8 盗賊は駆除
盗賊達は、結界を壊そうと力任せに叩き続けている。初めて使った魔法だからあまり耐久性はないようでヒビが入りそろそろ限界かな。
さぁーてと、雛壇神様ズよろしくね。土魔法起動、砂粒を発現して固めて礫弾(小)を20個精錬。空間制御起動、自動追尾付加。風魔法起動、初速200km/hで照準「盗賊の右玉」に固定。スキル:必中、有効化セット。結界崩壊と同時に発動させるぜぇ。
見下した表情で、薄ら笑いを浮かべて、
「いつでもいいよ、掛かっておいで盗賊さんたち。カモ~ン」と、煽ってみた。
パリンという音と共に結界が破れ、下卑た笑いのまま盗賊達が間を詰め・・一歩踏み出すと同時に、全員が白目を剥き口から泡を吹いて倒れた。
「よぉ~し、お終い。 あと、前方に一人、後方に一人。マップ上は女だね。」
護衛達はポカンとして口を開けている。
次、と思い前方に視線を移すと森陰から自分に目掛け矢が飛んできた。サラッと躱す。(剣聖の感覚ありがとうございます。)ミミリィさんを射たのはコイツか。
「僕の初めての人(予定)を傷つけた奴等なんて許すことはないけど、このまま逃げれば今は見逃すのに。自分から居場所を晒すかな、とっとと逃げればいいのに、後ろの女みたいに。 最後っ屁は必要は無いんじゃないのかな。」
「後方は距離があるけど大丈夫かな。「礫弾(中)2個精錬、「自動追尾」付加。初速200km/hで照準鳩尾に固定。即時発動」
前後に、ソフトボール大の石が飛んで行くと、ドサッと言う音が前方からは聞こえた。
後ろは・・・逃げられたか。距離があると威力が保てないか、中間加速が必要ということか勉強・勉強。それに逃げてる後ろからだからね、鳩尾照準じゃ無理か。一応、逃げた女はマップにマーキングしておこう。
「終わったよ~、バッチイ片玉盗賊団は放置しておいて大丈夫でしょ。一応、射手は女性みたいだから気を失わせてあるよ、誰か拾ってきて。」
「アルヴァ、回収に行って。」
リーダーさんの指示で、アルヴァさんが騎馬を走らせ、暫くすると気を失っている女を拾って来た。
「見事に気を失っているね、どうやったんだ? カロリーネ、荷物から縄を出して、コイツ縛って。」
「それから、君、名前は?」
「僕? 間橋太郎、太郎が名前。今、無職、こらから職探し。」
「私はスヴェア。エステルグリーン家に仕え、主にお嬢様の護衛リーダーをしている。今回は助かった、礼を言う。ご主人様に願い報酬を与えよう。」
「あ、報酬は要らないです。さっきミミリィさんに個人的契約交渉したので。」
スヴェアさんが怪訝な顔で、「個人的契約?、何の契約だ。」
「護衛できたら、ミミリィさんの処女と僕の童貞交換契約」
「・・・・・・・・・・」スヴェアさん真っ赤。
「成功すれば、皆さんは助かる、僕は卒業 win & winでしょ。」
「ミミリィにはメリットが見いだせないが・・・。まぁ、ミミリィが承知しているならよいか・・・。が、それはお嬢様の前では言うな。というか言わないでくれ。頼む。
それから、助けられて報酬も出さないのは伯爵家の沽券に関わるので報酬は別に出す。 それで頼む。」
「あ、駄目ですか、分かりました。」
「ついでと言ってはなんだが、これから王都に帰るまでの護衛を頼めないか。コイツ等のような盗賊がまた出ないとも限らないし、生き返ったばかりのベルタは、調子が分からない。」
「あ、いいですよ。でも、こんな得体の知れない者を護衛に雇っていいんですか。」
「君が何かしようとしたら、どのみち私達に君を止める術はない。信じるしかなかろう。」
ちょっと、気まずい雰囲気が流れた。
「スヴェア、この女エルフだよ。」
射手の女を縛り上げていたカロリーネさんが、スヴェアさんを呼ぶ。
そういえば、イヴァンネ様がエルフとかドワーフとかも居るって言っていたな。
「なんでエルフがお嬢様を狙うんだ。理由が分からない。 このエルフは雇われただけなのか? まぁいい、気がついたら尋問しよう。」
射手の女は、縄でぐるぐる巻きにされ蓑虫状態で、馬車の後ろに括り付けられた。
「お嬢様、もう大丈夫です。お顔をお見せ下さい。」ミミリィさんが、馬車のドアを開けると、15・6歳位の女の子が出てきた。すっげえ美人。
「先ほどの盗賊は、この間橋太郎様が退治して下さり、王都までの護衛も引き受けて下さいました。もう、安心ですので、先を急ぎたいと思います。」
「太郎様ですか。この度はありがとうございました。これからも道中の護衛もお願します。」
「もったいないお言葉、命に代えましてお守りいたします。」と一通りの挨拶をして、ステータスをのぞき見る。
名前 :フェリシア=エステルグリーン エステルグリーン伯爵家長女
種族 :人間
性別 :女(処女)
年齢 :16
職業 :学生 アドルジュ高等学園 1年 主席(同率) スキル:賢者
家族 :父・母・義母1、弟1
知力レベルはとても高いが体力関係は、人並み以下ほとんど、戦闘力はないな。
スキルもぼちぼち。 狙われる要素は?何かあるのだろうか、何なんだろう。
その後、護衛4人スヴェアさん(21歳)、ベルタちゃん(17歳)、アルヴァちゃん(17歳)、カロリーネさん(20歳)と侍女のミミリィさん(21歳)の順で自己紹介を受けた。ベルタちゃんは、恨みがましい目をしていたが見ない振り。
ちなみに、全員人族の美人で処女でした。スリーサイズは内緒。一応、年相応。
「間橋太郎です。 太郎が名前です。 20歳、現在無職。出身はグンマーです。」
「グンマーって何処ですか。」全員から質問された。
「グンマーは多分東方にある島国の真ん中あたりの地方です。身を立てようと街に出たのですが、何故か転移罠に掛かったみたいで、この国に飛ばされてきました。人の居る方を探していたら、あなた方を見つけたという次第です。」
「この国の者ではないのですね、とおりで黒目黒髪この辺では見かけない容姿に、見たこともない服を着ている筈です。」とフェリシア様が納得しているみたいなので、これで押し通そう。
「その格好は旅装束なのですか。荷物は背中の袋だけですか。」
「あ、一応マジックバックになっているので、それなりに容量があるんですよ。」
「どうりで、軽装なんですね、分かりました。」 フェリシア様チョロい。
「では、よろしくお願いします。ちなみに王都までどのくらいの距離があるのですか。」
「ここからだと、馬車で2日位ですね。今日は次のアマランスの街で宿を取ります。」
ミミリィさんが答えてくれた。
フェリシア様は馬車に、護衛4人は騎乗して出発する。
自分? 自分は、ホバーの練習を兼ね馬車の後ろをついて行くのさ。
蓑虫の監視も必要だし、コミュ障・童貞が16歳の美人女子高生と二人っきりで馬車の中なんて耐えられる訳ないだろ。
グンマーのソフトボールは太陽誘○とビッ○カメラだいね。
太陽誘○に勤めている友人は「全国大会を県内でやってるようなっもんだっから」とか言ってましたね。