95 二次会
厨房に戻ると下拵えは既に全部終わっていて、後は串カツだけとなっていた。
「味見してみた?」と聞くと全員が同時に頷き、
「はい、美味しいかったです。はやく串カツ?も食べたいです。」
さっき食べたばかりなのに、食欲が衰えないね。
「じゃ、これから揚げるから、準備出来た物を食堂に持って行って給仕出来るように並べておいて。お客さんが見えたら、自由に取っていってもらってね。」
「はい」っと、返事のあと皆で協力して食堂へ運んでいった。
「さて、揚げよう。」油の温度を見ながら、イヴァン達に指示して流れ作業で粉、溶き卵、パン粉をまぶしてもらい揚げてゆく。
元世界は温度センター付きのコンロだったからほとんど温度調整を考えたことが無かったけど、センサー無しでやるのはやっぱり難しい気がする。菜箸入れて泡が出たら180℃ってそんなに簡単じゃ無い。でも、lv9の家事スキルで何の問題もなくこなして行けるってやっぱりチートだよ雛壇神様ズありがとう。
50本ほど揚げて油を切ってから、皿に並べて食堂に持って行く。勿論ザク切りキャベツとソース入れは忘れないよ。
予定の9時前には準備が終わったので、酒の用意は一次会が発砲日本酒&梅酒とワインだったので、ポチッたグンマーの地酒で聞き酒でもやってもらおうかなと思う。
この際だからと、お店であるようなワンショットメジャーもポチってあるのさ。これで10本分の一升瓶もメイドさん1人で楽勝。
あ、飲めない人のこと忘れてた。リンゴジュースを出しておこう。
ほくそ笑んで居ると、パラパラとお客様が入って来たので接待は派遣メイドさん達に任せて厨房に戻る。
戻ると僕の奴隷達は一足先に二次会モードに入って、串カツを堪能していた。
「あ、お楽しみ中のところ申し訳ないけど、明日の朝食の用意をするから手伝ってね。」
「は~ぁい」と、軽い返事のあとニコニコしながら皆動き出した。
「明日の朝食は、パン、パンケーキ、スクランブルエッグ、目玉焼き、ベーコン、ウインナーソーセージ、鮭の香草蒸し、マカロニグラタン、ペンネパスタ、ミニメンチカツ、ロールキャベツのクリーム煮、コーンスープ、温野菜、いもサラダ、生野菜を自由に取ってもらうようにするよ。」
「はい。でも、グンマーの料理だけではないのですか。」
「グンマー料理だけだと飽きるでしょ。その後皆さん仕事だから、この国のメニューの方がいいと思うんだよ。どうかな。」
「でも、もう少し位はあった方がいいのでは無いでしょうか。」
「うん、じゃあ揚げ焼売を作ろうかな。じゃ、始めるよ今日は準備だけど、作りあげちゃうからね。イヴァンネ・スサンはパンをお願い。エイラさん・エディット・マルギット卵関係、ソフィーアとマルティナはサラダ類、テレーサ・グンネル・アレクシスはロールキャベツと香草蒸し、ミミリィはディオーナとグラタンとパスタをお願い。僕は揚げ物をするからね。ベーコンとソーセージは朝やろう。大丈夫かな?」
「はい、手順を教えて頂ければ大丈夫です。」
「じゃあ、よろしくね。出来たらオードブル皿に盛り付けてくれればアイテムボックスに保存するからね。」
「パンはバターロールとクロワッサンを作って。食パンも出来れば嬉しいな。」
「スクランブルエッグは、片栗粉を牛乳で溶いてからマヨネーズとチーズを入れて良くかき混ぜたあと、卵をいれて混ぜて油多めでふんわり作って。目玉焼きは型にそーっと置くようにいれてね。」
オヤジが「昔ハンバーガー屋の卵を鉄板の上から割り落として飛び跳ねるようにするのは、実は美味しくなくしているってテレビでやってた」と言っていたからな、できるだけ丁寧にするように伝える。
「温野菜は野菜を切っておいて。蒸すの明日にする。ポテトサラダはジャガイモは茹でて、野菜とハムを切って混ぜて。生野菜は良く洗って、適当な大きさ切っておいて。」
「ロールキャベツは、キャベツを軽く茹でてバラして。タマネギとキノコをみじん切りにして炒めてから挽肉と混ぜて。団子にしてキャベツでこの位にまとめてキャベツで包んで、クリームソースで煮る。香草蒸しは、鮭に香草と塩を混ぜてバットに並べておいて。蒸すのは明日にするから。」
「グラタンは、ホワイトソースを作り鶏肉を小さめに切ったのとタマネギ、キノコを炒めておいて。マカロニを茹でてから鶏肉達と混ぜてホワイトソースをかけ、粉チーズを振ってからパン粉をふりかけ溶かしバターを掛けておいて、焼くのは明日する。ペンネは茹でて、ベーコン、タマネギ、キノコを炒めたトマトソースと和えて。」
「大体いいかな。分からなかったら聞いてね。 大丈夫?」
「「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」
「じゃあよろしくね。」と、皆に指示しながら朝食の用意を始める。自分の担当は冷食(メジャーメーカーだけどグンマー製造なんだなこれが)を揚げるだけだからいつでもできるのさ。
イヴァンネ・スサンは慣れた手つきでどんどん進めてゆく。凄いな。エイラさんも2人に指示して進めているし、ホワイトソースは手伝おうかな。クリームソースもコンソメ入れなきゃだし、手伝うことが多そう。そんな事をしていると、アンナリーナ様が厨房に入って来た。
「太郎ちゃんちょっといいかしら。」
「はい、なんでしょうか。」
「王子妃様達が、浴衣がもっと欲しいと言うのだけど、ストックはあるかしら。」
「ストックですか・・。有ったかな?ちょっと待って下さいね。」と考える振りはしてみたが、温泉浴衣くらいしかストックは無いんだよね。ポチって無いから当然なんだけど。
「すみません。ストックは無いですね。あれで全部です。王子妃様に中古は出せないでしょうから、仕入れるまで無理です。」
「あ、そう。仕方ないわね。 ありがとう。」
「仕入れられる様になったらお持ちするとお伝えください。」
「分かったわ」と告げてアンナリーナ様は戻り際、「あ、そうだ。私みたいな下着も欲しいらしいけど如何かしら。」
「あ、それは王子妃様達のサイズが測れませんので、ご勘弁を。不敬罪で捕まりたくありません。」
「そうね、早くミミリィ達にサイズの読み方を教えてあげて。そうすれば問題無いのでしょ。」
「あ、はい善処します。 そう、できればこのような事を突発的に企画しないで頂けると落ち着いて教育ができるのですが・・・。」
「ま、考えておくわ。」 考える気は全く無いという表情で食堂に戻っていった。
物販の用意もしなきゃいけないのかな・・・。 やることが多すぎるよ。
呼び出されたついでに食堂を覗いて見たら、親御さん達は嬉々として日本酒の聞き酒を楽しんでいる。侍女さん達は、テーブルを囲んでポテトを無心に頬張っているし、お付きの人たちも何か顔が赤いが、仕事大丈夫なのかな。
スヴェア達もビールと串カツで盛り上がっているし、「ガード下のオヤジか!」
まあ、いいや。
あ、王子様達はどこだろうと探してみたら、端っこの方でテーブルを囲んでアンドレアソン公爵と閣下達と話をしている。そのテーブルだけ浴衣・羽織姿で異彩を放っているのはご愛敬ということにしよう。皆さん楽しんで頂けているようなので、そのまま放置して厨房に戻ろうと思ったけど、思い直して王子様達には一応挨拶をしておくか。
「王子様、お楽しみいただけておりますでしょうか。風呂は如何でしたか。お気に召しましたでしょうか。」
「太郎殿、楽しませてもらっている。風呂はいい。体が温まり、疲れが取れた気がする。温泉というのはああいう物なのか。」
「そうですね、温泉の素なので、厳密には温泉ではありませんが、あのような物です。しかしながら、今回は王子様方は草津の湯、王子妃様方は伊香保の湯と異なっておりますのでまた、機会がありましたら足をお運びくださいませ。」
「そうだな、妃も気に入った様だからまた寄らせてもらう。迷惑を掛けるがよろしく頼む。」
「二次会のつまみ類は如何でしょうか。お口に合いましたでしょうか。」
「このイモを揚げたものか。これはいい。揚げただけなのに手が止まらん。それから、この野菜に付けるソースはなんだ。夕食にも同じ様なものがあった気がするが。」
「ありがとうございます。イモはシンプルですが自信作です。ソースは卵と酢と油を使ったソースをアレンジしたものです。どちらもビールには合うつまみですね。それから、そちらの煮物は豚の内臓を煮たもので、「モツ煮」と言うグンマーの料理です。王族方に内臓をお出しするのも憚られるのですが、こちらは、グンマーの酒のつまみには最適ですからお試しくださいませ。」
「そうか。それで太郎殿あそこで皆が席にも戻らず楽しそうにしているのがグンマーの酒なのだな。」
「はい、グンマーの酒を10種類用意いたしましたので、飲み比べをされていらっしゃるようです。発泡はしませんがお持ちしましょうか。」
「おお、頼む。」第一王子第二王子ともがっつり食いついて来たぞ。
「王子妃様は如何いたしましょうか?」
「私達は余りお酒が飲めませんので、王子様の物を味見させていただきます。」
「分かりました。では、少々お待ちを。」
カウンターに行き、ワンショットグラスに10種類を2セット用意して、テーブルまで運ぶ。
「お待たせいたしました。それぞれ蔵元が丹精込めて作りあげたグンマーの地酒です。堪能くださいませ。あちらの瓶の並びと同じですので、」
「太郎殿、我々にはないのか。」アンドレアソン公爵様も食いついて来たよ。
「失礼いたしました。持って参ります。」
と、一礼し同様に10種類4セット(奥様分もだよ)準備して持って行く。
「ごゆっくりどうぞ」と、あとは閣下達に任せて、厨房へと戻る。
グンマーのモツ煮といえば○井食堂ですよね。でも子持村だけじゃなくて、各地にモツ煮を扱っているお店はありますし、スーパーに行けば温めればよいモツ煮が売っています。
個人的には、もつ○こだけだと味が濃い(それはそれでいいのですが)ので、豆腐入れるのが好き。




