201 露天風呂再び
早朝エステルグリーン侯爵領邸に戻り、スヴェアと朝練して朝食というおきまりの日常。
だけど、今日は施策(といえるほどのものか?)説明から解放されたので、ちょっと早いけどエレオノーラ達を迎えに行くことにした。
一応3ヶ月位と言っておいたけど「アルベルティーナの計算が合わない」とか言われると可哀想だから迎えに行く。1週間くらいならずれても大丈夫でしょ。
ミミリィには家宰としてして留守番を頼み、スヴェア達にはそれぞれの仕事を任せた。
一人で行こうと思ったけど「ミミリィ様がいらっしゃるのですから「主人不在の領邸」にはメイド長は不用ですよね。」と宣言したイヴァンネと一応領主代行の外出なので護衛として10騎が同行する。(まあ、それほど護衛は必要はないのと、主人不在時の留守番ってメイド長の仕事じゃないのか?、家宰のミミリィがいるからいいのか?。)
ミミリイからは毎晩転移して戻り、業務内容の報告をする事が条件として付された。(まあ、側室と二人だけで外出(イヴァンネに言わせれば新婚旅行)なんて、無条件で許してくれるはずはないもの。 でも、移動するだけも業務報告が必要なんだろうか。ちょっと疑問)
馬車は試作品を線路用の車輪は外して使うことにした。(8輪じゃない4輪のショートバージョンだよ)
街道はここに来るときに整備してあるし、まだ路面の痛みも少ないだろうからリヤカータイヤのままで大丈夫だと思う。
試作品だから魔改造OKということで、石畳のゴツゴツ解消のため予定どおり客室キャビンとベースユニットの間にトーションバーのサスペンションをかましてみた。
一応リヤカータイヤとはいえゴムタイヤが付いているから、木製車輪よりもゴツゴツ感は無いし、サスが入るから乗り心地はいい筈。
今回はサスペンションだけでショックアブソーバーがないのでフワフワと揺れが収まらないけど、ゴツゴツよりも少しはいいと思うんだよ。
やってみてダメそう(減衰されずにずっとフンワカしたままなので、船酔い状態とか)だったら、改めて減衰装置を考えることにした。でも、ショックアブソーバーが出来る様な精度はこの世界では無理なので、何かそれに変わる方法を考えないといけないけど・・・。
朝食後、すぐに出発。
まあ、準備は事前にしてあるし、不足があったら通販で買えばいいから荷物は少なめで十分。アイテムボックスがあるから手荷物はほとんど不要なんだよ。
今回は試作車のテストを兼ねるので、領主代行の外出になるけど自分が御者をしたよ。
当然の様にイヴァンネはキャビンでなく隣に座り、ピッタリと寄り添ってきた。(馬車操作の邪魔なんだけど・・・)
で、キャビンの中は護衛の小隊の女生隊員二人と男性二人に乗ってもらい、乗り心地とかの確認を頼んだ。
ちなみに、御者席はベースユニットのままでサスなしのため、厚めのクッションで対応。(一応グンマー製造じゃないけどソルボセインのやつだよ、腰痛くなりたくないから。)
他にベースユニットだけの荷車も一緒に試験することにして隊員二人、そのほかに同行護衛の騎乗隊員4人が替え馬を4頭引き連れた。
急ぐ旅ではないし、盗賊に襲われる心配もしていないのだけど、最悪の場合は全員騎乗で逃げられるようにと人数分の騎馬が用意された。
まったく、ミミリィ心配性なんだから。
あ、荷車は護衛達の荷物とレール(3m位に切ったものだよ)と枕木が数本乗ってる。マテウス卿はレール見たことないからのサンプルとして載せた。あと鉄道用車輪も1セット載せた。それから荷物用サンプルとしてポチったお茶箱(実用試験を兼ねる)
それなりに重量物を載せたのは耐荷重試験を兼ねているからだよ、領都間の往復ぐらいで車両に問題が起こるようなら強度を再検討しないといけないからね。
道中は、来るときに整備した道はそのまま傷んでいなかったので、快適に走れた。
やっぱり、木製車輪の馬車に比べると、車軸に使っている軸受けベアリングで抵抗が少いのか、ゴムタイヤが影響しているのかわからないけど速度が全然違う。
お馬さんの疲れが少なくて済んでいるようで、一日の走行距離が来るときの2倍くらいになった。(まあ、道普請がないから早いのは当然なんだけどね。)
で、調子に乗って走ったので、丁度なにもないところで夜になり野宿となった と。
野営地は水の便を考えて川の横に設営した。
アイテムボックスに食材も調理器具やテントも入っているから問題はないんだけど、早速野宿(少しはベース配分を考えるべきだったかな)、まあいいよね。テントだったらイヴァンネに襲われることもないだろうし。
夕飯は、ウチではキャンプ(野営)定番となった、カレー雑炊(肉は平均に混ざるように挽肉だし、野菜類もサイコロ大で揃えた。今回は試食を兼ね押し麦で作ってみた。)だよ。
ちなみに昼食は、朝食当番が作ってくれたサンドイッチだった。
そして、女性隊員2名のキラキラした目に負けて露天風呂の設営もしました。温泉の素はいれてないけどね。
気温が上がって来ているし、空調のない馬車の中で蒸し暑いから汗もかくよね。馬上なら風が通るけどキャビンの中は風が通らないし可哀想だもの。
今日は人数が少ないから一つだけ作って順番に入ることにした。
夕食後「沸いたから、女性達が先に入って」と、女性隊員を呼びに行ったら「ありがとうございます。この前みたいに覗いちゃダメですよ。まあ、既に一度見られていますけどね。今度したら責任とってくださいね、一応私も貴族令嬢なんですから。」と、耳元で囁き、イヴァンネと連れ立って浴室に入っていった。
(う、バレてた。って、女性全員にバレていたってことか。領主代行としの立場が・・・。イヴァンネに誤解を解いておいてもらおうか。)
『ねえ、イヴァンネ』
『なあに?、ご主人様。』あ、これ絶対悪戯な笑顔している声だ。
『この前露天風呂作った時に、覗かれないようにちゃんと目隠し出来ているか確認した時に、たまたま入浴中だった彼女達と目が合っちゃったんだよ。そのときちゃんと皆に説明したよね(正座付きで)。
でも彼女達は「僕が覗いた」って思っているみたいだから、誤解は解いておいて欲しいんだけど。』
『なんだ、そんなことなら大丈夫よ、翌日ミミリィ様が同行女性全員に謝罪していたから。みんな許してくれているわ。』
『・・・』
『「露天風呂の構造確認をしただけで、覗きではないと言っていましたが、貴方方が魅力的だったから、魔が差したみたいです。済みません。」って謝罪してたわよ。
そうしたら、「代行様だったら覗かれても構いませんよ。でも、今度したらちゃんと「責任を取って」下さるようお伝え下さい。」だって。』
『魔が差してじゃなくて、目隠しの確認を・・・。その話ミミリィから聞いてないけど。』
『ミミリィ様は太郎ちゃんが同じ過ちは繰り返さないって信じているのよ。他の夫人や私達もね。だから、態々言わなかったんじゃないの。初めから太郎ちゃんの「趣味」だとわかっていたら太郎ちゃんに言ったでしょうけど ね。』
『趣味じゃないよ(多分)、あくまでも構造確認したんだよ。実際入っているところで確認しようとしただけだよ。』
『はいはい、謝っておくわよ。それから、私と一緒だからって覗いちゃだめよ、覗くなら私だけの時にしてね。』
『そんなことしません。今回も基本構造は前回と同じだし、前回で覗けないことは確認できたから、再確認は必要ないから。』それに、イヴァンネは覗かなくったって、普通に混浴したし「ホラホラ」とかやって見せてたじゃん。
女性陣入浴後は男性陣に入ってもらい最後に自分が入り、入浴後はちゃんと土魔法で更地に戻したよ。
護衛に見張りを頼み、テントで就寝。普通の薄いテントで寝袋だからイヴァンネに襲われる(襲う)こともなく無事朝を迎えました。
『結界張って防音・気配遮断すればいいじゃないの!』と言われたけど、野営だから見張りが立っているから、「領主代行テントが無音で人の気配なし。」なんて不自然だからね、なんとか宥めた。だから添い寝だけだよ。
朝食は「師団メシ」だったので、翌日からはちゃんと宿を取ることにした。
うん・・・師団メシを見るイヴァンネの視線がとっても痛かったからね。(新婚旅行中のご飯じゃない!って。新婚旅行で師団メシなんかされたら、即時離婚っていわれるよ!。もっと大事にしてよ!。 って。)
その後は、宿に泊まれる様にペース配分をキープしてアンドレアソン公爵領邸に到着。
エステルグリーン侯爵領の寂れっぷりはマダマダ解消にはほど遠いけど、来た時よりも街に人が出ていたことと、多分アンドレアソン公爵領に避難していたであろう婦女子達とすれ違ったこと、領境の荒れ地も農民が農作業を始めているのが確認出来たこと、宿の食事も保存食でない食材が出てたことを考えると、段々本来の生活に戻って行くのだと思う。
ちなみに、二人だけで宿に泊まったといっても、毎晩イヴァンネとのムフフでエキサイトな夜を過ごしていたわけじゃないからね。許可条件を履行するため、領都に転移して業務報告したり、アンドレアソン公爵領に行き迎えの準備を頼んだり、王都に行き閣下に報告とフェリシア達への太郎様分供給というお仕事もしたんだよ。だから夜遅くなることも多かったから、夜な夜なムフフな夜を過ごした訳じゃないからね。壁も薄かったし・・・。
そのせいでイヴァンネからは「新婚旅行なのに、何で他の女の所に行くんだ!。信じられない!」という、恨み言を言われ続けたけど、仕方ないじゃん。
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
PVが群馬県の人口 1,936,343(R01.1201現在)を超えました。
計算上は群馬県民1人が1ページ見たという数ですよね。
ありがとうございました。




