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177 カミラ


 寝室までの間カミラは自分の後ろを着いてきた。腕を絡めてきたりはしなかったよ。


 私室に入り「酒精があるものを何か飲みますか?」と聞いてみたが、「・・・」下を向いたまま何も言わなかった。


「じゃあ、酒精はやめて牛乳でも飲みますか?」と「グンマーのうんまい牛乳」をコップで出した。


「ありがとうございます。」なんか、カミラがモジモジとして、とってもしおらしいのはなぜ?。

 特にというか全然話がすすまないまま、二人とも飲み終わった。


「じゃあ、寝ますかね。」と、誘ってみたが「はい。」と一言呟いて下をむいたまま頷くだけ。


「気が進まないなら、自室で寝ていいんだよ。」そうすると、自分としても広いベッドを占有できるし。


「いえ、そういうことではないです。」


「じゃ、寝ましょう。」と言うと、寝室に移動するとさっきと同じで後ろを付いてきて、そのまま、ベッドの反対側に入った。


「じゃ、おやすみ。」他の夫人達の時と違ってベッドの両端って、なんかミミリィとの最初の夜みたい。





「あの、太郎様。」と、遠くから声がする。


「なに?」


「太郎様はどうしてエベスル軍を無傷で返したのに、ルグミアン帝国軍とは戦いウニ国軍は殲滅したのですか。」


「知りたい?」



「はい。エベスル軍に代わり私が売られたのかと思っていましたから、理由が知りたいです。」


「君とエベスル軍6万を天秤に掛けたりしてないよ。6万と同価値だと思ってないからね。勿論君の方が大事だよ。」


「では如何して。」


「エベスル国とは事実上の停戦状態だっただけで、終戦していたわけでないから攻めてくることは、まあ仕方ないよね。今回は南北両面戦だっただからねどちらか一方にいつまでも構っている訳にはいかないじゃない。

 僕の担当は北部戦線だから、こちらをさっさと済ませれば戦力を南部戦線に向けられる。先に戦端を開いた方を収めれば良いだけだからね。

 例えば、まともに戦って殲滅したり、まして追撃してエベスル本国まで攻め入るなんて時間がかかるから、戦わないで済めば楽じゃない?お互いに消耗がないから。

 戦うとどうしても死者や怪我人が出るから、北方軍の南部戦線への反転が遅くなる。

 だったら、素直に帰ってもらうのが一番。死者が出たら死体の処理が必要だし戦意も落ちるからね。まして「徹底抗戦!」とか、分散して「ゲリラ戦」なんてされたら直ぐには反転できないから、とっととお帰りいただきたかっただけだよ。

 一応は停戦の担保を取った方が安全かと思って保険を掛けただけで、人質はカミラじゃなくても良かったんだよね、例えば総司令官の第一王子だってね。本当は。」


「誰でも良かったんですね。」


「まあ、本音を言えばそう。」


「では、何故私だったのですか。まさか「最初に捕虜にしたから」なんて言いませんよね。」


「実を言えばそう。まあ、カミラは可愛いし「エベスルの戦姫」の武の象徴だそうだから戦意を喪失させるのには一番有用だと思った。終戦後政治的な駆け引きるすなら総司令官の第一王子と交換する方が有用なんだろうけどそういうの得意じゃないし、それに、折角捕虜にした可愛いカミラを返して、代わりに第一王子を捕虜になんて面倒臭いじゃない。」


「あ、そうなんですか。私を選んでくれたのではないのですね。」


「だって、何かしようとするわけではなかったから、初めて会ったカミラに何も含むところはないよ。」


「そうですか・・・。では、なぜルグミアン帝国とは戦ったのですか。」


「あれは、僕が総司令官ではないから、総司令官の指示に従っただけだよ。もし、僕が総司令官だったらエベスル軍と同じで出来るだけ戦わない方法を選んだかもしれない。」


「では、ウニ国は?」


「ウニ国はもともと交戦状態じゃないからね。ウニ国軍は宣戦布告もせず、ティヴァル王国に無断で国境を越えたからね。扱いは正規軍じゃなくてただの盗賊団とかテロリストの扱いだから。殲滅は当然でしょ。」


「でも、軍ですよね。」


「軍だったら余計でしょ。間違って入国しちゃった盗賊団なら、直ぐに出て行けば少しは考慮の余地があったかも(まあ、裁判を受けさせてあげる位のことだけど)、指揮系統が取れている集団だから入国(まあ侵略だよね)の意図がハッキリしていたんだから当然でしょ。

 それに今日聞いた話では、この国の法では密入国者は無条件死刑(ウニ人に限る)だからね、問題無いでしょ。」


「・・・。今日の潜入兵もですか。」


「そうだよ、今日はこの国の法に則り領主代行としての責務を果たしただけ。それ以上でもそれ以下でもないよ。」


「でも、エベスルとの戦の様に、雷魔法で行動不能とか奴隷化という事もできたのではないのですか。」


「我が国の民も居たからね。全員相手ならできるけど、流石に領民以外だけっていうのはコントロール出来ないよ。」まあ、敵対の赤マークだけって可能かもしれないけど、メイド長達みたいに領民でも敵対意思満々っていうのもいるだろうし。


「そうですか。その件については分かりました。では、改めて今の私は太郎様への人身御供ではないのですね。」


「勿論。人身御供ではないよ。それに本当はアルベルティーナと一緒にお帰りいただくのが一番良いと思っていたからね。」


「今でもですか。」


「まあ、君達が望まないのなら添い寝なんてしないで、此所に暫く留まって国王様が帰国する時に一緒に帰っても何の問題もないよ。後で僕は国王代行様にお詫びが必要だけどね。」


「太郎様は、私が夫人になるのは望まなかったのですか。」


「カミラが魅力的かどうかとかという話ならば、とても魅力的な女性だと思う。何もなくて目の前に君がいたらどうしたかと聞かれれば、「撃沈覚悟で告ってたかも。」と答えると思う。」


「迷惑ではないのですね。」


「どちらかというと、10人以上の正夫人を侍らせている「不潔・変態・スケコマシ・女性の敵」と言われてもおかしくないのに、「それでもいい。」と言ってくれているのだから、カミラが良いならウェルカムでしょ。」


「そうですか・・・。では、そちらに行っていいですか。」


「駄目と言っても良ければ、試しに言ってみたい気もするけど。」


「そのようなことは正夫人として許しませんよ。私の大事な旦那さまなのですから。」

 と言い、カミラが抱きついてきた。


「如何したの。」


「私は太郎様の性奴隷として捕虜とされ連行されて来たのだと思ってました。私は太郎様への人身御供・・・私の貞操はエベスル軍6万の命の引き替えだと思ってました。拒むことは我が兵と我が国の死。貞操を穢され辱めを受け続ける日々を覚悟はしてきたのですが、違ったんですね。

 ティヴァル王国に来てから全くそういうことはなくて、軟禁さえされない。どちらかというと太郎様は私を遠ざけていました。

 そのうえ剣は「児戯に等しい」と言われ、性奴隷にされたのに今日までずっと夜伽も遠ざけられていましたから、今日も他の者を選ばれたら、私のプライドはズタズタですよ。だから今夜は離しませんよ。」


「もともと性奴隷じゃないんだけど・・・。はいはい、では寝ましょうね。おやすみ。」と、覆いかぶさってきたカミラを抱きしめて、頭を撫でていたら


「太郎様、姉上のことよろしくお願いします。」


「アルベルティーナも大事な僕の夫人だよ。勿論」



「姉上は夫人の中でも年長者ですし・・・。元の我が国、今は太郎様の国、ここティヴァル王国が私の国ですからね。 は、父上が戻ったら後継者問題が再燃すると思います。

 父上はエベスルをティヴァル王国に合併する方向で考えているみたいですが、あの「プライドだけは高い」兄たちが納得するかは疑問です。

 父や太郎様が望む民の安寧を考えれば、聖女である姉上と他国軍の指揮官でありながら国民から全幅の信頼を受けている師団長代行である太郎様のお子が継ぐのが最良の選択だと私は思うのです。私も太郎様のお子を欲しますが姉上に先んじることは無用の軋轢を生みます。どうかエベスルのためにも、姉上のことよろしくお願いします。」


「鋭意、努力するよう心がけます。」


 まあ、貴族としては次代継承は重要な役目だし、親達もそれを想定の範囲内として夫人として送り出したんだろうしね。目下の所は領主代行と種馬が現在の役目だからね・・・。 でも、これハーレム・・・なんだよね? なんか違和感が・・・。


 まあ、当座、今の仕事割振だとアルベルティーナが一番暇そうだから順当にゆけば、最初に産休に入ってもらうのが一番なんだろうな。


 そんな事を考えていたら何時の間にか意識を手放していた。


 やっぱりグンマーで牛乳といえば、学校給食で慣れ親しんだ”グンマーのうんまい牛乳”ですよね。

(すみません、東毛方面は”みんなの給食牛乳”かもしれませんが。)

 少し前に製造ライン改修?で製造できなくて違う牛乳になったらしいですが、「ちがう! 早く元に戻して欲しい。」と親戚の中学生は言っていたことを思い出しました。



 ちなみに、グンマーの生乳生産量は、全国第3位でした。1位は当然ヤーレンソーランホッカイド~で桁が違いで全国の生産量の半分以上です。2位は他称ライバルのトッチギです。

 で、グンマーはこのたび、くまモンに抜かれて4位後退です。(>_<)


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