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144 お迎えが来ましたよ

 屋敷の点検が済んで、「夕食の買い物に行って来る。」と家を出ようとしたら捕まった。


「ご主人様、私は此所にいてもお役に立てませんから、御一緒しますわ。」って、一番言って欲しくない人から声が掛かった。


 イヤイヤ、捕虜にした敵国の王女と王都の街中を買い物って無理だろう。それもメイド姿だよ。

「性奴隷の仕事もさせず、放置されている身にもなってください。太郎様は私の保護がお役目なのですから、気分転換もさせていただきたいですわ。」 だから、性奴隷じゃないって。


「あ、はい。でも護衛もいませんから。」


「6万の敵を相手に出来る世界一の護衛と買い物だから大丈夫ですよ。心配はしていませんわ。」そういうことじゃなくってね・・・。


「万が一何かあったら、国に迷惑が掛かるんですけど。」


「大丈夫。大人しくしてますから。ね。」

 君じゃなくて回りが何かしてくるってこともあるんだけどな。


「はいはい、分かりました。でも、危なそうだったら直ぐに帰って来ますよ。いいですか。」


「勿論、ご主人様の命には従います。性奴隷ですから。」

 だ・か・ら、性奴隷じゃないって何時もいってるのに。


 仕方ないので、アルベルティーナ様を連れて商店街を散策するが、当然、「性奴隷ですから。」と、腕を絡めべったりと寄り添ってきて、腕を胸に押して受けてくる。

「手繋ぎにしてください。」と、伝えると、「やっぱり肌が触れあった方がいいのですね。ご主人様は。」って、なんだこの面倒くささは。


 あまり意識を向けない様に淡々と買い物を続けていると、やっぱり居ましたよ、王女奪還班。でも、気配関知では赤点じゃなかったんだよ。だから接近を許したんだけどね。


 一見普通の商人風の男達が「アルベルティーナ様お迎えに参上いたしました。」と声を掛けて来たので、このまま引き渡しちゃおうかと思って「よろしくお願いします。」と引き渡そうとしたんだけど、王女が「私の幸せを邪魔するのは許しません。私は此所に残ると父上に伝えなさい。」と啖呵切っちゃたんだよね。


「いやいや、お帰りいただく方がお互いの幸せだと思うのですが・・・。」と、奪還班の班長らしき人に伝え、「よろしければ、奴隷紋を解かせていただきます。」と伝え了承を得たのだけど、


「こんな有能な性奴隷を手も付けずに手放すなんて信じられません。私は誰がなんと言おうと、ご主人様の性奴隷ですから、一生ご主人様の元で過ごすのです。ですから、国には帰りません。ご主人様、ハッキリ仰ってください。」

 だから、性奴隷じゃないって、手なんか出したら土壺にドップリ肩まで嵌まっちゃでしょ。それに、アルベルティーナ様はカミラ様のおまけだから無理に此所に居なくてもいいんだから、お帰りいただきたいって常々言ってるじゃないの。


「お帰りいただく方が・・・。」


「嫌です。」


「アルベルティーナ様、国王様がお待ちです。」


「嫌です。」


 ここにいる自分と奪還班は帰国を了承しているのに、本人だけが頑なに拒絶する。

 暫くの押し問答の後、奪還班も諦めた様で「申し訳ありません。いったん戻ります。よろしくお願いします。」と言いながら帰っていった。・・・いいのかそれで。

 奪還班が帰ったあと、王女様はもうルンルン気分で鼻高々状態。


 いやはやなんとも・・・。「まあ、いいや」と諦め商店街を散策する。

 店先を覗いていたら春野菜がチラホラ。タケノコはなかったけどね。と思い出した。遠征の時ルグミアン帝国でタケノコがあったから掘ってアイテムボックスに仕舞ったんだ。

 ニホンの竹林みたいなのじゃなくて、バンブーっていう一カ所から生えているヤツだったんだけど、根元から出て来たヤツを持って来たんだった。ちゃんと鑑定して食べられる事は確認したよ。それにコンニャクいもも見つけて来たんだった。


 よし、今日はちらし寿司。タケノコ、春野菜、ゆでエビと刺身は無理だろうから茹でたシーフードでも載せよう。

 酢は、川場リンゴ酢かな、帰ったらポチろう。あと、油揚げも煮ておいなりさんにしようかな。 海苔巻きは無理だよね、元世界と同じでニホン以外では黒い紙扱いだろうし。薄焼き卵で巻こうか。


 そんな事を考えながら、屋敷に戻ると甘太郎は「本日完売」の張り紙があった。

 食堂に上がると、疲労困憊といった感じでメンバーが「ぐたっ」としていた。

 カミラ王女までぐったりしている。って相当頑張ったのね。


「ご主人様お帰りなさいませ。今日、頑張りましたよ。5,000個完売です。」

 疲れた顔のエレオノーラがVサインして微笑む。


「それ、通常と同量だよね。メンバー半分なのに。」


「はい、全力でやらせていただきました。新人さんもカミラ王女も全開でやってくれました。」


「はい、ご苦労様。夕食の用意をするから皆お風呂に入って来ちゃって。」


「はい。でも、夕食の準備は私達が・・・。」と、ティルダが答える。


「お風呂入って、先ず今日の疲れを取ろうね。話はそれからにしよう。」と、全員を風呂場に追いやる。

 アルベルティーナ王女も此所に居ると面倒臭いから一緒に追いやる。


「私達はまだ動けます。」と目の下にクマ作っているのに殊勝なことを言うティルダ達には、事務的に「命令:入浴」と追いやった。

 あ、元女神ズも王女ズも着替えが無いや。元女神ズにはお着替えセットを王女ズ用にはスポブラセットとジャージを取りだしティルダに託す。






 先ずは、スマホを取り出してリンゴ酢を購入。そろそろお米もなくなるからと探したけどゴロピカリが売り切れだったんだよ。確か平野部は気温が高すぎて出来が良くないとか言っていたから、生産量が減っちゃっているのかな。仕方ないから新しい品種の「ゆめまつり」にした。「雪ほた○」や「畑の王○」や「さく○姫」も美味しいらしいけど、ウチは量がでるからこっちにしたんだよ(エンゲル係数対策)。

 それでもやっぱり偶には美味しいお米もいいから「雪ほ○か」も買った。それから寿司桶も2個・・・やっぱり4個。トッピングもいくつか買ったよ。



 厨房に戻りお米を炊いて、野菜類を下拵え、冷凍もののエビとシーフードは軽く塩ゆでにして冷ましておく。タケノコの皮を剥ぎ鑑定したらまだエグミ成分は出てなかったので「下ゆでするだけにしよう。」と思ったがやっぱり時間がなさそうなので、ゆでタケノコをポチって、物質精錬でエグミを排除してから切り揃えた根菜類と共に煮込む。


 寿司酢も作って、ご飯が炊きあがるのを待っている間に寿司桶も洗って乾かしておく。


 やっぱりひとりでやると大変だな。スキル頼みになっちゃうけど、なんとかやり遂げたよ。



 やっと下拵えができた頃に、学園組が帰って来たのでお風呂に先に行かせると、入れ替わる様に甘太郎班が上がってきたので、「これでも飲んでおいて。」とグンマー産ポカ○スウェットを瓶に移したものを氷魔法で冷やして渡し、リビングで休む様に言いつけた。

 時間がなくなって来たので、油揚げは味付けをポチる「じゅわっとふっくら味付けのあぶらあげ10枚いり」を一応20個(100個作れば足りる・・よね。)購入した。


「さて、作り始めるか!」と気合いを入れたら救世主登場。ミミリィとエイラが来てくれたので、指示して「ちらし寿司」と「おいなりさん」を作ってゆく。あ、下毛特産のかんぴょうもあったら良かったのに。失敗。


 ちらし寿司のあと、二人に作り方を説明しておいなりさんに煮た野菜を細かく切って入た酢飯を詰めてもらう。その間に自分は薄焼き卵を作り錦糸卵にする。


 ふと、我が家は何人いるんだっけと、改めて数えてみた。自分+正夫人6+側室10+性奴隷6+捕虜2=25人。男女比1:24・・・凄いな。で、アンナリーナ様と閣下が飛び入りするから30人分位がベースなんだな。

 おいなりさん100個作っても一人3個か・・・。やっぱり追加しておこう。



 グンマーは上野か上毛ですが、トッツィギは下毛ではなく下野です。それから、グンマーは上州ですがトッツィギは下州でなく野州です。

 ちなみに、同じ二毛作地帯ですが、平地が多いトッツィギの方が遙かに米の生産量は多いです。


 それから、まあどうでもいいことなんですが、グンマーとトッツィギの位置が分からないという貴方!

グンマーは上州、トッツィギは下(野)州です、都に近い方から、上下・前後なので、都に近い方西側が”上”すなわちグンマーです。お忘れなく。なお同じ読み方の常州はイバッラギです。(失礼、イバッラキでした。ギ×→キ○でした。)

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