表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/300

36 二人だけの時間

 ミミリィと二人で商店街を歩く。

 個人的にはネット通販があるから、買わなくても良いのは良いのだけど、「日用品を買っているところも見せる必要があるから。」とミミリィに言われた。多分、本音はデートを他人に見せつけたいだけだと思う。


 屋台で少し遅めの昼食を兼ね、買い食いをしながらブラブラと歩く。


 ちょっとした日用品と食品を買う。元世界とは少し違う印象を受けるけど、多分、同じであろう野菜や肉・魚類が売っていた。

 たまに、白いトマトらしきものとか、皮が白いカボチャとか、赤身の鰺みたいやものなど元世界と少し感じが違うものもあるけど、それほどの差異は無いみたい。この世界に来て食べた食材の味からして、多分想像している野菜等とさほど味も変わらないと思うので、拘らなければ大丈夫みたい。個々の名前は元世界とは違うのだろうけど、同時翻訳されているのでよく分からない。


 買い物の途中で、


「今日の夕飯は何にするのですか。」と、ミミリィが尋ねるので。


「今日のメインディッシュはミミリィです。」と、返したが、微笑んだだけで「で」と言われた。


「僕が作るのですか?」


「だって、私は食べられちゃうのでしょ。作れませんよ。」 あ、失言。


「そうですね、鍋なんてどうですか?」


「グンマーでは鍋を食べるのですか? 金属ですよね? 堅いし、どうやって食べるのですか?」


「あ、鍋そのものを食べるのではないですよ。汁を作りその中に野菜などを入れて、鍋でグツグツ煮ているものを取って食べるんです。」


「鍋から直接ですか。」


「もちろん、直接は熱すぎますから、取り皿に取ってですよ。グンマーでは、「上州鍋」と言ってグンマーの特産品で作る鍋とか、最近では「すき焼き」が流行ですね。」


「それで、今日は何を作っていただけるのですか。」


「すき焼きにしますかね。カントー風ですけど。」


「すき焼き、カントー風とはなんですか。」


「食べてみればわかります。」


 さっき、商店を廻っていて、肉屋があったので覗いたら牛肉らしきものが売っていたので塊を数個買っておいたのさ。あと、すき焼きの具材に似た野菜も買って置いたけど、やっぱりグンマー産がいいよね。これはこれでストックしておこう。

 生いもシラタキは帰ってからポチろう、すき焼き鍋も欲しいしな、南部鉄器かな。

 帰ってから考えよう。


「ミミリィ、この国に卵はあるの。」と言ってから、既にスクランブルエッグとか食べていたことに気づいた。

 

「鶏のですか、ありますよ。 ちょっと高いので頻繁には買えませんけど。」


「そうなんだ。卵は生で食べられるの。」


「食べられますよ。でもキチンと洗って無かったりするとお腹を壊すので、大体火を通して食べています。」


「ミミリィは、生卵食べたことあるかな。」


「何回かはあります。お腹壊すのが嫌なので、新鮮なものをよく洗ってからですね。」


「そうですか、この鍋は生卵がつきものなのですが、大丈夫ですか。」


「太郎様の料理には何の疑問も持たないので大丈夫ですよ。」


「了解、では楽しみにしててくださいね。」


 ミミリィと腕を組んだまま、散歩を兼ねて家に帰る。エステルグリーン家の別邸ではあるが、自分にとってはこの世界の本宅。つまり自分の家だ。ここに来て4日目で邸宅の主になってしまった。これからの人生が長そうだな。






 家に戻り、買って来た物を整理する。

 氷魔法で氷を作り冷蔵庫にしまう。(アイテムボックスに入れておけば劣化しないのだけどね、気分だから。自分が居ないこともあるから食料保存は大事。人数が増えたらこれじゃあ足らないから、将来的には冷蔵室を作らないだめなんだろうな。)


「さて、まだ夕食には時間がありそうだけど如何しましょうか。ご飯にする?お風呂にする?それとも寝る?」


「意味が分かりませんけど。太郎様が許して下さるのでしたら、膝枕をして下さいませんか。」


「ソファーでいいですか。あと、その前にパソコンで買い物してもいいですか。」


「パソコン? この前の機械ですか? 構いません。また、下着を買って下さるのですか。」


「もっと、セクシィなのをご希望ですか。」


「太郎様にだけ見せるのなら、そういうのもいいですよ。」


「今晩の為だけに、買っちゃいますか・・ではなくて、今回は、夕食用の鉄鍋とシラタキを買おうと思ってます。」


「今晩だけの特別、買ってくれるんですね。」夕食の話しているんだけどミミリィ聞いてる?


「では一緒に見ますか。」


「はい。」なんか嬉しそうだな。


 ノートPCをアイテムボックスから取り出し、PCを立ち上げる。前回の様にネット通販開いて、女性用下着を画面に出し、自由に選んでもらった。あれこれ探してミミリィはちょっと恥ずかしそうに「これ」と言って選んだのは真っ赤な上下セットだった。

 奴隷用の服や下着を相談したら、メイド服、下着は上下無地グレー、ブラはスポブラ。パジャマは無地グレーの上下、以上。と言われた。奴隷には厳しいのかな。

 一応、20人分をサイズ適当に振り分け2セットポチる。


 そのほかに、仕入れ用にミミリィが欲しいと思う物を色々選んでもらった。全部で色柄違いを含め200種類1000点くらいになった。 売れ残ったら不良債権と化すのだけど、どうする気なんだろう。


 程々で止めてもらい、食材をポチる。ミミリィには本物のグンマー産を食べてもらおう。国府白菜、原木シイタケ、下仁田ネギ、焼き豆腐、生いもシラタキをポチる。卵も箱で買っちゃえ。重箱と竹せいろも欲しい。一応竹箸と、竹トングも用意しておこう。ミミリィは箸使えないからね。取り皿もやっぱり和食器がいいけど、これからの利用頻度を考えると洋食器で代用するしかないよね。でも熱いものは磁器だと持てないから陶器の取り皿は一応ポチっておいた。無駄に散財している気もするが、一応先行投資と自分に言い聞かそう。

 



「さて、では膝枕タイムにはいりますかね。」


 3階に二人で上がり自分の私室ソファの左端に座ると、ミミリィさんが右側から倒れ込むように膝を枕にしてくる。


「頭を撫でてくれませんか。」


「いいですよ。」


 ミミリィは自分の太ももの頭をのせて大人しくなった。一言も発することはなく、ただ黙って膝枕をしている。頭を撫でる外はすることもないので、今晩の事を考えスマホでネット通販をして、めぼしいものをポチる。右手で撫で始めてしまったので左手スマホはちょっと勝手が違って難しい。左利きの人はこれが普通なんだろうけど、右しか使えない自分にはちょっと辛い。

 ストック用も合わせて、調味料を探してみる。めんつゆは正○家伝風味3倍つゆ、醤油は日本一○油、料理酒用に紙パック酒を用意し、味噌も買い足しした。砂糖は白砂糖はこの世界では無いだろうから三温糖にしたよ。



 1時間ほど、頭を撫でていたら満足したのか起き上がってきて、自分にもたれかかって来たので、肩を抱いてあげた。


「どうでした膝枕は。満足しましたか。」


「はい、とっても安心しました。小さい頃に侍女としてエステルグリーン家に来てからずっと一人でした。友達は直ぐにスヴェア達ができましたけど、頼れる大人の人って伯爵様とアンナリーナ様しかいいませんでした。

 だから、膝枕なんてしてもらえる人がいままで居なくて、淋しいときとか悲しいときいつも一人でした。頭を撫でてくれる人も居なくて「自分でなんとかしなくちゃ」とずっと気を張っていたのだと思います。でも、今は太郎様がいて膝枕してもらえて、とっても安心できて嬉しいです。なんか、嬉しくて涙が出ちゃいそうです。私、今とっても幸せです。もう少しこのままでいていいですか。」


「構わないけど、ちょっと冷えてきたから毛布を持ってくるね。ちょっと待ってて。」


「いえ、このままでもう少しいさせてください。そうしたら、そのままお風呂に行って暖めてください。」


「大丈夫?、風邪ひかないかな。」


「太郎様のぬくもりがあれば、大丈夫です。」


「では、もう少しこのままでいますかね。」

 上州鍋は俵萌○さんという方が考案したグンマー産食材を使用した鍋のことです。その後、標準化?のため「なんとかグンマー鍋検討委員会」みたいなのができて、その道の専門家の方々が検討したレシピは本人が考えていたものとは違っていて、「私は私のグンマー鍋を作って食べる」みたいなことがエッセイに書かれていたとオヤジがいっていましたね。ご本人がお亡くなりになってもう10年位になりますので、「上州鍋」という言葉もググってもあまりでてきませんね。


 なお膝枕中、私室は火魔法と風魔法起動してファンヒーター化して温めたので、寒さに打ち震える状態ではないです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ