4 チャラい
誤字修正しました。
「分かっちゃいましたか。迷惑を掛けちゃったみたいだね。 僕が創造神やってるルードヴィグだよ。 よろしくね。」
コイツ軽いな。
「で、創造神様は何処まで把握していたんだ。」
この世界の最高神なんだよな、なんだこのチャラさは。話が進まないからまぁいいや。
「ま、今日の裁きのことは聞いていて、『イヴァンネ』は骸だったから、当然、判決は嬲り殺しのうえ蘇生させる無限連鎖の予定だったからね~、僕も参加する予定だったし。
そのつもりで君の世界の神の承諾も受けてきたんだけど。違っちゃたね。メンゴ。
この世界の神々を作ったのは僕で、『イヴァンネ』も僕が作った神の一人だから『イヴァンネ』の気配は感じられるのさ。気配が全く無くなった訳ではないから、一部くらいは残留思念みたいな形で残っていると思ったけど、全部君の中にいるとはね~。異世界人に憑依するなんて思いもよらなかったよ。」
言うに事欠いて、すごく怖いこと言ってるぞコイツ。
「で、責任者としては、この落とし前どうしてくれるのかな?」
「『イヴァンネ』と『スサン』の扱いはこれから考えよう。結果については君に伝えよう。無罪放免とはしないつもりだ。それから、『食べ物の恨み』だけで判断を下したその他の神達にも、何らかの処分は行うことは約束しよう。同様に結果は君に伝えるよう。
神々達は僕の代理人として下界の住人に加護やスキルを与えるために作ったもので、特定スキルに一点突出した僕の分身であり、それ以外の能力は君たちとそれほどは変わらないからね、情に流されてしまった事は否めないな。それは素直に謝ろう。
お詫びと言っては何だが、君が消えた後の君の家族達には君の世界の神から加護とスキルを与える様取り計らおう。」
謝っているのか? 何か偉そうだな。孝子が幸せになるならそれでもいいか。孝子は可愛いんだぞ。まだ1歳だけど、あやすと笑ってくれたし、ぷにゅぷにゅしてすべすべで手を出すと握り返してくれたし、今はハイハイして、掴まり立ちして、ヨタヨタ歩いて笑顔振りまいて、「ターター」言ってくれるんだぞ。目に入れても痛くない位なんだぞマジ天使。
「君は落ち着いているね。」
「ま、昔から「若くして老成」と周りからは言われてたからな。極貧って程ではないが余裕の無い家庭で育って、それなりに分別とか人生の諦めとか限界とか感じて生きていたからな。色々受け入れられるさ。」
「ふぅーん、苦労しているんだね。まぁいいや、それでこれからの君のことなんだけど、この世界の下界で暮らしてみないか。文化レベルで言えば君達の地球の中世欧州、剣と魔法の世界。ま、君たちの認識だとゲームの世界みたいなものだね。
一応、君にはここの神々の加護・スキルは授けるとして若干の資金も提供しよう。そうだな、『イヴァンネ』は君の案内人として付けよう。どうだね。」
「どうせ、元の世界に戻ることも、この神界で生きて行くこともできないんだろうから、それでもいいか。幾つか注文を付けていいか。」
指折り数える
「先ず、ひとつ。脚をあと20cm長くしたい。中世といっても西欧風なんだろ。今身長が日本の女の子の平均身長位しかないから、西洋人の身長に近づきたい。胴は伸ばさなくていいからな。農耕民族体型の常として十分胴の長さはあるからな。
髪や目、肌の色はいいやこのままで。元は北家藤原の子孫を自称する武家だったけど、国破れて流浪の末グンマーに流れて土着したらしい由緒正しき家らしいからな。
ま、今じゃ分家の分家の末裔で、数代前に借金で田畑全て失って無一文で厩橋に出てきて以来、代々貧乏暮らしをしていたとはいえ、一応、和の国の漢の筈だからな、黒目黒髪でOK。
二つ、視力や体の不具合を直して欲しい。異世界で眼鏡は駄目でしょ? それから、それから虫歯と花粉症も治して欲しいな。
三つ、パソコンとスマホがあるからこの世界でもネットに繋げたい。電源も確保したい。
ネット通販も。こっちで受け取れる様に。
(異世界ものでネット通販は鉄板だよね。これがないと始まらないじゃん。)
四つ、誰も僕のことを覚えていなくても元の世界に行ける様にして欲しい。頻回でなくていいから、孝子の成長が見たい。それから、高校卒業してから世話になった会社の人達の顔を見たし、同級生の顔もみてみたい。気づかれなくてもいいから。 それから」
「まだあるのかい、欲張りだね。」
「この世界の事も、神々の事もよく知らないし、ゲームもしないからルールなんて分からない。だから、加護・スキルは僕にとってメリットのあるものを選択できるようにして、デメリットは無効化しておいて欲しい。『嫉妬の加護』とか、他人を羨むとか妬むとか、暗黒面に落ちそうで、マジ要らない。自分、聖人君子じゃないからな。
それから、『イヴァンネ様』は呼んだときに答えてくれればいいです。普段からこんな美人と一緒にいたら、気になってしょうがないし、面倒くさいことに巻き込まれるのが目に見えてる、邪な事を考えたら殺されそうだし。かといって、心の中に常駐とかされたら小っ恥ずかしいぞ、日々『こんな見え見えの罠に引っかかるなんてアホね』とか、『ふーん女を見るとき胸から見るんだ。』とか、『こんな娘が趣味なんだ。ロリコン』とか、あることないこと監視されるなんて、どんな罰ゲームだよ。」
「ふふ、常駐させて日々報告させようかな。」
「却下。 それから、剣と魔法の世界と言ったけど、僕でも魔法って使えるのか。」
「異世界人は、この世界では特異点だから使えると思うよ。行ってからのお楽しみ。」
「何か腹立ってきた。それから初期値は上げておいて欲しい。剣の世界ならグンマーが誇る剣聖上泉伊勢守信綱様の感覚とか体力とか模倣できないか。」
「同一にはできないね、ただ近い感覚を持つようにすることはできると思うよ。それなりの筋力強化はできるけど、それから先は君の努力次第だね。
一応、成長促進とか経験値取得加速とか必要経験値低減といった君たちの言うチート能力は付けてあげられると思うよ。」
「それから、アイテムボックスってあるのか。」
「あるよ、容量は魔力に比例するから。君はほぼ容量∞で持てる筈。」
「じゃ、それでいいや。って、あれ魔法が使えるなら、眼鏡も虫歯も治せるのかな?」
「勿論治せるよ。だから僕がしなくても君自身で対応が可能だよ。」
「あ、じゃあ・・ あ、ダメ。向こうに着いた段階で治してあった方がいい。」
「わかった。では転移させる時に治すよ。」と笑った。
「では、下界に送るね。 元の世界への転移の件については彼の世界の神と調整して連絡する。他はできるだけ君の希望とおりとしよう。では、行ってらっしゃい。」
明るい光に包まれたと思ったら、テンプレどおり草原に立っていた。
やっぱりネットショッピングは鉄板ですよね。