6 テンプレどおりの襲撃
誤字修正しました。
1時間ほど歩くと、伸びた脚に慣れてきた感じがする。ズボンは「精錬」で20cm伸ばしてたので大丈夫。 宿に着いたら他のズボンも継ぎ足ししておこう。視点が20cm違うと世界が広い感じがする。何か悔しい。
さてと、「マップ!」これって毎回呼び出さないと駄目なのかな、頭の中で把握とかできないのだろうか。 試してみるか、「マップ把握!」 お、地図が分かる。
マップに、赤点、青点、緑点がある。赤点、青点は2km位先かな。緑点は散らばっている感じがする。青点移動中、赤点は3カ所に散らばって動かない。
テンプレどおりだと、「王女様が盗賊に襲われているところを助ける。」というのから異世界物の冒険が始まることになってるよな。
このパターンだと、青点が王女様御一行で、赤点が盗賊、緑が魔物って感じかな。
えーっと武器。って持ってないじゃん。剣聖のスキルが有ったって武器が無きゃバッサバッサ切れないじゃん。アイテムボックスは・・・・。「袋竹刀」ってどうやって戦うんだよこれ。「御手杵」くらいレプリカでいいから入っていてくれてもいいと思うんだけど。
袋竹刀でも頑張れば、骨折位はさせられるか。うーん、無いよりマシと諦めて街に着いたらとっとと武器を買おう。
では、先ず王女様のご尊顔を拝し奉りますか!
行くぞ、初魔法! 風魔法起動、ホバー全開、一人ジェットストリームアタック!!「行っきまぁ~す。」
と、同時に盛大にコケた。右手と左足が見たことがない方向を向いているんだけど・・・。治癒魔法起動「キュア」で整復、「ヒール」で回復っと。思いっきり「ヒール!」。
「激痛」なにそれ、無かったことにしよう。
ちょっと涙目だけど、改めて、ホバー「ジョギングモード」。はじめチョロチョロで始動。慣れたら加速。切れたジャージは、精錬で修復しつつ進む。
一応、スキルの確認とサマリーは確認しておこう。必要な時に知らなかったは怖いからね。ヒールはメジャーだから分かったけど、他は余り知らないからね。
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その頃、青点こと、エステルグリーン伯爵家長女フェリシア=エステルグリーン一行は、叔父スヴァールバリ伯爵家からの帰路、王都の屋敷に急いでいた。
草原を抜け森に入るころ、御者席のミミリィは違和感を覚えた。
「お嬢様」
「どうしたのミミリィ。」
「怪しい気配がします。馬車を急がせます。ご注意下さい。」
木の陰から視線を感じた気がした。
「盗賊? でもこのあたりに盗賊は出ないと聞いていたけど。」
「スヴェア、ベルタ、アルヴァ、カロリーネ、隊列を防御陣形に」
2頭立ての馬車の両脇前後2列に併走する4騎は、距離を詰め警戒体勢に入る。
スヴェアとベルタが前左右、アルヴァとカロリーネで後を固める。
「この森を抜ければ、次の町アマランスまで畑が続くだけ、何か起こすとすればこの森の中よね。」
ミミリィの独り言に合わせたかの様に、視界に障害物となる倒木を見つけ馬車を急停止させる。「待ち伏せ?」と身構えた瞬間、右腕に痛みを感じた。
「うぅ」矢で二の腕を射貫かれていた。
「敵襲!」護衛リーダーのスヴェアが叫ぶ。
護衛4騎は抜刀し、馬車を囲み警戒する。
矢は、ミミリィの右腕を射貫いた1射のみ。複数では無いようだ。
警戒する一行の前後の森から、いかにも盗賊という風体の男達がわらわらと現れた。
矢がささったままで動きがとれないミミリィは、左手で忍ばせたナイフを取り出し、身構える。
「前方12人後方8人を目視確認!備えろ。」スヴェアはメンバーに指示を出す。
「5倍の人数をお嬢様を守りながらは厳しいか。一番脚の速いベルタにお嬢様を預けて逃がす。残りで時間を稼ぐか。」と、ベルタに声を掛けようとした瞬間、2射目がベルタの騎馬に命中し、棹立ちとなった馬からベルタが振り落とされた。
「ベルタ!」
ベルタは地上に仰向けに倒れたまま動かない。
「ちぇ、3人か、これは難しいな。」
盗賊達は下卑た薄ら笑いを浮かべ、ゆっくりと近づいてきた。
中央のむさ苦しい男が声を掛ける。
「お姉ちゃん達、大人しくしてくれないかな。俺たちは馬車のお嬢ちゃんに用があるんだ。お姉ちゃんは生かしておきたいからさ、刃向かうのは止めねえかい。」
お嬢様?コイツらの目的はお嬢様か。どこから情報が流れた。
「断る、あんたらも痛い目が嫌なら、とっとと失せな。」
「じゃ、しょうがねぇ。おう、お前等、女どもが売り物にならなくてもしょうがねえ。一緒にやっちまうぞ。できれば生かしておけよ、楽しみが無なるからな。」
盗賊達は、得物を手に下卑た薄笑いを浮かべ馬車に近づいてくる。
「騎馬の方が有利だが、馬車を守りながらは小回りが効かない分不利だ。かといって、お嬢様を馬車から降ろすのは危険か、でも、やはりお嬢様を抱いて逃げるしかないか。」
スヴェアが馬車に近づき、馬車に声を掛けようとした時、「待ってぇ~。」 緊張感のない声と伴に、見たことのない服装の若い男が盗賊との間に滑り込んで来た。
「1,2,3,4人と馬車の中に一人。あれマップと合わない。」突然の闖入者は何かつぶやきあたりを見回す。
「ねぇ、倒れてるあの娘は、どうしたの? 切られた?」と、若い男が尋ねる。
「馬が暴れて背から落ちただけだ。」
「ちょっと待って。結界! しばらく盗賊は入って来られない筈だけど警戒はしててね。」
その若い男が叫ぶと馬車と私達を守るように、光の壁が現れた。
若い男は、ベルタに向け駆け寄って行った。
補足です。
主人公は小学校時代にグンマースケート連盟?主催のスケート教室(グンマー総合スポーツセンターのスケートリンク)で練習していたのでスケートは一応出来る様になっていました。(競技なんてほど遠いですけどね)
そのため「ふん、ホバーなんて楽勝!」と侮っておりました。




