60 オムライス2
「それから、一応言っておくけど僕には三人の正夫人がいるから、貴方方に添い寝してもらうことはそう多くはないよ。身の回りの世話とかを含めたメイド仕事と食物屋と物販の仕事をお願いする予定です。」
「どんな物を売るのですか。」
「僕の国のお菓子かな。それと女性用の下着などを考えてます。」
「下着って、いま頂いているものも普段の私達のものと違うのですが、こういったものですか。」
「そうだね、いま色々考えているところ。後で見せるよ。先ずお昼ご飯の用意をしたいと思うので、此所で待っててくれるかな。 あ、その前にエイラさんを紹介するね。」
「こちらがエイラさん。僕の家のメイドリーダーをお願いしています。貴方方メイドの指導係として本邸から出向してもらっています。仕事で分からない事があったら、エイラさんに聞いてください。 お昼ご飯を食べたら、仕事の内容や分担、ローテーション等を説明してもらいます。」
「エイラです。よろしくお願いします。皆さんの指導係を拝命しておりますのでよろしくお願いします。」
「ご主人様、先ほど本邸と仰いましたが、本邸とはなんですか。」
「本邸は、第一夫人の実家だよ。エステルグリーン伯爵家のこと。」
「第一夫人とは、フェリシア様のことなんですか。」
「そうだよ。」
「申し訳ありません、存じ上げませんでした。」
「決まったのは数日前だし、正式にはフェリシアが卒業してからだから。それに特に婚約も発表もしてないからね。当然だよ。」
「分かりました。」
「お昼ご飯の用意に行きますので家事が出来る人がいたら、手伝ってくれると嬉しいな。」
「はい」とイヴァンネ様、スサン様、アレクシスとマルティナの4人が手伝ってくれる事になった。
厨房に着くと、野菜は既にカットされていて、サラダも人数分とお代わり用がボウルに作ってあった。
「あとは、スープだね。 アレクシスとマルティナで手分けしてスープを作ってくれるかな。野菜とベーコンがあるから。味付けは後で僕がみるからちょっと薄味にしておいて。それから、隣の食堂に食器を並べる用意をしておいて。」4人に指示を出す。
「さてと始めますか。 エイラさん肉あったっけ。」
「鶏肉を買ってきて、切りそろえて置きました。」と、冷蔵庫から1cm角くらいに切り揃えられた鶏肉を取り出してきた。
流石、メイド指導係エイラさん。
「今日は大人数だから、昨日のお代わりみたいにオムレツを乗っけるパターンにします。ソースは前回の残りだけど、足らなそうだから、ケチャップと三色にして誤魔化そう。」
「エイラさんはオムレツを作ってくれるかな。出来たらお皿に載せて温かいうちにアイテムボックスにしまうから。」
「分かりました。」と、直ぐに冷蔵庫から卵を取り出すと慣れた手つきでオムレツを作り始めた始めた。
「イヴァンネとスサンは、このソースを火に掛けて焦がさない様に混ぜて、クリームの方には小麦粉を牛乳で伸ばした物をいれて嵩増しして味を調えて、トマトソースはトマト缶とワインを少しいれて味を調えて。冷蔵庫のマッシュルームをスライスして入れておいて。」と、言ってから、あ、「トマト缶」っていっても。地球の缶詰なんてイヴァンネ様しか分からないのかな。まあいいや。
「「はい」」
自分は、前回と同じ様に大きめなフライパンに油を引き鶏肉を炒め、火が通ったらタマネギ、ニンジン、キノコを追加し直ぐにケチャップを投入。
ケチャップと一緒に炒めたら、半分火が通った位で4等分に分けて一度皿に移す。ひとつ分をフライパンに戻し、強火にして一気にご飯を入れて絡める。べちゃべちゃにならない様にするのがいいらしいので、4分の1づつ作った。ケチャップライスのできあがりっと。その間にオムレツをアイテムボックスにしまうのは忘れない。
4つ分のケチャップライスが出来た頃にはもう皆の用意が出来たみたいなので、ソースの最終チェックとコンソメの素と追加しておく。
手の空いた5人は興味津々な様子で仕上げをのぞき込む中で、お皿にケチャップライスを盛り、アイテムボックスから出したオムレツをのせ、包丁で上を切ると半熟卵がちゃんと開いた。ホワイトソースとトマトソースを掛け、真ん中にケチャップを少々飾り付ける。
「こんな感じの昼食だよ。」と5人の顔を見ると、今にもよだれを垂らしそうな顔をしている。
「じゃ、流れ作業でやるよ、エイラさんがケチャップライスを盛り付けて、僕がオムレツを載せるから、アレクシスが切って、イヴァンネとスサンでソースを順番に掛けて、マルティナがケチャップで彩りして。 いいかな。」
「「「「「はい」」」」」」 なんか皆やる気満々だ。
流れ作業であっという間に終わり、エイラさんに皆を呼びに行ってもらう。アレクシスとマルティナには、サラダとカトラリーを、イヴァンネ様とスサン様にはスープの配膳をしてもらう。スープも味見をしてコンソメ顆粒を足しておいた。
食堂に皆ぞろぞろと集まったので、着席させる。
「我が家では特別な事が無い限り、食堂で一緒に食事をします。必要に応じて個室で食べることもあるけどね。なので、奴隷だから同じ卓に座らないということは考えないように。君たちは僕の大事な使用人だからね。」
「はい。」と了承を得たみたい。
「では、「いただきます。」 あ、これは僕の国の食事前の挨拶です。食後は「ごちそうさま。」です。これは絶対忘れない様にしてください。
基本は頂く物、作った人への感謝の意思表示です。相手が其処にいるいないにかかわらず実行すること。」
「いただきます。」
「あ、美味しいです。これなんていう料理ですか。」
「これはオムライス。色々バリエーションがあるけど、今日のはその内のひとつと思ってくれればいい。」
「美味しいです。ご主人様の奴隷でいると毎日こんな料理が食べられるのですか。」
「毎日僕が作るわけじゃないから、この国の料理の事もあるし、そっちの方が多いよ。でも、君たちが作り方を覚えれば食べられると思うよ。」
「頑張って作り方を覚えます。よろしくお願いします。ご主人様の奴隷で良かったです。娼館に売られてでもいたらと思うとぞっとします。」
「あまり、過大な期待はしないでね。」
「一生着いて行きます。」
「できれば早めにお金を貯めて自分を買い戻して、自由を手に入れてもらう方がいいんだけどな。僕的には。」
「なんでですか。」
「この世の中に奴隷なんていない方がいいに決まっているじゃない。」
「そうですけど・・・。でもご主人様の奴隷なら私はいいです。」
「私もかも。」
「後で幻滅しても知らないよ。」
「あのー、ご主人さま。お代わりは頂けるのでしょうか。」
「ケチャップライスはあるけど、オムレツがもうないから、自分で作れるなら作ってきて。」
「はい、行って来ます」アレクシスとマルティナが厨房に出て行った。
『美味しいわよ。あっちで食べたのよりも美味しいかも。』
『そうですか、もっと美味しい店がグンマーにも一杯ありますよ。イヴァンネ様は一度しか向こうに行ってないから、分からないかも知れないけど。』
『そうよね、次に行く機会がもうないのよ。貴方にグンマーの料理を再現してもらうしか無いわね。』
『できる範囲で頑張りますよ。でも、プロの料理人の様には行きませんよ。』
『それでもいいから、よろしくね』
「私もよろしいでしょうか。」エディットが恐る恐る尋ねるので、「どうぞ。」と答えるが、「私オムレツが作れないのですが、どうしたらいいですか。」と涙目になるので、「無理にオムレツの形にしなくても、半熟スクランブルエッグでもいいんじゃない?」というと、「はっ」と気づいた様で厨房に嬉しそうに出て行った。
エディットを皮切りに、そそくさと厨房にゆく者達が増え、結局食堂に残ったのは自分だけだった。チキンライス足りるかな。
「太郎様、ご飯がなくなりました。」エイラさんが涙目で告げに来る。
「はいはい、追加を作るよ。ご飯もこれで終わるからまた炊いておかないとね。」
みんな凄い食欲だな。仕方ないので厨房に向かうと、涙目のメイドがちらほら。
「野菜ある?」エイラに聞くと
「予備で切ったものがあります。鶏肉はもうありませんが、ソーセージならあります。」
「それでやりましょ。」
さっき使ったフライパンを取り出し、ソーセージと野菜を炒め、ケチャップを追加し炒める。ご飯を追加し、つぶさないように混ぜたらできあがり。っと。
「はい、どうぞ。」
「「「いただきます。」」」
おかしいな、最初に作ったのだって「グンマ-標準」位で作った筈なんだけどな。(都会の1.5倍量以上はあるはずなんだけど。) 高専横のかぼちゃサイズにする必要があったのか、あんなの自分だって無理しないと食べられないんだぞ。と、考えている間に綺麗さっぱりなくなった。
「「「「「「「「「「「ごちそうさまでした。」」」」」」」」」」」
うん、これからのエンゲル係数は高いような気がする。
食器は全員で片付けてもらう。
ご飯のストックが無くなったので夕食分と合わせ米をといでおく。
後で鍋で白米を炊き、おひつに入れアイテムボックスでキープすることにした。
一回に何人分炊けばいいんだろう。やっぱり炊飯器が欲しいな。
ちなみに、炊飯用の鍋は、グンマー製造のアカ○アルミ社製業務用半寸胴鍋です。




