に入ってくれるのに、私達じゃダメなんですか。性奴隷なのに。」また、ウルウル瞳で訴える。
「いや、イヴァンネやスサンは成人だから。君達はまだ子供『違います。もう成人です』だから・・・」全面否定された。
「もう成人しましたから、子供じゃありません。さっきちゃんと親離れもしました。子供扱いしないでください。それに、もう、既に裸見て体中撫で回しているじゃないですか。なんで今更邪険にするんですか。」そういうこと、如何して声が揃うのかな。
「あ、昨日のはボディメイクするっていう目的があったからだけど、今だと欲情しちゃうかもしれないじゃない。いやでしょ。」
「ご主人様は何を仰っているのですか? ご主人様が欲情しない性奴隷なんて存在の意味があるのですか?。普通に命令すればいいのですよ、性奴隷はご主人様からの例え理不尽な要求あっても拒否できないんですよ。」
「最初に言ったけど、僕は僕なりの接し方でいたいんだよ。だから、君達が望まない事は出来るだけしない様にするつもりなんだけど。」
伏し目がちに「今は私達が望んでいるのですけど。それでもだめなんですか。」
「あ、基本僕の意思が第一に尊重されるのだけど・・・。分かったよ。じゃ一緒に入ろう。」ヘタレた。ご主人様の威厳とかは何処に行っちゃっているんだろ。それに、奴隷紋って主人に服従じゃなかったっけ。なんかおかしい。
バスタオルを取った二人に両手を取られてひきずられる様に湯船に連行される。
湯船に入ったのはいいけど、何度も言っちゃうけど元世界で言えば全裸の女子高生二人に挟まれてるって、なんか凄く居心地が悪い。視線が前から動かせないし、両手はガッチリ掴まれて胸に当たっているし、両側から寄りかかれて、二人とも肩を枕にして顔の直ぐ横に顔があるし、一部が制御不能になるのを押さえることに集中する状態って、リラックスタイムは何処にいったんだよ。
体が温まるまで煩悩に耐えきったので
「そろそろ上がるから離してくれるかな。」
「はい、分かりました。今日はこのまま二人で「お勤め」をさせていただきます。実家から伝えられている閨房術を初めて勤めさせていただきます。初めてなのでご満足いただけないかも知れませんがお許し下さい。」
「いや、今日はそういう気分ではないから。添い寝だけね。」
「やっぱり、私達じゃだめなんですか。」
「君達がではなくて、今日は接待で気が張っているから、そういう気分になれないの。明日早いからもう寝たいしね。君達も明日早いんだよ。」
「はい、分かりました。でもでも、次の時はちゃんと「お役目」勤めさせていただきますね。」
「はい、はい。検討します。 じゃ上がるよ。」立ち上がり、風呂から上がり脱衣所で服を着ていると二人も上がり着替え始めた。
二人の髪を乾かしてから私室に上がると、当然の事の様に二人とも着いて来た。
「本当に、添い寝するの?」
「ダメなんですか。」
「あ、まあダメじゃないけど。 うん・・・。じゃ、寝ようか。」とベッドに入るとディオーナとグンネルが両脇から入ってきて、両腕を取られる。
「じゃあ、おやすみ。」と声を掛けるが、グンネルはカチコチに固まっていて寝られる気配がない。
「うーん、グンネルは緊張しすぎて寝付けなそうだね。大丈夫だよ寝てる間に襲ったりはしないから。」
「はい、ご主人様がそんな事はしないと分かってます。でも、やっぱり初めて殿方と臥所を同じくするのに緊張してしまいます。我が家に伝わる閨房術を試させていただければ、違うと思うのですが・・・。今日はご主人様が望んでいらっしゃらないので諦めます。なので、ちょっと緊張してますが・・おやすみのキスをしていただければ大丈夫です。」
「うん、大丈夫じゃなさそうだから、沈静」と、沈静魔法をかけ精神を落ち着かせると緊張の糸が切れたように、脱力し寝息を立て始めた。それは父親と決別宣言する位なんだから気を張っていたよね。
「おやすみ。」と、振り返りディオーナを見ると、腕を抱き枕にしてはいるが、グンネルのような緊張感は感じられない。
「ディオーナもおやすみ。」と、声をかけると
「ご主人様、私ご主人様の奴隷で良かったです。あのまま何も無く実家にいたら、バーリストレーム子爵家に嫁いで、子供を産むだけの道具として感情を押し殺して生きることしか出来なかったですし、奴隷となってパーリストレーム子爵家から離れてもご主人様に買われなかったら、娼館に売られ辱めを受けたあとバーリストレーム子爵家に買われ殺されるだけの人生だったと思うのです。そんな私の未来をこんな安らかな処へ救い出して下さいました。ありがとうございます。」
「いや、たいした事ではないよ。僕は所詮下卑た平民だし君達を性奴隷という形でしか保護、本当に保護しているといえるのかな、出来ていないし、閨に侍らせる位しか出来ていないんだよ。」
「それでも、私・・達はご主人様と一緒に居られて嬉しいです。」
「ありがとう。」と言うと、ディオーナがはにかむ様に微笑んで、「ご主人様おやすみなさいませ。」と、一言告げるとそのまま幸せそうに意識を手放していった。
寝たいんだけどね、両腕をガッチリ掴まれて身動き出来ないと寝付けないよね。両方からいい匂いがするし・・・。煩悩退散!! 自分に沈静掛けよう、沈静。 あ、自動的にレジストされてるし、意味ないじゃん。
まあ、いいやそのうち眠れるだろうと、いい匂いを堪能しているうちに意識を手放した。安眠効果でもあるのかな。




