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54 やっぱりストーカー?


 気配感知を発動してみたら、エイラさんとエレオノーラはまだ4階にいるみたいだ。もう少し放っておこう。


「今日はお屋敷で仕事だよね。」


「はい、今日はお屋敷に泊まりになります。ミミリィも泊まりなので今日はタロー様だけになります。他の女に手を出しちゃ駄目ですよ。」


「うん、多分しない。」


「多分なんですね。絶対とは言い切ってくれないところがタロー様らしいです。でも駄目ですよ。」と、上目づかいの左斜め8度で微笑む。


「今日は、3人を身請けしてくるので、そんなこと考えている間もないと思うよ。明日3人、明後日3人、明明後日1人の予定だね。」


「酒池肉林とか考えてませんよね。」


「考えてないよ。こっちに来てから独り寝がないから偶にはいいかなと思う。」


「タロー様でもそんなこと思うのですね。」


「僕をなんだと思っているのかな。ここに来るまで女性を縁がなかったから、独り寝が普通だよ。」


「その言葉、二言はないですね。」


「うん、多分。でも独り寝は普通。」


「で、今晩は普通じゃないかも っと。」


「昨日のエレオノーラみたいに正夫人を押しのけて添い寝したがる人もいるしね。」


「あ、そうですね。エレオノーラならいいですよ。フェリシア様の先輩で、身分も上の人だから、ただし!タロー様がのめり込んでしまわなければ。」


「あ、一応言っておくね。昨日、アンナリーナ様の所に行ったのはエレオノーラの事なんだよ。僕というクッションが入ったから「アンドレアソン公爵家が引き取るなら転売しますよ。」って」


「え、どういうこと。」


「アンドレアソン公爵家としては、第3王子との事があるから売った娘を買い戻すことは出来ないけど、他人に売られた娘(傷物)が転売されたという事なら引き取っても問題無いんじゃないかと思ってね。エレオノーラ達が性奴隷として売られる様になったのは、多分、第3王子の新恋人が第3王子を取られない様に仕向けたんだと思うんだ。「綺麗な身体のままだとまた第3王子の気が向いてしまうかも知れない。」ということを怖れ、第3王子も新恋人に盲目状態でそれに乗ったんじゃないかな。」


「酷い話ですね。その第3王子の新恋人っていうのが諸悪の根源なんですね。」


「まあ、そうなんだろうけど、「第3王子を自分の物にしたい、手段は選ばない。」ってなるとこう言う謀もするんだろうね。多分実家が後ろ手を引いてるだろうし。」


「エレオノーラ可哀想」


「でも、まだ僕に裸を見られたりしただけで綺麗な身体だけど、行為の有無は関係なく元性奴隷ってだけで傷物扱いだから、これからの身は安全だと思うよ。身分回復はちょっと難しいし、縁談は来ないかもしれないけど。」


 そんな事を話していると、4階で動きがあった。二人とも起きたみたいだ。

あ、パジャマとか用意していなかったけど、大丈夫だったかな。


 暫くすると、二人で2階へ降りて行く気配がしたので、走りに行こうとベルタを誘う。

家の外も寒そうだものね。


 アイテムボックスから自分のジャージとコピーしたジャージ上下を取り出して、ベルタに「お揃いだよ」と言って着せる。コピーした赤備六文銭ぐんまちゃんウインドブレーカー上下も渡し着せてみた。ちょっと大きめだけど大丈夫そうなので、朝練に行くことにする。


 階段を降りながら厨房に行き、「朝の訓練に行って来る。」と伝え、玄関を出る。

と、やっぱり蒼い唇をしたストーカーがお待ちになっておりました。スヴェアさんそんなに必死にならなくてもいいのに風邪ひいちゃうよ。


「お、おはようございます。一緒に走りたいです。」


「いいですよ、ベルタも一緒だけどね。 あと、これ貸してあげるから着て。」と、赤備六文銭ぐんまちゃんウインドブレーカー上下を差し出す。


「え、いいのですか。」


「風邪ひくよりいいでしょ。」


「心配して服を下さるなんて、私を認めて下さるのですね。これで晴れて第四夫人ですね。」ま。屋敷しもべ相手だと絶縁だけど・・・。


「それは、また後でね。 ベルタ、朝ご飯1人分追加って言って着てくれるかな。」


 ベルタに言伝を頼み、スヴェアがウインドブレーカーを着るのを待つ。ベルタが戻りスヴェアさんが着てから一緒に走り出した。スヴェアさんの先導で昨日と同じ道を走る。

 スヴェアさん本邸からここまで走って来たんだろうな、汗掻いてこの寒空の下で出てくるの待ってるって風邪ひくよ絶対。

ランニングの後は軽い運動をして今日はお終い。手合わせはなし。



 三人で食堂に向かうと、もう朝食はできあがっていた。流石エイラさんだね。手際がいいんだろうなと思ったけど、メニューはパンとサラダとベーコンと野菜スープだった。割とあっさり。


「すみません、有った食材だけだとこの位しか出来ませんでした。」申し訳なさそうにエイラさんが謝る。


「十分ですよ。あまり食材を用意していなかったのは事実だし。朝からそんなに重くなくても。」


「昨日と比べるとあまりにも貧相で、本当にすみません。」


「あ、昨日は閣下がいたから大奮発しただけで、この位で僕は十分だよ。ただの平民の食事としては十分でしょ。」


「太郎様にそう言っていただけると、ありがたいです。」


「じゃ、みんなで食べましょ。 席について。 あ、エレオノーラも一緒に食べよう。」


「え、奴隷の私も一緒でよろしいのですか。」


「気が向かないならいいけど、嫌じゃなければ一緒でいいでしょ。ここでは奴隷でも僕の雇用人だからね。」


「昨日は別室だったので・・・」


「昨日はベルタだけと過ごす日だったからね。」


「ありがとうございます。」


「ではいただきましょう。」

 エイラさんの味付けはちょっと薄い感じがするが美味しかった。本邸でも厨房に入ることが多々あるとのことで、基本がしっかり出来てるみたい。


 食べ終わると、ベルタは部屋に着替えに戻り、エイラさんとエレオノーラは後片付けに入った。


「あ、スヴェアさん、その上着は置いていってね。」


「え、折角貰ったのに、返すんですか。」


「あ、返さなくてもいいんだけど、ちょっと普通の服と違うでしょ。あまり人に見せたくないんだよね。だから本邸に持って帰ったり、街中で着ないで欲しいんだよね。」


「あ、分かりました。4階の自分の部屋に置いてきます。」


「え、4階は使用人の部屋だけど。」


「私の部屋を用意してくれなかった太郎様が悪いのです。一部屋確保しましたから自由に使わせてもらいます。拒否は認めません。」


「はいはい。」3階と言わないだけいいか。



 さぁてと、自分も着替えようかなと思ったが、よく考えたらあまり服をもっていないんだなこれが。まあ、ワイシャツとスラックスにセーターでも羽織っておこうか。


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