12 異世界食事
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部屋に戻って、リビングのソファーに座るが、ミミリィさんと二人きりの状態が、どうも落ち着かない。会話も全く進まず、無言で時間が過ぎて行く。
「お茶を淹れますね。」と、ミミリィさんの一言で、無音の世界から復活した。
「あ、ありがとうございます。」
部屋に備え付けのティーセットを使い、手慣れた手つきでお茶を淹れてくれた。良い香りがする。
紅茶みたいだ、おいしい。
ふと、思ったが、自分どれ位の時間、飲み食いしてないんだろう。
会社を出たのが、午後3時頃、天界での茶番が2時間くらいかな? その後下界に着いたのが午前中だから6時間位、元世界の時間だと12時頃か?。お腹がすいたな。
あれ、バックパックにペットボトルを入れておいたよな。完全に忘れてた。
と、そんなことを考えていると、「夕食の用意ができた。」と、宿の人が呼びに来たので、いそいそとミミリィさんと一緒に食堂に行くと、もう全員座っていた。
「さ、早く座ってもらおうか。温かいうちに頂くとしよう。太郎様にはお楽しみのところ、急がせてしまってすまない。」
とスヴェアさんが、悪戯っ子の様な笑顔で言う。スヴェアさん一言余分。
テーブルは、誕生日席にフェリシア様、ミミリィさん、スヴェアさん、カロリーネさん、アルヴァちゃん、ベルタちゃん、自分の順に上座から座った。
ミミリィさんもスヴェアさんも使用人だから、上座も下座もないのからもしれないが一応年齢順になっているみたい。自分は末席だけど。
「僕も同じテーブルで良いんですか?」
「構わない。太郎様のお話を聞きいておきたいからな。」
「はぁ、あまり面白い話はできませんよ。」
この世界は、17歳から成年であるらしいが、スヴェアさん、ミミリィさん、カロリーネさんと自分だけワインをもらい、フェリシア様達はリンゴ(らしい)ジュースでした。
「では、いただきます。」自分だけだったけど日本風あいさつは鉄板。
元の世界で上等なワインを飲んだことがないから分からないが、甘いだけの紙パックのワインよりはおいしいと思うけど。ミヤ○ワインの一升瓶ワインよりおいしいのかよく分からない。多分美味しいのだろう。あまり量が飲めないので、1杯でやめておく。でも、女性達も1杯止まりだった。ちょっと、ほろ酔いのミミリィさんも見たかったのに残念。
運ばれて来たのは、前菜、スープと堅そうなパン、魚のムニエル、ステーキ(ソース不明)、デザートに梨をシロップで煮た物だった。
「太郎様が居たグンマーとはどんな処なのですか。」
フェリシア様が興味津々といった表情で質問してくる。
「小さな島国の真ん中あたりにある、地方の貴族領みたいなものですね。」
「国ではないのですか」
「国名はニホンといいます。その中の地方の名称です。内陸になりますので海はありませんが、隣接領に行けば海があります。」
「何か、特産品とかはないのですか」
「色々ありますよ。野菜は色々作っていますし、食用の牛や豚も飼育しています。」
すき焼きとかモツ煮とか・・食べたいな。鳥めしもいい。ネット通販で買えるかな。
「主食はなんですか?」
「米で主になりますが、他には小麦を使った「うどん」や「つみっこ」とかでしょうか。「焼きまんじゅう」もおいしいですよ。」
「米?、「うどん」とか「つみっこ」とはなんですか? 小麦はパンではないのですか」
「米は稲という植物から取れる穀物ですね。うどんは小麦から作ったひもの様なパスタみたいなもので汁で食べます。用途により、いろいろな幅があります。「つみっこ」は、小麦を練ったものを汁で煮たものですね。パンも作りますが、グンマーは麺類の方が好きです。」
「食べてみたいですね。」
「機会がありましたら、お作りしますよ。 今のところ、王都で食物屋を始めようかと考えてますので、よかったらお試し下さい。」
「楽しみです。始めたら教えて下さいね。」
当たり障りのない会話をしながらの食事時間が終わり部屋に戻ることになった。
当然、「ごちそうさま」は欠かさない。
文中一升瓶ワインとありますが、実際は1500mlだったような気がします。