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3 完膚なきまで

誤字修正及びグンマー弁補足しました


「すみません。『咎人に抗弁権はない』とおっしゃられましたが、弁護頂ける神様はいらっしゃらないのですか。」


「事は重大であり、全ての神の合議としておる。弁護神も既に合議に参加し有罪を承認しておる。よって、お前を弁護する者はおらん。」

 四面楚歌状態で、当然ながら孤立無援ってことか。裁判の体をなしてないじゃん。


「地球では、弁護人のいない刑事裁判は行えないのですが・・・・。」


「お前たちの世界でも、決して間違える事は無いから独裁が正当という輩がいると言うではないか。たかが人間ごときが誤ることがないならば、当然神が誤ることなどあるはずがなかろう。すなわち、本訴案の咎人に弁護は不要。 これ以上無駄な時間を費やす必要もなかろう。刑を告知し、裁きの場を終わらせようぞ。」


 だめだこりゃ。 仕方ないから自分だけで反論するのか。ま、いいや。


「異議あり! ちょっと待った。 最終弁論くらいさせろよ。」


「まだ、言いたいことがあると申すか。末期だからな許す手短にな。」


「では、本件ついて、私、間橋太郎は、全告発内容を否認します。本件は、『愛の女神』と『嫉妬の女神』が仕組んだ企みに、私が巻き込まれただけのことであり、『神殺し』は事実ではありません。」


 雛壇神様ズからの視線が痛いけど、2時間サスペンスを思い出し、弁護人を演じるぜぇ!(被告だけど)

こちらの理論立てとしては、

 ①イヴァンネ様は初めてのお使いらしい。

 一番旅先で「困る」ってお金がないことだよね。

 初めてのお使いで、お金落とした?、でも子供じゃないから落とさないよね?

 お金足らないのは「温泉巡り」して楽しんだんからか?

 初めての異世界旅行でテンション高く伝統こけしやキャラコケシなんかも買い込んで散財して使い込んで「うなとり弁当」が買えない?

 貸してくれそうな人に手当たり次第に無心して、その場にいた人達全員に断られる。そりゃ通勤途中でみたこともない人(とっても美人さんからでも)、朝一で「お金貸して」って無理だよね。

 最後に自分の所に来て「助けて」ってトラブルを自分に丸投げされた。

 そのまま天界に戻り、素直に使い込んで昼食準備が出来なかったことを謝ることもできた筈。でも、ここは「ひとまず逃げますよ」って、イヴァンネ様はスサン様が抱えて転移したってことか。(今日はこの辺で我慢してやるからおぼえてろよ。みたいな感じ?って、自分なにもしてないけど)

 

 ②天界についた時にはイヴァンネ様抜け殻「女神様の骸」だけだった。

 イヴァンネ様の魂はどこだ?消滅?神様がそんなに簡単に死なないよね、じゃあ魂はどこ?

 黒い物と一緒? でも黒い物って別の女神様(スサン様)が骸を運んだんだよね。

 スサン様が運んだ時点で既に魂はない?。じゃあ魂は地球? 浮遊霊ってか。

 でも、流石に神様だから浮遊霊はないよね。 じゃ、魂は何処?

 最後に触れたのは自分・・・だな。え、自分の中か? ってことで。


 お金の話のことは証拠書類があれば白黒ハッキリするよね、業務報告、出納帳補や領収証なんかも提出してもらえば確認できる。でも、イヴァンネ様の魂は・・・、骸に触れればもどせるか?

 確実な物的証拠はないから自分にとってはギャンブルだけど、一方的に言われっぱなしの冤罪は断固拒否するぞ。


「イヴァンネ様とスサン様の両名は、上級神である『愛の女神』の「初めてのお使い」として、『嫉妬の女神』と共に地球に顕現しましたが、帰還まで時間があるのをいいことに温泉県グンマーの名湯を巡り、堪能しその効能と旅情を満喫しておりました。

 その折、支給された旅費以上に各地で豪遊し本来職務である『昼食調達のための資金』まで使い込みました。帰還日の事件当日になり『鳥めし』が今回は『うなとり』であり通常の『鳥めし』よりも高額で、明らかに購入資金が不足していることを隠せなくなり、慌てた二名は「初めてのお使いの事故」として誤魔化そうとし、今回の事件を企んだものです。

 実際には『愛の女神』は死亡しておらず、魂は私の手を握った時に私の中に潜り込み現在も存在してます。私が黒い物が通り過ぎたと感じたのは魂を失った「愛の女神」の軀を「嫉妬の女神」が運び去るところであり、それを私は認識できず黒いものと感じた。

 すなわち、大型トラックは存在せず、『神殺し』は成立しない。黒い影が左から右に動いていたと認識したのは、現地から北側にある『岩神の飛び石』に転移したためであり、大型トラックが右側通行で路線バスをとおり抜けた訳ではないのです。

 罪を問うとすれば、この茶番を企画した『嫉妬の女神』と『愛の女神』に対してであり、私、間橋太郎は無実であります。」


 ビシ、と『判決の神』を指さす。 犯人はお前だモード

 ふふ、ドヤ顔がとまらん。こういうの一度はやってみたかったんだよね。


「このことについての証拠として、『資金の残額の確認』・『視察報告書』無ければその原稿及び資料と『領収証書』の提出。そして、私が『愛の女神に触れること』の承諾の3点を証拠として申請します。」


 雛壇神様ズがざわつき始めた。


「ティルダ、咎人の妄言に反論を。」


「資金の残金については、急ぎ帰還途中に紛失。また、報告書原稿及び資料・領収証等の書類についても同様であり、現存しないとの報告を受けています。神が嘘偽りの報告を行うことは考えられませんので、現地行動の確認は行っていません。すなわち、咎人の主張を裏付ける資料はありません。」


 経費報告って出張の基本だろう、しなくっていいのか。何なんだよ、神って。

 それに「人間ごときが誤らない」から神が間違えないって、間違ったらソコを辞める(させる)て「今いないから関係無い」と言って切り捨てて、無かった事にするとか、「名誉毀損だ」とか言ってうやむやにするヤツとか、結果としてそのときは誤りが表面に出ないだけで、「そもそも人間として間違っているだろうが!」っていう輩とか、「特大ブーメランが刺さっているけど、自分達はそれを認めない。キリィ!(というか理解する気もない、したら死んじゃう病)」っていう輩とかを引き合いに出すレベルって、いいのかそれで!神様!。


「報告書の提出は求めないのですか。」


「スサンも今回の事で精神的に不安定であり、現状では今すぐ報告書の作成を求める事は出来ない。よって、結審した後に求める予定である。」


 それじゃ遅いだろう。「神様って楽でいいですね。」と主張するが、全く相手にされない。


「これで結審であり、女神に触れることは許す。くれぐれもいかがわしい行為は許されんぞ。」


 この状態で、女神のちっぱいモミモミとかできるわけないだろ。煩悩退散。

 数歩歩き、棺の前に行き心の中で声を掛ける。


「『愛の女神』さん、聞こえているんだろ。 このまま出てこないと(グンマー風に言うと”きないと”)、自分が死んだら魂の居場所がなくなって、もう復活できなくなるぞ。

 これから手を握るから早く戻れ。チャンスは一度だけだからな。本当に死にたければいいけど、後5秒のうちに決めろ。」

 棺の中に手を入れ、胸の前に組まれている手に右手を重ねてみた。


「1、2、3、4、5」

 体の中から何か抜けてゆく様な感じがして、『愛の女神』の手がほんのり光った。

 このまま、手が滑った振りをして手をずらそうとしたら、「パッ」と目を開き、即座に手を撥ね除けられた。女神はそのまま上半身を起こし、「無礼者!」と、テンプレどおりの平手打ちを食らった。


「と、言うことなんだけどな、何か質問は。」

 頬に紅葉をつけて、ちょっと涙目になりながら振り向くと


「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」


「一応、僕の質問も聞いてもらったから、質問の時間を設けるよ~。」


「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」


「全会一致で極刑だったいね。 さぁ、この落とし前どうつけてくれるのかなぁ。

 自分なっからおこんじょだっから、ちっとやそっとじゃ納得なんてあんめぇ。

 まーずさんざっぱらおやげねーせっちょうしてくれたんね。

 なあ、『判決の神様』とやらよう。」

 上州弁で言ってみた。普段使わないし、間違っているかもしれないし、翻訳的に理解されいるか若干の疑問があるけど、まあいいや。


「まぁ、なんだいのぉ、先ずは責任者だいね。」


「責任者は居らん。」


「で、如何するんだい。」


「お前の『神殺し』の嫌疑は晴れたが、『愛の女神』の胸に触れ、いかがわしい行為をしようとしたことは万死に値する。よって極刑に処す。」


「ちっとんべぇ、おっこくっただけだんべ。しらばっくれたら、はっとばすか、おっぺすんだったんから、かんべんのぉ。」


「?・・・・」


 語彙がなさ過ぎて、言葉が続かないぞ。やめだ。もう少し医療人のためのグンマー弁講座を見ておくんだったな。


「分かんないか。そのまま狸寝入り決め込まれる訳にはいかないから、起こそうと思って、ちょっと押しただけだ。それでも起きなきゃ殴って起こすか、あーんなことでもして起こすつもりだったけどな。で、そんなご託はいいから、どんなふうに収拾を図るつもりなんだ。とっとと元の場所・時間に戻してもらうのは確定事項として、謝罪と賠償を求める!(ビシィ!!)」


「転移前に戻すことはできぬ。時間は戻らんし、既に元の世界ではお前は存在していないことになっている。『神殺し』の罪により我が創造神様が、かの地の神に要請してお前の痕跡は全て消去された。元に戻すことは不可能だ。稀にお前を強く記憶している者には違和感として残っているかもしれないが、先ず思い出すことはない。」


「戻っても最初から「存在していないこと」になっているのか・・。今までの全ては無かったことになっていて、戻っても居る場所はないのか。

 ま、未練がないというと嘘だけど、それほど拘っている訳ではないから後で考えよう。

 彼女・・彼女もいないしな。両親共に他界しているし、姉も嫁いでいるから諦めもつくか。姪の孝子の成長が見られないのが心残りといえば心残りだけど仕方ないとするか。

 じゃぁ、先ず、この『愛の女神イヴァンネ様』と、上の方で逃げようとしているのが『嫉妬の女神スサン様』か? 二人の処遇と、僕をどうするつもりか、その創造神とやらに聞いてみたいな。この世界の責任者なんだろ創造神って。

 それに、その創造神って、どうせこの茶番をどっかで見てるんだろ?」


 パチ、パチ、パチ。振り向くと、舞台袖からチャラいの出てきた。


 グンマー弁学習の基本は医療人のためのグンマー弁講座だいね。はサンプル音源付きでとても為にならいね。


 ちなみに、グンマーの”カ行変格活用”は、「き、き、くる、くれ、こよ(こ、こい)」と言われています。



 補足、群馬のこけしは伝統的なもののほか、龍玉、兎子、宇宙戦争等のキャラクターこけしもありますよ。

 ちなみに、イヴァンネ様は、伝統的なものやキャラモノのほか、伊香保、草津、水上、四万のぐんまちゃんをコンプリートしていた様です。


※グンマー弁 インタプリタ

「全会一致で極刑だったいね。 さぁ、この落とし前どうつけてくれるのかなぁ。オレはなっからおこんじょだっから、ちっとやそっとじゃ納得なんてあんめぇ。まーずさんざっぱらおやげねーせっちょうしてくれたんね。なあ、『判決の神様』とやらよう。」

 翻訳1(全会一致で極刑ということでしたよね。 ではこの落とし前は、どの様に付けて頂けるのでしょうか。僕はとっても意地悪ですから、ちょっとやそっとの説明では納得することなんてきませんよ。

 今までずっと、さんざん可哀想な位いじめてくれましたよね!『判決の神様』)


「まぁ、なんだいのぉ、先ずは責任者だいね。」

 翻訳2(先ずは、責任者を出していただけますか。(まあ、なんだいのぉは間投詞みたいなものらしいです。)


「ちっとんべぇ、おっこくっただけだんべ。しらばっくれたら、はっとばすか、おっぺすんだったんから、かんべんのぉ。」

 翻訳3(ちょっと押してみただけですよ。 それでもシラを切り通すのなら、ぶん殴るか、押し倒そう(エロい意味です。)かと思ってましたけど、お許し下さいね。)




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― 新着の感想 ―
[一言] 名演風に力説してるけど、最後に触れたから魂が入ってるって仕様に地球人が至る理由が分からない
[一言] 何を言っているか全く分からない、だから当然話の内容も分からない。 面白いのか面白くないのかも判断が効かない。 (括弧書き)などで標準語を追加するなり配慮が欲しい。
[気になる点] 『愛の女神』さん、聞こえているんだろ。 前後のくだりが重複しています。
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