5 異世界についた
誤字修正しました。
白い光が晴れたら、草原に立っていた。 空は限りなく青く、浮かぶ鰯雲。
風が流れ、揺れる草原(青々とはしていない)、何処までもまっすぐな道。テンプレどおり、異世界到着!
って、眼鏡の度が強すぎて目がくらくらする。とっとと仕舞おう。
転移された時が1月下旬だけど、此方もそうなのかな。ちょっと肌寒さを感じる。
さぁてと、どうしよう。
普通は、テンプレどおり先ずステータス確認だよな。テンプレ的には「ステータスオープン」
ん?、普通、透明な板が見えて、内容表示されるんじゃないのか? チートの必須要件なんじゃ無いのか? 出てこないぞ、「もしも~し、イヴァンネ様」教えて。
「呼んだかしら?」さすが神様、早い。
っていうか昔の『待たせたな』みたいだよ。絶対スタンバってたよね。
「この世界に数値化されたステータスとか、スキルとか無いんですか。」
「あるわよ。」しれっと言うか。
「それ、見たいんですけど。」
「えっ、見たいの? メリットがある加護・スキルって言ってたので、デメリットの可能性がある加護・スキルは無効化しているわよ。」その驚きわざとらしいですよ。
「それ、デメリットじゃなくて必需品ではないんですか。」
「ま、貴方みたいな何も知らない人間がここで生きてゆくのには絶対必需品だけどね。この世界の人は稀にしか見られないから大丈夫よ。知らなくていいことまで知るとか、デメリットかもしれないじゃない? だから、無効化しておいたわよ。」
「それって、いわゆる”おこんじょ?”『イヴァンネ様』は僕のナビ役だからそのくらいの権限を持ってておこんじょしているの?
たとえば、『イヴァンネ様のスリーサイズとか、過去の遍歴とかを知る能力』をスキルとすると、僕にはメリットしかないと思うのですが、こんな美人が、ちっぱいとかビッチだったら夢が壊れるかも、というデメリットの可能性を優先するから無効化しておく、といった類いですか?」
「死にたい?」
「失礼しました。 今の加護とかスキルの状態を確認したいので、有効化して下さい。お願いします。」目の前にはいないのに体が勝手に最敬礼をしてしまう。
「はいはい、仕方ないわね。 表示できるようにしたわよ。それと、私はちっぱいじゃないし、人に言えない遍歴なんてないから。」
「ありがとうございます。ちなみに、この世界の平均ってどのくらいなのですか。」
人に言える遍歴はあるのか・・・
「能力はステータス表示の100がこの世界の成人男性の平均と考えていいわよ。魔力とかは差がありすぎるので100ではないけど、貴方は∞状態だから関係ないわね。ま、体力とかは普通の人で200を超えることは稀ね。それから、人に言える遍歴も無いからね。」
あれ、聞こえていたのかな・・気を付けよう
「ありがとうございました。また分からない事があったら呼ばせてもらいますね。 ちなみに、『イヴァンネ様』は今どんな状態なのですか。」
「今は処分を待っているところね。軀は地下牢で拘束中。貴方が守ってくれていた魂はちゃんと入っているわよ。 それから、巻き込んじゃってご免なさいね。」
「ま、無間地獄に陥るところだったし、全てを失っちゃいましたからね。まだ、わだかまりはあるけど、諦めましょ。それで、グンマーの温泉は楽しかったですか?」
「最高だったわよ。楽しくてリラックス出来て、日々の疲れが吹っ飛んだ感じ。雪景色のなかの温泉は格別ね。それとスキーも楽しかったわ。この世界ではまだないもの。」
「楽しんで頂けたなら良かったです。でも、使い込みはいけませんよ。それから、人に罪をなすりつけるのも。」
「ごめんなさいね、経費はスサンが管理していたので、分からなかったの。朝、突然「お金が足りません。」って言われてパニックになっちゃって、歩いていた人達にお金を借りようとお願いしていたんだけど、相手にしてもらえなくて、偶然居合わせた貴方が優しそうだったんで、貴方の中に逃げ込んじゃったの。」
「で、自分は『神殺し』となったという事なんですね。『嫉妬の女神スサン様』は、貴方が僕の中に逃げたことは分かっていたのですか。」
「多分、分かっていたと思うわよ。彼女に聞いて無いから分からないけど。」
「ま、仕方無いですね。 ちゃんと罰は受けて下さいね。でも、ナビはよろしくお願いします。」
「そうね、処分を待つわ。今は、意思だけが貴方に呼ばれると出てこられるけど、後でちゃんと謝りに行くわ。 ナビはちゃんとするから必要があったら呼んでね。」
「よろしくお願いします。あ、そうだ、この世界って、人間の世界なのですか」
「基本的には貴方が居たの地球と一緒よ。一応、亜人に属する者とかエルフとかドワーフとか獣人とかも居るけどごく少数ね。肉体的にも地球の人間と変わらないから、子孫を残すことも可能よ。ウㇷ。
それから言語理解スキルがあるから、会話には困らない筈よ。ただ、他の国の言葉も分かっちゃうから気をつけてね。特定国の言葉で話すときは、その国を意識すれば相手にもそのように聞こえる筈。この世界は地球でいう中世欧州の文化レベルだから、貴方が居たニホンの世界とはかけ離れているところもあるから多くを望まないでね。
あ、それから、魔王とかは居ない筈だけど魔物や稀に魔族も出現するから心に留めておいて。 頑張ってね。」
バイバイっと、帰って行った。
さてと、早速ステータスを見てみますかね。 楽しみ。
名前 :間橋 太郎
種族 :人間
性別 :男(童貞) ほっとけ
年齢 :20
家族 :姉・義兄・姪
体力 :20,000
知力 :20,000
魔力 : ∞
筋力 : 2,000
攻撃力 : 2,000
防御力 : 2,000
素早さ : 2,000
命中率 : 2,000
魔法攻撃力: 2,000
スキル
言語理解 :lv9
火魔法 :lv9
水魔法 :lv9
土魔法 :lv9
木魔法 :lv9
風魔法 :lv9
金魔法 :lv9
雷魔法 :lv9
聖魔法 :lv9
闇魔法 :lv9
空間魔法 :lv9
治癒魔法 :lv9
生活魔法 :lv9
etc
固有スキル
空間把握 :lv9
気配感知 :lv9
鑑定 :lv9
アイテムボックス :lv9
上泉信綱 :lv9
ネット接続 :lv9
etc 他はあるけどグレーアウトしてるな。
加護
進化促進 20倍
経験値取得 20倍
必要経験値低減 1/20
etc 他は同じようにグレーアウト。
数値2,000とか20倍とか20歳だからが理由じゃないよな。何か遊ばれている気がする。知力20,000って絶対嘘だ使い切れる筈が無い。
雛壇神様ズほんとに全員がスキル供出したんだ・・・。 これってほとんど全知全能の創造神の劣化版だよな。いいのかこんなチートにして。
でも、なんでレベルがlv9なんだろう。平均が分からないから判断しようがないけど、lvMAXは1,000ですとかじゃないよね。後で聞こう。
あれ、武器スキル・・・「上泉信綱」ってスキル名なのか。確かに強そうだけど。
現金はあるのかな。 「アイテムボックス!」。新しいウインドウが現れて、品物のリストが表示された。ソートとかクエリーとかできそう。現金は大金貨・金貨・大銀貨・銀貨・銅貨・鉄貨。6種類入っているみたいだ。
よしよし鑑定。 大金貨1枚:金貨10枚:大銀貨100枚:銀貨1000枚:大銅貨10,000枚:銅貨100,000枚:鉄貨1,000,000枚の比率らしい。物価が分からないけどお金持ちかな。大金貨2,000枚,金貨2,000枚、大銀貨2,000枚、銀貨2,000枚、銅貨2,000枚ってどれだけ2,000が好きなんだよ創造神様。
うん? 鉄貨1円として、大金貨が百万円か? 2,000枚って20億円・・創造神様太っ腹。 一生お金に困ることはないな。
1円ならばね、ジンバブエドルとかだと、生き方を考えた方がいいかな・・・。
先ずは、街を探し寝床確保してからこれからの事を考えよう。
「空間把握:MAP!」・・・・ 変化なし。
「すみません、イヴァンネ様!」
「何か用?」
「マップが表示できないんですけど。グレーアウトしてるから?」
「必要? 仕方ないわね。有効化するわ。」
「もしかして、加護とかスキルとか全部有効化されていないのですか。」
「当然よ。全部有効化されてたら使いづらいじゃない。基本無効化してあるわよ。オンオフの切り替えを自分でできる様にしてあげるから、そのことだけでいちいち呼ばないでね。
それから、常時有効化してもいいけど、無駄に体力使うものもあるから気をつけてね。 スキルなんかのオンオフはステータスボードの項目にチェックを入れれば有効化されるからね。」
「それから、この数値の根拠って何なんですか。」
「2,000? 普通の人の20倍ってことよね。 体力だけは、おまけしたんじゃないの創造神様が。 知力の20,000は冗談ね根拠はないと思うわよ。5桁なんてことは無いから。
それから、人間にとってlv9は最高レベルと考えて良いわよ。普通それ以上は無いから。
lv10は他人にスキルや加護付与するレベルなので人間には無いわよ。神の領域ね。」
イヴァンネ様お帰りになりました。
では、改めて、ステータスを呼び出し「空間把握」を有効にしてみた。「マップ!」
ステータスボードが地図になった。使い方はタブレットと一緒だね。
街は北に10km位だな。赤とか青とかの色んな色の点があるけど人とか魔物とかなのかな。色分け区分は・・・行けば分かるか。 テンプレどおりだな。
他のスキル「加速」、「回避」、「自動回復」、「気配感知」、「物質複写」、「物質精錬」も有効化しておこう。
荷物はアイテムボックスにしまって、バックパックはペットボトルとタオルと小銭を少々。ダッフルコートは仕舞ってっと、あ、スーツだ。どうしよう。運動用のぐんまちゃんジャージとスニーカーがあった筈、お揃いのウインドブレーカーの上下もあったな、着替えよう。
その前に洋服も「物質複写」できるのかな。「コピー!」お、できるじゃな~い。ふふ。コピーを着て元服は仕舞っておこう。
でもな、会社でユニフォーム兼ねて作った、背中一面赤揃六文銭ぐんまちゃんのジャージとウインドブレーカーはこの世界じゃ浮くかな。 ま、いいや。
でもな、合宿研修の予定だったから着替えとかフル装備なのはいいけど、簿記と会計経理研修なのに、なんで「ジャージ」必須で「早朝山登り」コマがあったんだろう、要らないと思うのだけどな。分からん。
着ぐるみぐんまちゃんは赤備の信繁バージョンじゃなくて、信之公バージョンの黒甲冑だった様なきがする。
ちなみに、「おこんじょ」はグンマー言葉で「意地悪」です。
山にいるオコジョとは違います。当たり前か。