274 馬車問答
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で、今、チャラいの(失礼)と2人だけで馬車に乗ってる。
昨夜のスサンの疑問は、ムフフな一晩で昨夜の記憶も含めてすべて雲散霧消させたからね。当分の間は大丈夫。(覚醒しないよ ね?)
朝食を皆で早めに食べて領都に向かって出発。
領軍となる第一師団は随時分団毎に出発していて、今残ってるのはエステルグリーン侯爵領への赴任護衛とブレーデフェルト領文官護衛任務を課したの第五分団だけ。
厩橋城に直行する文官護衛が主力部隊でエステルグリーン侯爵領経由は一分隊とういう構成で出発したのだけど、何故かルードヴィグ様と密室状態なんだよ。
そもそも途中から経路が違うから、同じ馬車じゃおかしくね?
「いや~。 ほらブレーデフェルト領政について家宰としては領主様と詰めておかなきゃね~。
だからさ、皆に遠慮してもらったんだよ。
フェリシア嬢とかマルディダ嬢は不満たらたらだったけど、アンナリーナ殿の「大人の話にはまだ早いわよ。 あとで太郎ちゃんに噛み砕いて説明してもらう方がいいわよ。」っていう一言で諦めさせていたからね。
まあ、イヴァンネの念話は制限できないけど。一応、”静かにしている様に”と言ってあるから邪魔はしないはずだよ。」
「そうですか。」(棒)
「まあ、時間はあるからさ、まったりと打ち合わせしようねぇ。」
「手短にお願いします。」
「だって、エステルグリーン侯爵領都まで7日あるんだから、まったりいこうよ。」
「従来の馬車ならそうですけど、今回の赴任は新型車両だから5日くらいですよ。それに、ルードヴィグ様は領都に行く必要はないですから、直接厩橋城に行ってお待ちいただければいいので4日も同行しませんよ。」
「途中で分かれるまでに概要を詰めて、その厩橋城で太郎君を待つ間に、高級官僚に施政方針を伝達して、太郎君の目指す政策実現に向けて調整とか問題のあぶり出しをしたりするよ。
その後で太郎君に戻して、疑義解釈とか対応方針とかを確認かな~。
合流後の港湾都市への移動中に実現性の検討と対応を詰めるからね。」
面倒くさそう・・・
「面倒くさそうなんで言わないでよね。家宰としてはご主人様の政策実現がお仕事なんだからね~。 一応、実務担当になる担当(神)の意見も聞く必要があるでしょ。」
「はいはい。」
「気のない返事だねえ。 まあ、いいや。 じゃ、施政方針から。 よろしく。」
「え、施政方針といわれても・・・。 まあ、領法は基本的にティヴァル王国法に基づいて、特別なことはしなくていいと思ってます。」
「ふうん。 領法としての特別法は定めないのかな?」
「何が特別法として必要か分かりません。エステルグリーン侯爵領の富国強兵とか産業振興とかは、まだ結果も出てないから、実効が上がっているかすら分からない状態なので、同様の施策が正しいかどうかわかんないですし、そもそも領民が居ない・・・」
「じゃ、いくつか確認していこうかね~。 税制はどうしたいかな?」
「領民からの徴税は、国準拠で。 足らない部分は、直轄事業で稼いで捻出するしかないですよね。」
「産業はどうする? エステルグリーン侯爵領と被らない産業を興すんだよね。」
「そうなんですけど、基本農林業、よくても軽工業くらいになると思う。」
「エステルグリーン侯爵領みたいな機械工業は興さないのかい?」
「辺境伯領ですからね。いつマゾーン帝国との戦端が開かれるか分からない所に機密の塊のような重工業は興せないですよ。」
「そうかなぁ。太郎君がいればマゾーン帝国の侵攻なんて鎧袖一触なんだから、問題ないんじゃないの。」
「僕一人じゃ長い国境線全部守るなんてできないですよ。(やればできないこと無いけど、基本殲滅になっちゃうから・・・)
前回はマゾーン軍の侵攻先を石倉城に集中させたから対応できただけであって、国境線全部を堅守なんて現実的じゃないですよ。
最悪の場合は、ウニ川の堰を破壊してエステルグリーン侯爵領に撤退だから、それを前提とした投資くらいしかできませんよ。」
「そういうことなら、基本的には農業振興から始めて、農産物出荷で収入をえる方向かな。じゃあ軽工業は何を考えているの。」
「まあ、繊維産業ですね。綿か絹製品、よくて製紙業位から始める感じかな。」
「絹織物かい? まあ、この世界にも無いわけじゃないけど。流通量は少ないから、産業としては悪くないかな。」
やっぱりグンマーとしては、養蚕業は必須でっしゃろ!
品種は「グンマー絹星」とか「新小石○」とかかな? 一代交雑だと品種管理できないしね~。
桑品種なら「繭と生糸は日本一」のグンマー産品種が豊富にあるから、気候対応できるものがあると思う。
養蚕技術は豊穣の神様達が考えてくれる?
あれ、通販扱いでも生物持ってこられるのかな?
とか熟慮中。 半分昨晩の反動の睡魔が・・・。
「なに? なにか考えていることあるのかな。」
「絹と言えば、元世界では”グンマー イズ ナンバーワン”だから。
マヤバシと言えば良質生糸の代名詞!」
「???」
「あ、いいです。 次行きましょ。
他の繊維だと 麻ですかね。 麻といったら岩島麻!。
綿といったら あれ何だろう?」
「綿や麻はこっちでもあるから、栽培できるかな。 毛皮関係も大丈夫。そう、牧畜も可能だと思うよ。 羊以外にも毛がとれる種がいたはずだから検討できるかな。」
「その辺はお任せします。」
「じゃ、その辺は担当部局と調整してみるね。 で治安はどうするつもりかな。」
「領民が流入した時点での治安は、領軍となる第一師団を分散配置して領地の治安に当たってもらうことになりますよね。」
「で、太郎君として、対応はどうするのかな?」
「基本 信賞必罰。火付、盗賊、殺人、婦女暴行なんかは”悪・即・斬”。詐欺なんかも厳罰主義で。」
「物騒だね~。」
「それ以上でもそれ以下でもなく勧善懲悪、一銭切、犯罪には性悪説対応でお願いします。」
「・・・。 ちょっとは大目にみてもいいんじゃない? 息苦しくなっちゃうよ。」
「領民教育は最初が肝心です。」 エッヘン。
「・・・。 まあ、領主の考え方だからね~。 でも、領民の民度は上げられるかもしれないけど、領外民が流れて来るから浸透は難しくないかねぇ。 それに恐怖で縛るのはあまり関心しないけど。」
「犯罪を犯さなければいいんです。 無知の軽犯罪は啓蒙に努めてもらうということで。それから、領外民犯罪者は原則死刑で。”死刑になりたくなかったら犯罪は起こさないこと”ということで入領を認める。」キリィ。
「過失による軽犯罪ってのもあるじゃない?。」
「その場合軽犯罪でくくれるものは、刑罰基準を領民×2の対応で。」
「それって、罰金刑だと領民は銀貨1枚だけど、領外民は銀貨2枚ってことかい。 懲役刑なら期間2倍。うーん 公平性に疑問があるけど、まあ検討してみよう。
だけど過激だね。 それじゃ交易とか望めなくなっちゃわないかい?
通常の商取引でも領民に「詐欺だ!」と冤罪ふっかけられれば”死刑”じゃあ商人達は来てくれないよ。」
「その辺は、創造神様のお力で「神の名の下の契約」みたいな? やつで対応してもらうしかないですかね・・・。」
ファンタジーのお約”束神様に誓う契約!”
「領民であっても、悪意をもって冤罪仕掛けたり、詐欺行為に及ぶ者は性善説に反するってことで原則死刑。」
「”商業の神の名の下”ってことかな。 犯罪とはいえないけど嵌められるってことあるよね。
まあ形骸化しない方法も含めて、実現性を検討かな。」
「よろしくお願いします。 じゃ。僕はこれで・・・」
「甘いな。まだまだ詰めることがたくさんあるのだから、中座禁止。」
「・・・」
「次ね。 インフラ整備の基本構想。」
「今は、港湾都市の確保と周辺農地の開墾が喫緊課題と考えてます。」
「まあ、そうだね。 その次のグランドデザインについてレクチャーよろしく、」
めんどいな~
「全体計画までは考えてないですよ。
港湾都市整備と新規領都の建設。それに幹線道路と馬車鉄道の整備
土壌改良とウニ川にダムを追加建設して用水確保して農業振興。
衛星都市建設って感じですか? 衛星都市は子供達に領主を任せる外枠を造るかな?」
「ほ~。 一応考えているんだねえ。」
「旧ウニ国って、南北に長い長方形の南西と北東を摘まみあげた様な形でしょ。水利は北東のウニ川から確保して西に流すしかないから、ウニ川にダムを複数作って確保。マゾーン帝国国境側はダム作って湖面を上げると簡単に侵攻される可能性があるから利水は難しいかなと思った。
それに、国土ほとんどが荒れ地で上物がない状態だから、開墾もそれほど労力を要さないで済むと思うので、水があればあまり手間を掛けないで開発可能かなと思ってる。」
「そうだね、確かに荒れ地。 マゾーン軍侵攻で焼き払われているからね。」
「いや、あれはマゾーン軍だけじゃないでしょ。 マゾーン軍が焼き払っただけなら根がまだ残っているはず。全然ないってことは元々しっかりした森林は無かったってことだと思う。」
「おー、ちゃんと見ているんだねぇ。 そうだよ、ウニ人は木を切ったら切りっぱなしで放置だから、表土流出して地味が痩せていたから、マゾーン軍の焼き払いは致命的だったね。」
「だから、そのままじゃ生産性を上げるなんて無理。 大量の肥料追加しないと無理ですよね。」
「その辺は地の神や豊穣の神に任せるしかないね。 で、次は領都かな。」
2月11日のブラタモリは前橋ですよ~。
2話の「岩神の飛石」が出ますよ。
以前沼田市(真田丸関連)でしたが、なんと前橋です。 地形的にはタモリさん好みではないかもしれないですけど、関東の華ですからね。 エッヘン
個人的には「岩神の飛石」の赤岩と「産泰神社」の黒岩 を対比とか、高崎聖石との関連とかもしてくれるとうれしいのですが、予告だとそこまで足は伸ばさないでしょうね。




