228 女神様降臨
ちと、長文になってしまいましたので、二つに分けました。
「情勢が動きましたね。 エベスル軍は想定外といえば想定外。
まあ、義父様が自ら交渉に来られて戻られたばかりですからね。王都を空にしていることを考えれば、まあ可能性はあったというこですかね。
マルク=ビョルクグレーン第一師団副長、”お手紙”開封してもらえますか。」
「陛下からの命令書のことですな。 開けずに済むと思っていたのですが、まあしかたないですか。」
「 命令書
辺境伯の責に基き卿の判断を無条件で認む。 」
ってさあ、丸投げかい! 「命令」は発出済みって言ったよね。
「好きにせい」って命令なのか? 今までと同じじゃないか。
はいはい。分かったよ。
「では、出陣に向けて準備をお願いします。
構成は第一師団全軍、第四師団は半分を残し動きます。
今回は速度を重視しますので、騎兵主体で編成をお願いします。
歩兵部隊用には移動用試作車両を1000台、荷物用を500台提供しますので、歩兵部隊の同行は最大1万程度となります。
残存歩兵部隊についえ半分はウニ峠砦、半分は移動して渡河地点の守りとなります。
編成をまとめてください。1時間後再度協議しましょう。」
「渡河とは、ウニ川を渡るのか?。 王都とは反対側ですぞ。王都防衛に向かうのではないのか。辺境伯殿は王都を見捨てるというですかな。」
「王都は、大丈夫です。 問題ありません。」
「それは、どの様な根拠で。 ティヴァル王国軍は領民と王都の守護が本分。王都の危険を顧みず、ウニ国に逃亡など許されませんぞ。」
「逃げませんよ。 それに、逃げるなら領都の夫人達を真っ先に逃がします。」
「まあ、辺境伯殿にとっては、領民・王都よりも夫人達を優先させるということですか。」
「いえ、夫人達も領民には変わりませんよ。王都も同様です。ただ、今回は王都防衛に回るとウニ橋を再建させられもっと大きな危険を招く事になりますからね。」
「辺境伯には策があると。」
「まあ、部隊編成が完了したら改めて説明します。 今回は「兵は拙速を聞くも、未だ巧久しきを睹ざるなり」昔の人の諺ですが、架橋されて橋頭堡作られ長期の緊張状態なんてお金かかるじゃないですか。短期決戦してとっとと終わらせましょ。
只でさえ、「檄文」からズルズル長期化してきて、国庫も領庫も財政圧迫しているんですからね。」
まったく、ふざけんじゃねえよ。ウチ(当領)は金が無いんだよ。こんなことしてられないんだよ。早く産業起こして軌道に乗せないと、夫人達にお給料払えないんだよ!。
多分生活費の不足分は「正夫人会会計」という名のへそくりとか、妻達の実家からの仕送りとかでまかなって貰っている筈なんだよ。エレオノーラは言わないけど。
現状”エステルグリーン侯爵領代行”って言われているけど、実態として”私会計的”にはヒモ状態なんだよ。早く解消したいんだよ!!。
「渡河するとして、渡河地点はここではないのか。」
「説明は再協議の場でお話しますが、対岸に四万の兵ですからね、正面切って戦うなんて時間の無駄ですよ。
今は出陣を急ぎます。 準備をお願いします。」
と、一端終了して、自分の部屋にもどる。
『じゃ、そういうことで、"イヴァンネ様"よろしくお願いします。』
『「じゃ、そういうことで」って何よ、知らないわよ。』
『こっちの会話を聞いていたのかと思ってたけど。』
『言ったでしょ、太郎ちゃんが私の事を思わなければ分からないの。』
『いや、それ建前で本当は常に絶賛盗聴中で、あとは"イヴァンネ様"に任せておけばノープロブレムと思ったんだけど。』
『そんなこと分からないわよ。用件があるならちゃんと説明してよ。』
『やっぱりダメ?』
『当然でしょ!』
『じゃ、先ずアルベルティーナを保護したいので、僕の私室に本人だけ移して。』
『本人だけ? 侍女さんたちは?』
『本人だけ、侍女のお仕事はイヴァンネ専任でお願い。』
『なんでよ。保護だけだったら太郎ちゃんが結界張ってるのだから、領邸内にいる限り問題ないんじゃないの。それに、なんで私がお世話係なのよ。』
『侍女さん達が100%安全じゃないからね。
まだそっちには情報が行ってないかもしれないけど、エベスルが宣戦布告して攻めてきたんだよ。だから、今のアルベルティーナとカミラは敵国の王女が無警戒で領都でのほほん住んでるっていう状態なんだよ。
まあ、当初から仕えている侍女さん達は、アルベルティーナやカミラの信者ではあるけど、帰国同行予定の侍女達は・・まあ間者もいるしね。
ティヴァル王国としては敵国王女だからね、僕の正夫人とはいえ本来なら身柄確保が必要だし(普通は人質として確保するわな)、エベスルクーデター軍としては、現状王位継承権一位扱いのアルベルティーナとお腹の子は最優先の排除対象だし、反クーデター勢力にすれば一刻も早く手元に確保して、神輿にしたいからね。』
『ふーん。カミラ様は守ってあげないの?。自分の子が最優先で、身籠もっていないカミラ様は保護対象にしないのって差別よ差別。
身籠もってなくてもちゃんと守ってあげるべきでしょ。 そんな事言ってるとみんなの信頼失うわよ。 私も優先順位が下なのかな。便利な都合のいい女扱いなんで嫌だわ。』
『基本領邸内にいる限り安全だから・・・。カミラの侍女は元々カミラの護衛でカミラ信者だし問題はないでしょ。アルベルティーナの侍女達が束になっても問題ないし、逆に閉じ込めて保護したら怒るでしょ。逆に「私が信用できないのか!」って。』
『まあね。でもカミラ様だって女なんだから、やっぱり「愛する人に守って貰いたいって」いう感情はあるわよ。』
『それは、そっちに転移してから説明するから。』
『あ、そう。 じゃあいいわ。 アルベルティーナ様にもちゃんと説明してよね。』
『そうする』
『で、何があったの。ちゃんと現状を説明してよ。』
『対マゾーン対応で全師団が王都を離れている状態で、ヤンクロット国の援軍に向かうと思われていたエベスル国軍が北上じゃなくて南下、ティヴァルに宣戦布告して王都に侵攻中。もうすぐ国境を越えるらしい。進路は前回と同じでモナーオ平原経由だね。
で、ティヴァル王国、エベスルクーデーター軍、エベスル反クーデーター勢力がアルベルティーナを確保しようとするだろうから、守って欲しいんだよ。』
『クーデターって?』
『実態はまだ情報が入って来ていないから確定ではないんだけど、王都に戻った義父様は拘束されて第一王子が王権奪取!したみたい。
で、マゾーン帝国と協調してエベスルが空き巣狙いで王都に進行中って感じ。
想像するに、前回の南進で完膚なきまでにやられて、王子達は自信喪失して厭世的だから権力欲は薄かったと思うけど、それじゃ困る取り巻き達が唆して担ぎ上げたって感じなんだろうと思う。王子達が主体的に動く人間とは思えないからね。』
『で、戦力ってどの位なの?』
『前回と同じ6万位みたいだよ。』
『他人事みたいね。 王都には守備戦力無いんでしょ? なんでそんなに余裕なの。
早く戻って王都を守らなきゃいけないのじゃないの? マルディダちゃんもフェリシアちゃんも王都の本邸にいるのよ。スサンにエイラちゃんも。』
『まあ、そうなんだけど、こっちにも敵がいるからね。すぐの対応はね・・・・。
まあ、王都そのものは前回と同様に結界を張っているから、エベスル軍6万に攻められてもそんなに問題はない。多分、大丈夫。
王都の本館も結界は張ってあるから籠もってくれれば大丈夫。 多分。必要なら転移で迎えに行くからね。』
『あ、そう。多分なのね。 でも王都以外だって危ないのじゃないの? グンネルちゃんやエレオノーラちゃんの実家とか。』
『アンドレアソン公爵領もグランフェルト公爵領も城砦都市だから、領軍と立て籠もってくれれば、まあ大丈夫でしょ。それに、侵攻するエベスル軍も、途中でもたもたしていたら第一師団が反転するのが分かっているから、時間掛けないで真っ直ぐに王都を目指して通過すると思う。
だから王都以外はそれ程被害はないと踏んでる。 途中の農産物は奪取されるかもしれないけどね。』
『一応、対応は検討済みってことね。 で、私はアルベルティーナ様を保護すればいいってことね。』
『そう。よろしくね。』
『手段は問わないってことでいいのね。』あ、これ小悪魔的な笑いしてる時の声だ。
『まあ、いいですけど。お手柔らかに。』
『はい、はい。 じゃ、これから保護するから。
千里眼使えるんでしょ、見てて。声はこのまま念話継続中でいいわよね。』
竹卓太です。
文中季節はそろそろ盛夏を過ぎる頃で収穫期に入ります。国力的にはこの時期に軍を動かして収穫作業ができないのは不味いのですが、まあ一応米作地帯ではないので(厳密には秋だけが収穫期ではないので)軍を動かしています。
一応、その関係もあってマゾーン軍は南部方面(南部は米作農業をしていると想定している。)は出陣していないとしています。
グンマー的には、尾瀬は水芭蕉もニッコウキスゲもとっくに終わり、そろそろ紫の花が目立ち始め草紅葉向かう季節ですね。
群馬クレインサンダーズの本拠地移転の話が新聞に載ってましたが
群馬クレインサンダーズつおいです!(2部ではありますが)35勝3負勝率0.921って凄いですね(R03.02.14現在) 連勝は33で止まってしまいましたが、何なんでしょうかこの勝率は。
個人的にはバスケットボールにそれ程興味がないのですが、以前グレインサンダースの営業さんがサポーター勧誘に来た(自宅営業されました)になっておけば良かったかなと、今更ながらちょっと後悔。




