33 4日目朝
朝、寝苦しさに目覚めると、目の前にフェリシアちゃんの顔があった。
あ、乗られているのか。抱き枕状態ね。昨日のミミリィさんと同じか、「やれやれ」降ろそうと背中に手を掛けたら、「あれ、着てない。」 え、如何したの。
まずい、ちょっと手をずらしてみたらそのままお尻だった。遣っちまったか。未成年だよな犯罪者確定か。天界は冤罪だったけど、完全に実行犯か・・・。
自分は?と思い、を確認すると上着がはだけていて、フェリシアちゃんの胸がそのまま乗っている。やばいと思ったが、パジャマの下は着たままだった。まだ一線は越えていない筈。ミミリィさんとの契約は担保されている筈。一部の異常もなさそう。 ちょっと安堵。
さて、どうしよう。流石にこれは起こさない訳にはいかないよね。しかたない。
フェリシアちゃんの髪をなでながら、「フェリシアちゃん、起きて」と囁く。
「う、うん。」フェリシアちゃんが目を覚ました。
「あ、おはようございます。太郎様。 おはようのキスをしてくださいませ。」
と、唇を重ねてきた。頭を押さえられてしまい、動けずなされるがままとなった。フェリシアちゃんを動かすには裸のフェリシアちゃんを触らなくちゃいけないから、手が出せない。
暫くすると、満足したのか
「太郎様分の補給、完了しました。」と、にこやかに微笑む。
「まず、降りてくれるかな。」
フェリシアちゃんが、名残惜しそうにごそごそと布団に潜り込むように降り、僕の右腕を頭に回し、腕枕にする。
「で、これは、どういうことかな。」
「あ、これですか。夜おしっこに起きた後、ベッドに戻るときに太郎様の寝顔が可愛くって、暫く眺めていたら、寒くなっちゃったので暖めてもらおうとしたんです。パジャマが冷え切っていたので脱ぎました。それで太郎様に抱きついたのですが、やっぱり肌と肌の方が温かいと思って、太郎様のパジャマを脱がしちゃいました。いけなかったですか。」
いえ、とても嬉しいです・・・けど、今はそうじゃない。
「だめでしょう。」
「夫と肌を合わせてはいけないのですか。」でも未成年だよね君。
「まだ、なってないでしょ。」
「こういうの嫌いなんですか。」
いいえ、お好きです、出来れば毎日・・・ て、違う。煩悩退散!冤罪じゃ無くなっちゃうじゃないか。
「意図していないことをされるのは、好みではありませんよ。」
「やっぱり、私では駄目なんですね。ミミリィや母上みたいでないと。やっぱり胸なんですね。ピチピチの筈なんですけど、」それは認める、反論はできない。
「いや、そういうことではなくてね。ま、いいです。誰にでもこんなことするわけでは無いよね。」
「当然です、私は太郎様だけのものですから、外の男に肌を見せることことすらしません。絶対にしませんから。太郎様だけですよ。」
「はい、分かりました。ではまず服を着てね。」
「着せて下さいませんか。」
「はい、駄目です。 大人になったら考えます。」
「え~、駄目なんですか。じゃ、下着は着ますからその先はお願いします。」
「それは夕べの事でしょ。」
「駄目なのですか、ではこのまま学園に行きます。太郎様が着せてくれないから、裸で衆目を集めて辱めを受けるのですね。悲しいです。」
「メイドさんにお願いすればいいでしょ。」
「この部屋にはメイド入室を厳禁しています。私と太郎様だけの世界ですから。なので、太郎様が着せてくれないと、裸にシーツ巻いてメイドを探して館内の廊下を彷徨い歩くんですよ。そうしろというのですね。」
「わかりましたよ。先ず、下着着けてね。でもさ、ショーツまで脱ぐことないんじゃないの。」
「気分の問題です。後ろ、ホックですか?を留めてくれますか。」
「あ、はい。」背中を向けたフェシリアちゃんの背中のホックを留めてあげると、そのままショーツを穿いて振り返る
「どうですか、似合いますか。」昨日も見ているんだけど。
「太郎様分を十分補給したから、ピチピチでしょ?」
「よくわからないけど、元気そうです。」
「今日は制服に着替えって、太郎様、まだ外が暗いですよ。」
「ちょっとこれから朝のトレーニングに行ってきます。フェリシアちゃんはまだ寝てていいですよ。」
「フェリシアとお呼び下さいといいましたよね。肌を合わせて一夜を伴にした女に向かって「ちゃん付け」はありませんよね。もう、子供ではないのですから。」フェリシアちゃん、目が怒っている。 でもまだ、オトナじゃ無いよ。自分もだけど(ほっとけ)
「あ、はい、フェリシア(以下フェリシアと呼ぶ)はまだ寝てていいよ。パジャマは着せてあげるから、制服はメイドさんに頼んでね。」
夕べと同じ様に、フェリシアにパジャマを着せてベッドに寝かしつける。
「子供じゃないんですけど・・・。じゃ、お出かけのキスをしてから行ってくださいね。」
「はいはい。」
おでこにキスして、出かける用意をする。
後ろでフェリシアがぶつくさ言っていたが無視する。
パジャマを脱ぎ、ジャージに着替え赤備六文銭ぐんまちゃんウインドブレーカーを羽織り、「さぁてと、ランニングから始めますかね。」と、廊下に出て玄関に向かう。玄関ではやっぱり約1名が待っていた。もしかしてストーカー気質? って、スヴェアさん震えているけど・・・何時から待っていたの?
「おはよう。では出かけよう。案内するぞ。」 スヴェアさん・・・唇、蒼いですけど。
早く動かないと、スヴェアさんが風邪引きそうだから、走り出す。
貴族街の朝は人がいない。誰もいない街をスヴェアさんと走る。相変わらず早いね。
貴族街を一周してから、屋敷に戻り柔軟運動に移る。
「かつぎあい」は構えてしまったが特に何も無く終わる。と思ったのはやっぱり甘かった。
「なぜ、私が第三夫人では駄目なのですか。」
「いや、だから降ろして。」
「なぜ、私だけ仲間はずれにされて、一緒にお風呂に行けなかったのですか。」
「う、ミミリィさん達に聞いてください。」
「どうして、ベルタより下位になるのですか。」
「う、だから、僕は知りませんよ。 こういうこと、するからじゃないんですか。早く降ろしてくださいよ。」本当に苦しいんだけど、ヤメテ。
「しなかったら順位が上がるのですか。」
「あ、変わらないと思いますけど。」 あ、振らないで、苦しいから。
「何をしても、太郎様は私に振り向いては下さらないのですね。」
「いや、それ苦しいから止めて。嫌いになりますよ。」
「私じゃ駄目なんですね。」やっと降ろしてくれた。
「駄目というか、スヴェアさんに魅力が無いわけではないですから。好き嫌いなら好きですよ。それ以上かと聞かれれば、今はそれ以上ではないです。この先は分かりませんけどね。」
「分かりました。」スヴェアさんは少し考え込むような感じだった。
「では、少し打ち合ってもらえますか。」
「はい、よろしくお願いします。」 一転して笑顔になった。すごく嬉しそう。
袋竹刀をアイテムボックスから取り出す。スヴェアさんは、木刀をどっかから持ってきた。
暫く打ち合ってみたが強かった。多分、剣聖スキルが無ければ全然太刀打ちできないと思う。というか秒殺というヤツだと思う。
身体が温まったので、「ではこの辺で」と切り上げ戻ろうとすると、スヴェアさんが走り寄ってきて、腕を組まれた。
「一緒に帰ります。」
「はいはい、玄関までですよ。」




