267 見せてもらおうか
私事多忙のため、文字数少なめです。
無事お披露目会(何のお披露目会だったかについては若干疑問があるが)は終了し、お客様には三々五々お帰り頂いた。
勿論、記念品という名のお土産はもとより、残っていたシュワシュワ日本酒(3種類)は、マダム達が当然の如く全てお持ち帰られました。
新夫人達には陛下達と一緒に帰ってもらいましたよ。
ちなみに、後で聞いたら彼女達は一般兵の兵舎じゃなくて、各国の「外交施設兼外交官宿舎」を兼ねた一角の「後方支援&広報担当用の寮」に住んでいる(普通にメイド付き)らしく、今日のドレスなんかは普通に自前だそうな。
これって、軍の機密情報ダダ漏れじゃないのか? 友好国だからいいのか?
まあ、前王の時代からの慣例らしいからしかたないか。 今後気を付けよう。
と、いうことで皆さんお帰りの後は本館に戻り「領地赴任に備えて独りまったりと鋭気を養おうかな」なんてことが許される筈もありませんでしたよ。はい。
先ず、入浴前に夫人・側室の前で新夫人達が馬車から降りた時のことで正座でしょ。
それから、入浴は辺境伯からサンスケさんにジョブチェンジして全員のお世話でしょ。(まあ、お世話もされたけど)。
その後今日の反省会という二次会があって好きなこと言われたい放題言われて、結局寝たのは日を跨いだ後なんだよね。
で、現在フェリシアとマルディダの二人が両脇から延ばした腕を腕枕にしてガシィってしがみつかれ、足も絡まされるている磔状態の平常運転中。
明日のことは明日考えるということで、素直に寝よ。
目が覚めたら、やっぱり昨日と同じ状態で磔&ガッシリホール状態だったけど、三人ともパジャマは着たままだったら何もされなかったみたい。
二人も疲れていたんだな。ちょっと可愛い。
で、そーっと腕と足を外して朝練に行きますかね。 と言うことでゆっくりゆっくりと腕を抜こうとしたら、やっぱり気付かれましたよ。
「おはようございます。太郎様。 で、何をなさろうとしているのですか。」
先に気付いたマルディダの声でフェリシアも目を覚ました。
「朝練に行こうかなと思って、腕をはずそうとしていただけだよ。二人もグッスリ寝ていたからね。起こしちゃイケナイかなと思っただけ。」
「新しく夫人が加わったから、『私達などどうでもいい』とか、お考えではないですよね。」
「ないよ。 昨日はやっぱり疲れたでしょ。 いつもなら夜の内に何かされていることが多い(毎回というかほぼ全部)けど、今日はふたりから何もされていない。その位疲れていたのだろうから起こさない様にしただけ。」
「「では、その言葉を信じて。おはようのキスです。」」って交互にされましたよ。
「一回でいいと思うんだけど・・・」
「ダメです。赴任してしまえば、その間『太郎様分補給』が出来なくなるんですから、いつもよりも倍して補給が必要なんです。
「・・・」
しばらくの間、何度かのボール回し状態を繰り返されて、やっと満足してくれたみたいで開放された。
「じゃあ、行ってきます。」
と、起き上がり、満足そうな二人の満面の笑みに送られ、ジャージに着替て玄関まで移動。
玄関では、ベルタと親衛隊(新夫人達)が待ってました。
「辺境伯様遅いです。 何なさっていたんですか。 もう、30分以上待っているんですよ。」と、開口一番リネーアに怒られた。
他の親衛隊も首を縦に振ってるし、ベルタまで尻馬に乗って非難の眼差しを向けられた。
「では、行きましょう。」と、近づき腕を取ったリアーネが「女の匂いがする・・・。」と一言。
「・・・」
「辺境伯様、私達を30分以上も待たせて、女と乳繰り合って出て来なかったということ。ですか。」 非難の眼差しが30個
「夕べは普通にフェリシアとマルディダが添い寝してくれたから、二人の匂いが付いただけでしょ。」
「リネーア様、私達には同衾した朝には『太郎様分補給』という至高のお約束事がありますので、フェリシア様とマルディダ様の残り香だと思われますので、お気になさらずに。
朝一番の『太郎様分補給』は、褥を共にした者だけの至高の権利ですから。」
「太郎様分補給ですか。」
「そうですよ、夫人・側室だけに許された究極の権利。生きていることの意義、生存するための必須要素です!。」
ベルタ煽るな。
「そうですか、では期待させて頂きます。」ちょっと、親衛隊の眼差しが訝しげ。
「でも、朝だけじゃなくて、遠征とかで会えない時間が長いときは、帰って来た時に皆にちゃんと補給してくれます。 私達はそれを糧に会える日まで頑張るんですよ。」
「同衾が必須ではないんですね。」
「同衾は『太郎様分補給』を占有する特権ですよ。
太郎様は優しいから減ってくるとちゃんと補給してくれますから大丈夫ですよ。太郎様に会えない日が続いて淋しくても私達みんな元気でいられるんです。」
「追々考えましょ。」とスルーしようとしたら
「私達も夫人ですから、至高の養分補給をお願いしましょうか。」
(「見せてもらおうか、至高の養分補給とやらを」ってか?)
「先ずは朝練に行かないと、時間が無くなっちゃうから ね?」
公衆の面前ですることでもないと思うんだけど
「いいえ、辺境伯様、時間につきましては問題はありませんよ。私達朝練のあとは、此方で朝食を頂き自室に戻って赴任の用意確認をするだけですから。」
「でもやっぱり、全員には時間が掛かるからね。 また後で。」
「じゃ、私だけ!!」ってベルタが飛びついてきて『太郎様分補給』を実演されました。
リアーネ他皆真っ赤になってましたよ。
「今日の太郎様分補給完了です!。」って、天真爛漫なベルタの満面の笑み。
しばらく時間が止まったあと
「辺境伯様、仰るとおりまたの機会にいたします。 私達にはちょっと公衆の面前では敷居が高い様です。」
リアーネ他、全員が真っ赤な顔してモジモジしているしね。
そうでしょ、そうでしょ。
「じゃ、またの機会に。ということで行きましょう。」と走り出した。




