77 そんな事してるから
さて、夕飯をどうしようかと考え、明日皆に頑張ってもらうのだから栄養が取れるものということで、手持ちの材料に肉と白菜、ネギ、もやしはあるから冷蔵庫の残り物を足して、鍋にすることにした。
派遣メイドさん達は旧本館に泊まるらしいので一緒に食べようと誘ったら、ミミリィが言うには派遣メイドさんたちは元々そのつもりでいたらしく、エイラさんの言動で過大な期待がされているらしい。
本当にあり合わせの鍋物でもいいのかな・・・。 前回使った、穴あきテーブルと七輪をコピーして4台体制して、土鍋はないので、大きめの普通の鍋で代用する。と、ここまで考え、あ、しゃぶしゃぶ出来るじゃない。いいね、しゃぶしゃぶ。決定。
ポン酢とめんつゆとかをポチって、あと肉さえスライスすれば、あとはあり合わせでもいいじゃん。締めは中華麺かな、ポチろう。
イヴァンネにスライサーで薄く肉切り、スサンに当たり鉢でごまを摺り、ミミリィ達に野菜類の準備を頼んでから一度私室に戻る。
PCを立ち上げ、記憶を頼りに探して、「ポ○酢の涙」1.8ℓを、めんつゆはメジャーだけど、実は海無しグンマー産のヤ○キめんつゆをポチる。ごまと合わせるのでスタンダードがいいんだよ。一応煉りごまもポチっておく。〆用中華麺もめ○匠大手文蔵スープ無しを一応20人数分ポチる。
ネット通販を見ていたら、弁当箱を見つけた。スーパー弁当のぺらぺらなプラスチックじゃなくて、一見漆塗りのお上品な仕出し弁当が入っていそうなやつ。この世界には無いよな。異文化だ、グンマーの文化だぞ。入山メンパもいいけど直ぐには数揃わないし宴会向けじゃないから、2段重ねになるちょっと大きめの重箱タイプを100組ポチる。竹製のスプーンとフォークもセットにして100組ポチる。 これ、かなりの出費だけど、まぁ良しとしよう。泣いてなんかないやい。
それから、彼女達のヘアケア用品もポチっておく。
ポチった後は食堂に戻りお湯を沸かし麺を軽く湯がいてからアイテムボックスにしまう。
そして、テーブルを七輪バージョンの物に気づかれないように変更しておいた。(気づかない筈がないかな?)
七輪に練炭を入れて火を着け、水を張った鍋を載せて沸くのを待つ、気休めかも知れないけど昆布は入れておく。
ミミリィ達に切った野菜や肉を各テーブルに置いてもらい、こっそりペットボトルから瓶に移し替えた「○ン酢の涙」と、すりごまと混ぜためんつゆを取り皿に分けて用意完了。
ミミリィに、薬味の青ネギ、大根おろし、唐辛子を用意してもらうのは忘れない。
「ご飯だよ~。」と呼ぶと、4階からわらわらと欠食児童達が下りてくる。
全員揃ったところで、料理の説明をする。
「今日は、しゃぶしゃぶという料理です。自分で作って食べるんだよ。 作り方は簡単。肉を竹トングでつまんで、鍋のお湯でしゃぶしゃぶとちょっと色が変わる位が食べ頃、これをこの2種類のたれに付けて食べる。だけ。 野菜は適当に鍋にいれて自分の好みの煮え具合で食べてね。 一度に沢山いれると温度が下がっちゃうから、少しずつね。それからアクはこまめに取らないと美味しく無いし、水が減って来たら足して、熱くなるまで待つんだよ。いいかな? 実際やるとこんな感じ。」と実演して見せ自分が最初に食べてみる。現地牛だから、油が蕩けて~とはならないけど、まあ十分なんじゃないかな。 皆、目をキラキラさせて見ている。
「じゃ、席について。」 自然に、自分、ミミリィ、イヴァンネ、スサン、エイラさんが一卓、メイド達で二卓、派遣メイドさんで一卓と別れた。
「では、いただきます。」「いただきま~す。」と欠食児童達は我先に鍋に肉を入れ始めた。派遣メイドさん達は、興味津々な感じでタレの匂いを嗅いだりしながら恐る恐るしゃぶしゃぶしていたが、一口食べた後は欠食児童と化していた。
和気藹々と言うより、バーゲンセール様を呈している感じ。そんなに慌てなくていいのに。
自分の卓は、まったり今日のグンマー誉の大吟醸を皆で嗜みながら、上品に食べ始めた。
『ねえ、今日の肉はここの肉なの。』
『そうですよ。』
『なんで、グンマー産の上州牛じゃないのよ。』
『あれ、高いから。皆で食べるのは地元産でいいでしょ』
『上州牛が食べたいなぁ。グンマーの温泉宿で食べたの美味しかったから。』
『この人数では無理です。』
『内緒で、ちょっとで良いから出して欲しいな~ぁ』
『ミミリィと相談してからね。少しならストックがあるから。』
『よろしくお願いね。期待しているわ。』 しかし、堪能して、豪遊して、使い込んで罰受けてるとは思えない発言だなイヴァンネは・・・。
「ご主人様、お肉が終わりそうです。」と、涙目でエディットが告げに来る。
「え、って。まだこっちは2枚くらいしか食べてないけど。」
「私達はお酒がないんですから、お肉が終わるのが早いんですよ。」
「はい、はい。 用意してくるから野菜食べて、水足して沸くまで待ってて。」
と、厨房に行く。冷蔵庫から現地牛の塊を出してスライサーで切る。一人200gじゃ全然足らないか・・・。あと200gずつ切って小分けして持ってゆく。自分卓用はアイテムボックスのストックからコピーした上州牛にする。
「はーい、お待たせ。」と、各卓に1000g位づつ配る。自分の卓は最後にして、見つからない様上州牛を置く。
「では、ちょっと内緒の話をします。やはり、ご主人様と奴隷が同じでは示しが付かないので、ちょっとこの卓だけいい肉にしました。黙ってね。イヴァンネとスサンはおこぼれに預かるのだから他言無用。エイラさんも派遣メイドさんに言っちゃダメだよ。」
「「「分かりました。」」」
「あ、これさっきまでと違いますね。美味しいです。これすき焼きの時と同じヤツですか。最初だけだった美味しいお肉のほう。」と、ミミリィが小声で聞く。
「そう、数少ないストックを出したの。あとはフェリシア用だからもう無いよ。」
「心していただきます。」
『やっぱり美味しい。これよね。此所の牛とは全然違う。あ~もっと向こうで食べておけば良かったな。』
『そんな事してるから使い込みしちゃうんでしょ。』
『反省はしてます。でも誘惑に勝てなかったのよ。こんなに美味しいんだから。』
『はいはい、もう地元牛だけだからね、今だけ堪能しておいて。奴隷に上州牛を振る舞う主人なんていないよ。』
『ご主人様のイケェズ~。』 お前は○子ちゃんか!
スサンも、エイラさんも口に合った様だけど、バレない様にするため言葉に出来ないので幸せを噛みしめる様に口に運んでいた。
まったりと晩酌しながら食べていると、
「ご主人様肉も野菜も終わっちゃいます。」とエディットがまた、涙目で訴える。
「じゃあ、〆ますか。中の具を全部浚っちゃってくれるかな。
浚ったら、湯が少ない鍋は水を足して。牛肉と野菜の出汁が凝縮されて美味しい汁になってるから醬油と塩で好きなように味を調えて。
出来たら、これ「〆用中華麺」を投入して、ちょっと煮てみて。」と、一応、0.5人前を渡す。
「これが、鍋物の〆。基本のラーメンだよ。取り皿に取ってから食べないと熱いからね気をつけてね。」
皆、器用に竹トングで麺を掴みお玉でスープを取り皿に入れ竹フォークで口に入れている。
みんな、なんというか、ほわーっとした幸せそうな顔で食べている。ワカ○さんの「ぷしゅー」みたいな感じかな。
自分の卓はまだ、野菜と現地牛が残っているので、まだまだまったり状態。グンマー誉が旨い。
「そろそろ、こちらも〆にしませんか。太郎様が飲み過ぎてしまいます。」とミミリィのチェックが入りこちらも〆に入る。 じゃ、そう言うことで中華麺を投入!食べようとしたら、
「ご主人様無くなっちゃいました。」と、エディットが涙目で訴える。でも視線はこっちの鍋から離さない。
「はいはい、麺はこれを入れて、ここのはあげないよ。」と中華麺を渡し戻らせる。
当然、派遣メイドさん達のテーブルからも要請があり、中華麺を追加。
一人400gで足らないって、食べ放題のしゃぶしゃぶ屋さんは泣くぞ。
こちらの〆が終わる頃には、他のテーブルは全部食べ終わって、全ての鍋は空っぽになっていた。
「食べ終わった鍋には水を張っておいてね、そのうち沸騰するけどそのままでいいよ。
その方が汚れが落ちるからね。」
「はーい、分かりました。」
「じゃ、エディット、マルギット、エヴェリーナはお風呂に行くから、他の者は後片付けをよろしく。その後は、3人位ずつ45分おきぐらいでお風呂に来て。あ、派遣メイドさん達は気にしないで。旧本邸のお風呂に入って。僕が居るところは嫌でしょ。」
「3人連れて何をしに行くのですか。」と、ミミリィが冷たい目で尋ねる。
「3人のボディメイク。その後順番に皆のボディメイクをするよ。体を触るからミミリィも来て監視しててもいいよ。」と、平静を装い答える。嘘言ってもミミリィにはバレるからね、偽らずに答えないと後が怖いんだもんね。
「太郎様が私以外の女の体をまさぐるのを見ている趣味はありません。でも何をするかは確認したいので、後片付けの指示をしてから”一応”見に行きます。」
あ、やっぱり怒ってる。気にしないで行こう!
上州牛は和牛肉質等級「上」以上を「上州牛」と規定されていて、その中で上州牛(和牛種)を上州和牛とされているらしいです。
ちなみに、和牛系統の種牛として有名な紋次郎は、生まれは違うけどグンマーで育てられたので、木枯らし紋次郎から名を取ったらしいですよ。




