19 追加販売
部屋に戻ったが、嫌な予感しかしない。
風呂上がり、全員で着替えるよね、そうするとミミリィさんとスヴェアさんだけ下着が違うよね。ついでに、ミミリィさんはパジャマも着てる筈。絶対凸があるよね。
こんなこともあろうかと、さっき念のためポチって置いたのが役に立つか。
サンプルが終わっちゃうとはっきり伝えてよう。
気配感知に全員の移動が掛かると、ドアがノックされてパジャマ姿のミミリィさんが入って来た。
「太郎様すみません。お時間よろしいでしょうか。」
「なんですか。」
「申し上げにくいのですが、サンプルをお譲り頂けませんか。」
ま、当然そういう話になるよね
「下着、バレちゃいました? というか、一緒に着替えればバレますよね、ついでにそのパジャマも。」
「はい、お嬢様達がどうしてもとおっしゃるので、お願いできませんか。」
「サンプルだし需要があることが確認できるのでいいですけど、サイズを測らないといけませんがいいんですか?」
「はい、了承して頂きました。」
「お嬢様達 って もしかして、全員?」
「はい、4名分になります。」
ミミリィさんが皆を呼びに行くと、皆嬉々としてして部屋に入ってきた。
3種類をテーブルの上に置き説明する。
「先ず一つ目、僕は男ですが、僕の前で下着姿になってもらい測定します、いいですか。 二つ目、僕の手持ちサンプルは3種類しかありません。これが手持ちの3種類です。いま、1番目ミミリィさん達が付けているものと、2番目ちょっとカップが小さめなもの、3番目動きやすさを重視したものです。ぶっちゃけて言うと、胸の大きな人には1番目、そうでも無い人には2番目、それ以外は3番目となります。測っていないのではっきりはいえませんが、どんな結果になっても文句は言わないで下さい。
それから三つ目、サンプルなので手持ちはあまりありません。なので、ご希望に添えない場合がありますがよいですか。」
みんなの目がキラキラして釘付けになっているが、確認して了承してもらう。
では、ここではなく別室で脱いで、下着姿で来て下さい。
「それから、ミミリィさん、フェリシア様の下着姿を見ても罰とかないですよね。」
「いかがわしい事をしなければ、極刑はないですよ。 それに医師に体を見られたからといって気にする人はいないでしょ。」
「はぁ・・・。極刑がないだけなんですね。」
鑑定で知っているから、わざわざ測らなくてもいいのだけれど、鑑定したことがバレる方がマズイもんね。諦めよう。
「それから、ミミリィさん。みんなに説明するのにミミリィさんの体を借りていいですか。」
「え?どういうことですか。」
「上半身裸になってもらって、ブラの付け具合をみんなに見てもらいます。 多分そうしないと納得してもらえないと思うので。」
「触ったりするのですか。」
「はい、それはもう丹念にさせて頂きます。皆の前で。」
「分かりました。」うつむくミミリィさん可愛い。
スヴェアさんは、物欲しそうにミミリィさんのパジャマを見ている。
了承を得た所で、4人が戻ってきた。みな、キャミソールにひもパンだった。基本この国の下着はこれだけなんだな。だから羨ましいんだ。
後ろを向いて、順番にキャミソールをたくし上げてもらう。手を回すのはミミリィさんにしてもらい、目盛りを読むのは自分でする。ミミリィさんには数字が読めないからね。
ひもパンだけの背中の美女4人が目の前に居るって、体の一部が指揮下から離れそうで危険だ。ミミリィさん早くして。なんとか要前屈み前に終わり、誤魔化せた。
結果としては、カロリーネさんがフルカップでなんとか、フェリシア様とベルタちゃんが寄せブラ、アルヴァちゃんはスポブラの方が・・・という感じだ。
「これはブラジャーといいます。女性の胸を綺麗に保ったり綺麗に見せたりするものです。売り物になるかと思ってサンプルで仕入れただけなので、あまり詳しくは無いですが説明します。
これはフルカップブラジャーという物で胸の大きな人のおっぱい全体を包む感じのものです。次に、これはハーフカップブラジャーといって、胸の下を押さえブラに胸を乗せる感じのものですが、これは横からも押さえて胸の谷間が強調出来るようになっているものです。最後にこれは胸全体を押さえ、動きを邪魔しない様にしたもので軽くて動きやすいものです。」
皆、興味津々で説明を聞いている。
「じゃ、ミミリィさんちょっとこっちに来て下さい。で、脱いで。」
「あ、はい。」 上半身ブラだけになってもらう。
「では、今ミミリィさんはフルカップを付けています。このカップの線の中におっぱいが入っています。ぴったりでしょ。」
後ろに周りホックを外す。
「外すと、下に引っ張られてこんな感じになります。それでこのおっぱいの下の線とブラの下の線を会わせる感じで包みんで、揺れたりしないで綺麗な形を保つ事になります。」
後ろを向かせてブラをはぎ取って、ハーフカップに付け替える。
「次に、こちらのブラは、下だけのカップにおっぱいが乗る感じになります。ミミリィさん位ある人が付けるとこんな感じになります。すごく大きい感じがするでしょ。この2種類と、動いてもしっかり押さえられるように出来ているスポブラ、まあ筋肉質の人でおっぱいがあまりない人向きになります。
ミミリィさんそれ、欲しければ売りますよ。」
「ベルタちゃん、ちょっと試してもらいたいんだけどいいかな。」
ベルタちゃんにキャミソールの上からフルカップを付けてみる。
「例えばね、さっきサイズを測らせもらったでしょ。フルカップのサイズが合わないとこんな感じにパカパカになっちゃうんですよ。それからねサイズに会わせると全体が薄っぺらくなっちゃう。そんな時は、こっちのハーフカップにすると、下と横から寄せて上げるので、胸が高く見えほら大きく見えるでしょ。 どう?」
何も感じていないように自然に振る舞い、ミミリィさんの胸を触りながら説明する。ベルタちゃんはキャミソールの上からあまり肌に触れない様にした。そして、心臓バクバクは気づかれないよう平静を装う。
「で、僕の結論ですが、みんなハーフカップがいいと思うのですがどうでしょうか。サイズ的には、カロリーネさんはフルカップでもいいかもしれませんけど。」
一応、納得してもらい、ハーフカップにしてもらった。フェリシア様が水色、ベルタちゃんがピンク、アルヴァちゃんがレモン色、カロリーネさんは何故か黒を選んだ。
各自お持ち帰り頂き、試着会は各部屋でしてもらう事にしたが、「私はパジャマが欲しい。」と、スヴェアさんが言い出したため、結局全員が「お買い上げ」となった。
その後、お代は明日。それから口外はしないことと、サンプルなのでもう無い事を念押しをしてお引き取り頂いた。
うん、疲れた。これ、やっぱりコミュ障童貞がやる仕事じゃないな。自分一人の営業では女性下着販売業は営業品目候補から外そう。
脱力していると、ふとミミリィさんが残っているのに気づいた。
「どうしたのですか?」
「危険なので、スヴェアと変わりました。それで、太郎様」
「はい?」
「私の目の前で他の女の胸を触るというのは、どう言う了見ですか。」
「フェリシア様のサイズでは『ミミリィさんと同じ物はダメですって』、角が立たないように説明するのに、サイズが近いベルタちゃんで説明しました。 直接触れない様にキャミソールの上からにしたのですがダメでしたか。」
「はっきり言って、いい気持ちはしません。今回はフェリシア様の希望だったから許しますけど次はありませんよ。もし、どうしても触りたいのでしたら、私に言って下さいいつでも自由にしていいですから。」
「何か、『彼女』に怒られている感じがするのですが。」
「当然です。私の初めての人になるの人ですから。それから、スヴェアも私も『彼氏いない歴=年齢』ですけど、太郎様は私のものです。スヴェアには絶対渡しませんから。」
「あ、はい。今日は寝ましょ。」
何か、厄介なものに自分から入って行った気がする。
ベッドに入ると、ミミリィさんは直ぐに隣に来て、自分に抱きつく。昨日は腕が抱き枕だったのに、今日は完全に身体全部が抱き枕になってしまった。顔が近い。
ふと、ここで「今日の美少女のひもパン後ろ姿」なんかを想像していたら、ミミリィさんに殺されそうだな。
「太郎様」
「なんですか。」
「私の初めてです。」
と、言ってミミリィさんに唇をふさがれた。自分だって初めてだよ。って、混乱していたら。
「他の女のこと考えちゃだめですよ。」と、微笑まれた。
あ、ばれてる。 寝よう。
ちなみに材質はグンマー産シルクではなく、大手メーカー製の化学繊維使用です。パジャマも普通のコットン製です。 主人公にもう少し知恵があれば、シルク製で”高級品”とぼったくれたのに。でも、この世界では化繊の方が希少性が高いかも知れません。