40 すき焼き
なんか、食事前に疲れたけど気を取り直し用意をする。
七輪は2個で、一つ目に閣下、アンナリーナ様、自分とミミリィ。2つ目をスヴェア、ベルタとエイラさんにした。ミミリィに閣下を呼びに行ってもらい、待つ間に具材をアイテムボックスから出して並べる。
並べ終わったころ、タイミングを計った様に閣下達が入って来たので席に着いてもらう。
「さて、今日の料理はすき焼きというグンマーの料理です。本当は材料を全部グンマー産でまかなえるものなのですが、全て持ってはいないのでこちらの材料を使っているものもあります。まず、食べ方を説明しますね。」
七輪の火が熾ってるいることを確認してから、鍋を七輪に掛ける。
「鍋が温まったら、この汁次の割り下を入れます。沸騰したら、肉を入れて色が変わったて赤い所がなくなった位で取り出し、(心配な方は、堅くなってしまうのですが両面焼いてくださいね。)溶き卵を付けて食べます。皆さんは箸(これは、グンマーのカトラリーですね。)が使えないと思うので竹トングを用意してあります。これでそれぞれ鍋から取り出して食べてください。
肉を入れる時のトングとは別にしてくださいね。肉を食べたらこの野菜も入れて、肉の出汁がしみた割り下で煮て食べます。溶き卵をつけるかどうかは自由です。
肉野菜が食べ終わったら、最後に水を足して少し薄めてから、この「ひもかわ」を煮て食べます。いいですか。」
「分かった」、「分かりました」
飲み物はグンマーの地酒を用意しました。「尾瀬の○解け」です。
「エイラさんもお酒で大丈夫?」
「多少でしたら。」
「ベルタはジュースね」
「私だけ仲間はずれですか。また子供扱いするんですね。」
「じゃあ、少しだけならいいよ。でも、飲み過ぎたら今後一切禁止ね。」
「わかりました。」
銚子と猪口を配りそれぞれ注ぎ合ってもらい、「では、始めましょう。閣下一言お言葉を。」
「太郎殿には迷惑を掛けたが、今宵は楽しい時間を過ごさせて頂こう、では乾杯。」
「乾杯。」
「じゃ、見本を見せますから、皆さんまず、卵を取り皿に割って、混ぜて置いてください。」
暖まった鍋に割り下を入れ、肉を並べる(先ずは上州牛だよ。)、火が通り赤いところが消える位で引き上げ、閣下とアンナリーナ様、ミミリィの取り皿に入れる。
「これは、同じ鍋のものを皆でつつくと、親密度を増す、距離を縮めるいう趣旨もあるのです。僕が全部しても良いのですが、自分で肉を取って好みの焼き具合で食べるのも醍醐味です。 なので、申し訳ありませんが、閣下もご自分で焼いてみてください。それが、一番美味しい食べ方になります。」
「分かった。遣ってみよう。」
「アンナリーナ様もお願いします。熱いから気を付けて下さいね。」と勧め食べてもらう。
スヴェア達はこちらに来て手順を見ていたが、直ぐに自分の鍋に戻り、焼き始めた。
「あ、これはうまいな。たれの味も良いが、肉もいい。普段食べているものと違うな。牛なのか。」
「これは牛の肉ですが、上州牛といいまして、グンマーで飼育されている牛です。残念ながら持って来たのはこれで全部なので、もう残ってないです。一応、フェリシア用に少し別にしてありますけどね。」
「美味しいわね。昨日の「つみっこ」とは違う感じがするわ。」
「美味しいです。太郎様、ありがとうございます。」
「な、帰らなくて良かったろう。」スヴェアさんドヤ顔。
「はい、このまま帰ったら、後で悔やんでも悔やみきれませんね。」
「美味しいです。タロー様また作って下さいね。」
向こうは向こうで盛り上がっているみたい。
「先ほどと同じ「尾瀬の○解け」ですが、まず一献。 あと2種類程ありますので、追々ということで。」
「ほう、甘いのが合わないと思ったが、なかなか合うのだな。」
「私ももらえるかしら。」
「はい、どうぞお召し上がり下さい。」
ミミリィが気を利かせて自分の分も焼いて取り皿にさりげなく入れてくれていたので、食べる。美味しい。やっぱりいつも食べてるAGとは違う。比べちゃダメか。
元世界で国産牛なんて記憶にあったかな、一人じゃ作らなかったし、家族でいたときは外国産だったからな。あ、働く様になって宴会で出たのはあったかも。
「では、この辺で野菜をいれます。この野菜もグンマーのものです。特にこのネギはグンマーで普通に売ってますけど、国内でも有名な高級ネギなんですよ、火が通ると蕩ける様に甘くなります。それから、これは生いもシラタキと言いまして、歯ごたえが良いんです。
ちょっと火が通るまで、肉を鍋の空いたところで焼いててください。」
おおむね好評と言うか絶賛で食べ終わった。
2kgの肉が7人で完食と言うか、全員がもうないのかという恨みがましい目で見てるし。野菜も10人前位用意しておいた筈なのに。分けて食べようとしてたストックまで全部無くなったぞ。
「太郎殿、このネギはもうないのか。」
「はい、グンマーから持って来たものはほとんど終わりですね。」
「とろっとしていて甘い、素晴らしいな。もっと食べたいが駄目か。衰弱して死が目前であった昨日を考えると、生きて食べることがこんなに嬉しいと改めて感じたぞ。」
「このネギは生で食べると、とっても辛いんですよ。火を通すとなんとも言えない甘さが出て来て、こういった鍋には最適なんですよ。」
「このネギはここでは作れないのか。」
「あ、これは本物なので、グンマーの一部地域でしか育たないんです。僕も何故かは知りません。品種改良したものはグンマーの他地域でも育ち販売しているんですけど、本物はそこでしか育たないんです。」
「不思議だな。土が違うとだめなのか。もう食べられないと思うと、無性に食べたくなるな。」
「はあ、仕入れることが出来ましたら、閣下に真っ先にご連絡いたします。」
「よろしく頼む。」
「はい。あ、すっかり忘れてました。病み上がりの閣下に酒とかまずかったでしょうか。」
「それは問題ないぞ、夕べもアンナリーナと祝杯を挙げたからな。」
「あ、そうですか。 では、〆に入ります。」
「まだ有るのか。今度は何だ。」
「このたれを使ってうどん、今回は「ひもかわ」ですが、を煮ます。濃いのでちょっと水を足しますね。」
水を足し、沸騰するのを待つ。隣の鍋も同様して、沸騰するのを待ち沸騰したら「ひもかわ」を入れ少しほぐしながら煮る。
「卵でとじてもいいのですが、今日はこのままにします。」
「ひもかわ」が色づき始めたら、取り皿に分けてゆく。
「どうぞ、召し上がりください。」
隣の鍋も確認してOKを出すと、欠食児童のように食いついてきた。
「タロー様熱いです。でも美味しいです。つみっこみたいだけど味が違います。」
「お腹が幸せになります。」
「太郎様、フーフーしてくださいませ。」 スヴェアの言葉は無視する。
「うん、たしかに昨日の「つみっこ」の様ではあるが味が違う。深いな。」
「こんなのが、毎日食べられるようになるのね。2年後が楽しみだわ。」
アンナリーナ様、それなんか違うよ。
「美味しいです。」ミミリィがかみしめる様に呟く。
ひもかわも4人前×2袋作ったのに瞬く間に完食していた。
鍋を降ろし、すき焼き鍋のついでにポチった南部鉄瓶でお湯を沸かす。
「お茶はどうですか。こちらのお茶ではないので、緑色ですが口の中がさっぱりして落ち着きますよ。」
「ああ、もらおう。」
食器と一緒にポチった急須と湯飲みを出し、緑茶を淹れる。緑茶も野菜と一緒にポチってあったのさ。
全員にお茶を淹れ、まったりとした時間を過ごす。
「太郎様、これは何というお茶なのかしら。」
「緑茶の煎茶と言います。この葉を粉にしたりしても飲むのですが、今回は煎じています。」
「私達のお茶とちょっと違うのね。なんだかほっとする感じがするわ。」
「主に休憩時や食後に飲みますね。休憩時にはさっきお出しした香の物などが茶請けになります。」
「たしかに、漬け物に合いそうね。 ごちそうさまでした。」
「お粗末さまでした。」
グンマーは「すき焼き自給率100%」を発信していて、「ぐんま・すき焼きアクション」を展開しています。
なお、主人公の上州牛の記憶は職場の歓送迎会で連れて行ってもらった、厩橋の牛○清の記憶です。
ちなみに普段は、基本食べ放題位しか行けませんし、行った時には、ひたすら肉・肉・肉に走る貧乏人です。




