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31 貞操の危機?


 部屋に戻り、そのまま独りベッドに倒れ込む。 酒で上気しているのが分かる。一応ヒールを掛けて酔いを覚ましておく。(勿体ないからほろ酔い状態だよ)

 うん、どうしよう直ぐにフェリシアちゃんが「お風呂!」って言ってくるよね。

 このまま狸寝入り。バレるか。 テンプレの魔力切れ。お、いいかも。でも自分魔力∞っていってたよな。


『イヴァンネ様』


『なあに。 酔っ払っているみたいね。』


『さっきヒールを掛けたので少しは良くなりました。自分、魔力切れで昏倒とかにはなれないんですか。』


『貴方の魔力が切れるって、例えて言えば海を飲み干す位の比率よね。まあ、可能性はないわね。』


『擬似的に魔力切れに見せることは?』


『如何したの?、何かあった。』


『かわいい女の子と一緒に風呂に入ることになってしまったので、回避する方法が無いかと』


『回避? なんで? その娘嫌いなの?』


『可愛いです。好き嫌いかと言われれば好きだと思う。』


『じゃあ、何の問題も無いじゃない。』


『でもこの先その娘の一生とか。これからの自分の身の振り方とか思うと、単純にはいかないと思うんですけど。』


『他に、誰かいるの?』


『いいなと思った人はいます。』


『複数の女の子に好かれるなんて、いい身分だわね。』


『自分でも経験したことがない状況なので、寝たふりで先送りできないかと。』


『そうね、酔いも加わり、意識を失ったっていうのは良いかもしれないけど、その状況だと、明日の朝あなたのベッドに何人女の子が寝てるかしらね。』


『・・・・  分かりました、年貢を納めます。』  イヴァンネ様は帰っていった。





 風呂行きの用意をしていると、ドアがノックされフェリシアちゃんが入って来た。

「お待たせしました。太郎様行きましょう。」なんか、笑顔だ。


 立ち上がり、着替えとアメニティバッグを持ちドアに進むと、フェリシアちゃんが腕に搦まってくる。右手に着替えとアメニティバッグ、左手に美少女。じいちゃん達が言っていた、「女と銭湯に行く図」ってこんなのかな。よく分からないがまあいいや。

 廊下に出ると、伯爵とアンナリーナ様ではなく、ミミリィさんとベルタちゃんがいた。


「如何したの?」


「私達もご一緒します。」


「浴室までの案内? フェリシアちゃんがしてくれるから要らないと思うけど。」


「フェリシアとお呼び下さい。」フェリシアちゃんから訂正が入る。


「今日は3人とも太郎様に洗って頂いて、全員で太郎様を洗うことに決定しました。

 父上と母上は私達の後で、久し振りにゆっくり二人だけで入るそうなので、お邪魔しないことにしました。ですから、太郎様と合わせて4人です。」


「意味分からないのですが。」


「私達は、夕食時の暴言に対する代償を求めます。 タロー様に拒否権はありません。」ベルタちゃん如何したの。


「スヴェアさんは?」


「何故スヴェアのことを気にするのですか。スヴェアは暴言を吐かれていませんから不要です。」フェリシアちゃん強気。


「自称第三夫人(仮)は仲間はずれでいいんですか?」


「そんなにスヴェアの裸が見たいのですか。」 あ、まあ見たく無いこともないけど。


「いや、そういう訳じゃなくて、第一夫人(仮)、第二夫人(仮)、暫定第四夫人(仮)の3人で自称第三夫人(仮)をのけ者にしてよいのかと。」


「太郎様、今の言葉訂正を求めます。第一夫人(予定)、第二夫人(予定)、暫定第三夫人(仮)です。ベルタは(仮)ですが私とミミリィは(予定)ですから間違えないでください。(予定)は決定事項で、時期を待っているだけですから。それから、スヴェアの第三夫人は自称なので、数にいれないでください。」フェリシアちゃんが拘る。


「あ、そのへんはどうでも・・・・ よくないですね。はい。 でも、これって。」


「フェリシア様だけでは貞操の危機が有るかもしれませんので、ミミリィが監視役として、ミミリィも貞操の危機の可能性があるので、私、ベルタが監視役として着くことになり3名でお世話します。」


「貞操の危機 って言葉分かってなくないですか? 特にミミリィさんは貞操の危機って言葉が適当とは思えないんですけど?」


「太郎様の正夫人ですから、何があっても問題はありません。」 だよね。


「はあ。それの何処が危機なの。文脈繋がってないよね。」

 拒絶するなら此所に来ない方がいいし、混浴がいやならいかなきゃいいでしょ。よく分かんないよ。


「では、行きましょう」とフェリシアちゃんが腕にしがみついたまま急かす。


 ねえ、返事は無いの? ねえ、無視しないでよ。


 着替えとアメニティバッグはベルタちゃんにとられ、右腕はミミリィさんにとられたまま、浴室に向かう。 この館に来てから連行されている感じが強い。


 そして、浴室まで来てた。

 流石に伯爵家のお風呂だけあって、広い。 確かに使用人が一度に全員入るのは無理だろうけど温泉大浴場くらいあった。




 覚悟を決めた自分は、はにかむ美女3人の服を順番に全て脱がし、それぞれのいい匂いを堪能し恥じらいもじもじする3人を浴室に導き、自分が想像し得るあらん限りの事をやってのけ「へへ、やってやったぜぇ」と満足感にひたった。

 湯上がり後は風魔法と火魔法を使い3人の髪を丹念に舐め回すように乾かしブラッシングしてから、ミミリィさんとベルタちゃんに別れを告げ、フェリシアちゃんを自分の寝室までお姫様だっこで運んだ。

 と日記には書いておこう。




 部屋に戻り、フェリシアちゃんをベッドに降ろす。


「じゃ、寝ますかね。」


「はい、太郎様も早くベッドに入ってください。」


「はいはい。」 キングサイズのベッドに潜り込む。


「では、おやすみなさい。明日からの学校頑張ってね。」


「はい、頑張ります。だから今日は太郎様分をしっかり補給して置きます。おやすみなさい。」と言い、自分の腕を抱き枕にして目を瞑った。


 やはり、旅から帰ったばかりで疲れているのか、直ぐに可愛い寝息を立て始めた。

 顔が近すぎて、顔を向けられないけど、幸せそうに寝ている感じがする。

 フェリシアちゃんが完全に寝入って、身体を動かすまでこのままの姿勢でいるか。

 3日続けて女性と同衾なんて元世界では無かったし。

 というか、一度も無かったし。ここに来て良かったかも。

 フェリシアちゃん可愛いな。でも、ブラは外してパジャマ一枚ってあざといというか、夜はキツいのかな。そのお陰でもろに腕に感触が・・・。落ち着け自分、特に一部。


 暫くすると、寝返りを打ち、右腕が解放された。

 やっと寝られるかな。「ではおやすみ。」


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