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86 取らぬ狸の皮算用

「皆、揃ってるかしら? 揃っているわね、皆綺麗だわね。お客様もこれで満足するわね。」

 アンナリーナ様が和やかに微笑む。


「満足って、お客様って変態なんですか。」と、グンネルがボソっと呟く。


「変態じゃ無いわよ。ご夫婦だし疚しいことはないわよ。大丈夫。じゃあ、貴方方にはこれからのこと説明するから、ちょっと集まって。 太郎ちゃんは、エレオノーラが話があるらしいから、隣の応接室に行ってくれるかしら。ミミリィも一緒にね。」





「なんだろう。ミミリィ行くよ。」とミミリィを連れ応接室に行くと、エレオノーラ様が優雅にお茶を飲みながら待っていた。


「太郎様、ミミリィ様忙しいところ呼び出してすみません。」と着席を勧められる。


「どの様なご用でしょうか。エレオノーラ様にとっては、ここは奴隷として売られて来た屋敷ですよ。態々、奴隷として買われていた家に来るのは嫌では無いのですか。」


「自分の家に戻ることはそんなに変な事ですか?」


「ここはもうエレオノーラ様の家ではありませんよ。貴方はもう僕の奴隷では無いのですから。」


「いえ、アンナリーナ様に許可をいただきましたので第四夫人にさせていただきます。」


「太郎様、何をしたんですか。」ミミリィの目が怖い。突き刺す様な目で睨む。


「アンナリーナ様にそんな権限委任してないし、そんな約束してないでしょ。それに第四夫人(仮)はスヴェアの筈。」


「では第五夫人でいいです。でも、結婚は決定事項ですから、既に公爵家と伯爵家の合意は済んでいますから問題ありません。」


「僕は承諾してないけど。なんで、そうなるかな・・・。」


「私の何が不満なのですか。性奴隷にして貰い手がない体にしたのに責任はとって下さらないのですか。」


「性奴隷として買ったのは僕だけど、元々売ったのは僕じゃ無いよ。それに、そういうことを含んで公爵家が買い戻したのでしょ。」


「太郎様は人間としてそういうことを言うのですか、まるで物扱いですね。ベルタ様だって物扱いするなと太郎様を叱っていらっしゃったのに。酷いです。」


「それに、例え伯爵家の命令でも、僕のお嫁さん達全員の合意が得られないと貴方を貰う事は無いです。」


「エレオノーラ様なら構いませんよ。」と、ミミリィがボソッとつぶやく。


「え?」って、ミミリィ何言ってんの!爆弾発言しないでよ。


「エレオノーラ様なら、才色兼備の方ですから太郎様の足手纏いになることもありませんし、太郎様が事業拡大して行くときには必要となる方ですから、今のうちにモノにしておいた方が良いかとも思います。夫人でしたらメイドの仕事ができなくてもそれほど困ることはありませんので、今のうちに吟味して持ち駒は確保しておくことも必要です。」


「ちょっと待ってよ。事業拡大しないよ。この世界でまったり生きようとしているんだから。そんな「天下取ったるぜ!」なんて疲れるから嫌だよ。それに、夫人ばっかり集めたって生活する大変だし、みんなを養って行くほどは稼げないよ。」


「それはどうにでもなります。」


「どういうこと。」


「太郎様の第一夫人はフェリシア様ですから、太郎様はエステルグリーン伯爵家の次期当主となり貴族の身分となります。貴族身分の太郎様がアンドレアソン公爵家の養子となり、現在平民のエレオノーラ様を娶るのです。

 エレオノーラ様以外にアンドレアソン公爵家にはお子がおりませんので、太郎様が次期アンドレアソン公爵家当主として、エレオノーラ様とのお子が成長するまで補佐し、お子を次期アンドレアソン公爵家当主とするのです。

 エステルグリーン伯爵家の当主はその時点でマティアス様にお譲りになるか、フェリシア様を立て、お子に継がせればよろしいのです。

 そうすれば、外交担当:フェリシア様、家宰担当:エレオノーラ様、軍事担当:スヴェア、治安警察担当:ベルタ、私をメイド長とすれば、夫人だけで主要なポストを押さえる事が出来ます。それに、今、太郎様が性奴隷としている者達を加えれば領地経営も難しくありません。太郎様の性奴隷は才色兼備の秀才揃いと聞いておりますのでどうにでもなります。」


「あの、僕はまったりと生きて行きたいのだけど。領主なんて面倒なこと嫌だよ。甘太郎屋の主人で沢山。そんな壮大な計画を立てないで貰えないでくれると嬉しい。」


「流石ミミリィ様ですね。素晴らしいです、その線で行きましょう。父上と母上に掛合います。太郎様の妻になることだけも十分と思っていたのですが、確かにそうすれば我が公爵家も安泰ですし、フェリシアも安泰ですね。」


「僕の意思は?」


「私達が支えますから、太郎様は大船に乗った気持ちでいて下さい。」


「泥船にしか聞こえないんだけどな、妄想を膨らませるのは止めて現実を見てくれると嬉しい。」


「十分現実的な提案であると私は考えます。太郎様に異を唱えるようですが、太郎様が領主で、私達がサポートし閣下達の協力を得れば浮沈艦と認識しますが。」ミミリィ如何してそんなに自信満々なの。


「太郎様はそんなに私が邪魔なんですか。性奴隷だったからですか。」


「エレオノーラ様が好き嫌いではなくて、今の僕は甘太郎屋の主人で良いのだけど。」

 と、報われない抵抗をしていると突然ドアが開き、フェリシアが飛び込んできた。



「太郎様、ただいま戻りました。」と、ソファの後ろから抱きついてきた。


「太郎様、ただいまのチューです。」と、フェリシアが唇を重ねて来る。暫くして満足したのか顔をあげ、


「あれ、エレオノーラ様如何してここに。え、あれ、婚約破棄の後どうなったんですか、心配したんですよ。何でもいいから連絡くらいして下さってもいいと思います。」と、涙目でフェリシアが抗議を始める。



「フェシリア、後ろの子は誰かな。」


「あ、紹介してなかった。私の親友。 マルディダ。 マルディダ=アルムグレーン。」


「え、っ」エレオノーラとミミリィも気づいて様で動きが止まる。 一瞬おいて


「お、王女殿下。 あ、どうぞこちらに」と、エレオノーラ様もミミリィも平身低頭で、席を譲る。」


「あ、お気にならさずに、今日はフェリシアの友として、エステルグリーン伯爵の快気祝にお邪魔しただけですから。お忍びですよ。」


 流れる様な優雅な動きで、椅子に腰掛ける王女様。 流石に育ちがちがうのか。


「改めまして、太郎様。マルディダ=アルムグレーンです。お目にかかれて光栄です。 フェリシア様とは、学園で仲良くさせていただいており、毎日のように太郎様の惚気話を聞かされております。そして、エレオノーラ様との婚約を破棄したバカ王子の腹違いの妹になります。」


「間橋太郎です。こちらこそ、お目にかかれて光栄です。フェリシアの夫ですが、一介の平民に過ぎない者です。本日は拙宅へのご来訪恐悦に存じあげます。今日は、快気祝のパーティを開催ですが、もし宜しければこのまま夕食を召し上がって行かれますか。素人料理ですので王室の方のお口にあるか分かりませんが。」


「太郎様、マルディダは今晩泊まってもらうの。今日は本館の客間が空いているでしょ。2人で女子会するの。」


「分かりました。夕食は快気祝のパーティにご一緒は宜しいでしょうか。または、客間に運び込みますが。」


「いえ、皆と伯爵の回復祝いをさせていただきたく、ご一緒させていただければと思います。」


「分かりました、お席を用意させていただきます。」


「それで、フェシリア、服は如何するの。」と、確認してみるが


「今日は制服のままで出る。マルディダも一緒でいいよね。」


「ドレスは持って来ていないから、制服がいいわ。」


「では、クリーンを掛けますからちょっと二人とも後ろを向いてくれますか。」

 と、クリーンを掛ける。


「あ、そうだ」とアイテムボックスからヘスプレーを出し、「フェリシア、マルディダ様の髪にこれをスプレーして梳いておいて。マルディダ様も宜しければ、フェリシアしてあげて下さいませ。」とグンマーの絹Vエッセンスを手渡すと、フェリシアが「はい、分かりました。」と言うと同時にマルディダ様の髪を弄り始めた。

 気が早いヤツだな、王族相手に何か確認もしないで良いのか? 王女様も完全に任せているけど・・・・・ ヤバイものかも知れないって考えないんだろうか?


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