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110 マルギット

 カ○ピスを飲んでまったりとしていると、

「では、ご主人様お昼寝です。」と腕を掴まれ、マルギットに引きづられる様に寝室へと連れて行かれる。




「ご主人様、時間も限られていますので、私が服を脱がさせていただきます。」と、言うが早いかボタンに手をかけアっという間に、パンツだけにされた。これが閨房術の一端なのかちょっと驚愕って、昨日と同じじゃん。ほんとマニュアルがあるんじゃないのか。

 マルギットも、何時の間にか下着姿になっていて、抱え込まれる様にベッドに倒れ込んだ。なんかデジャビュ。


「ご主人様、私の初めて何ですからね。」と、軽いキスをしたあと「では、おやすみなさい。」と、そのまま抱きしめたまま目を閉じた。


「はい、おやすみ。」 じゃあ、マルギットのいい匂いに包まれてちょっと重いけどお昼寝だな。 と、意識を失いかけたら、


「ご主人様何しているんですか。本当に寝ちゃダメじゃないですか。」


「え、だって「おやすみ」って言ったよね。」


「そんなのフェイクに決まっているじゃないですか。「へへ、寝かさないぜぇ。お前の身体はオレのもんだぜぇ。これからお前とエキサイトな世界だぜぃ。」くらい言われるのだと思っていたのに、なんで本当に寝ちゃうんですか。」


「いや、お昼寝時間だから・・・。」


「ご主人様は素直すぎますよ。そんな事じゃ他人に騙されちゃいますよ。」


「はい・・・。でも、フェリシアやミミリィ、それにエレオノーラに君達も居るからフォローしてくれるでしょ。」


「でも、ダメです。私のご主人様はもっとしっかりしていて欲しいです。これからずーっつと一緒にいるんですからね。もっとも-っと積極的に私を求めてくれてもいいんですよ。」


「まあ追々ね。今は可愛いマルギットを抱きしめているだけで十分だよ。」


「ご主人様、ご主人様は私が判断するまで2週間待つからって言って下さいましたよね。」


「言ったよ。君の判断を尊重したいからね。」


「私、ご主人様の性奴隷でいたいです。ずっと死ぬまで。」


「了解。でも僕は、ケリが付いたら早めに自立して欲しいけどね。」


「いいんです、買い戻したらご主人様の側室にしてもらうんですけど・・。でも、性奴隷の方がいいかもって思うことがあるんです。」


「どうして。」


「だって性奴隷だったらご主人様だけ見ていられるじゃないですか。夫人同士のごたごたとか権力争いとか関係なく、ご主人様のことだけ見て生きていけるっていうのもいいかなって思ったりもしたんです。」


「そうかな。でも、性奴隷じゃ自由がないし、子供ができたとしても扱いは奴隷だよ。」


「生まれた子供は、ご主人様の養子扱いにしてくださればいいんです。私は奴隷のままでも。イヴァンネやスサンは奴隷のままなのに毎日楽しそうに生きています。私もああなりたいって思うことがあるんです。」


「でも、一生はだめだよ。」


「ご主人様はやはりそう言いますよね。一昨日、お父様とお話させていただいて、ニーグレーン家はもう私を受け入れることはないと伝えて来たそうです。

 イェスペル様の婚約者(今は元ですけど)となって10年。イェスペル様の妻になるものだと思って生きて来たのにこんなことになってしまいました。

 イェスペル様とは学園で一緒でしたが、私が冤罪で糾弾されているときイェスペル様はあちら側にいらっしゃったんですよ。

 そのとき、私はあの人に信じてもらえていなかったんだなって、10年間の月日ってそんなんだったのかなって思えて、父から言われるままに性奴隷として売られてもそんなに悲しくなかったんです。

 でも、イェスペル様がもしかして思い返して、私を迎えに来てくれるかもってほのかな期待を持っていたのですが、期待は一昨日どっかに行っちゃいました。

 ご主人様は私に優しくしてくれるし、大事にしてくれます。「もうどうでもいいや」と思ってた私に生きる希望をくれたんです。だから、ご主人様の性奴隷なら他のことを気にせずご主人様だけ見て生きて行けるかなって。それはダメでしょうか。」


「僕が真っ直ぐ前向きに生きている訳ではないから、あまり人のことは言えないけど、僕はマルギットを可愛くて魅力的な女性だと思っているし、投げやりになる必要はないと思うよ。

 君が望むなら買い戻したあと、側室でもいいし、使用人という形ででも此所にいることは拒まないから、性奴隷でいたいという考えは改めて欲しいな。」


「本当に側室にして一生一緒にいて下さるのですか。飽きたら放り出すとかしませんか。」


「こんな可愛い子を何で放り出さなきゃいけないの? 年を取ったら邪魔だからって言うと思う? 君や君達なら「年を取る」のではなくて「年を重ねて」ゆけると思っているんだけどな。年を重ねた人はいつまでも魅力的だと僕は思っている。」


「私、年を重ねてゆけますか。ご主人様に愛される女でいられるでしょうか。」


「僕はそう思っているよ。今も魅力的だし、これからも魅力を持ち続けていられると思う。 イェスペル様が元々君をどう思っていたか知らない。彼は暗示を掛けられいて本来の彼の判断じゃないかもしれないし、そうせざるを得ない状況に追い込まれていたのかもしれない。でもね、今はイェスペル様が、最終的には彼の判断で君を迎えに来なかっただけだから、君が君自身を否定する必要はないよ。」


「ありがとうございます。やっぱりご主人様がいいです。例えどんな理由があっても手放したイェスペル様より、奴隷の私でもちゃんと抱きしめてくれるご主人様がいいです。

 ご主人様として、私の初めてはちゃんと全部貰ってくださいね。」


「善処します。今日ではないけどね。」


「はい。ご主人様、ちょっと胸を借りてよろしいですか。」


「いいよ。」


「では、おやすみなさい。」と、僕の胸に顔を乗せ、抱きついたまま目を閉じた。


「はい、おやすみ。」と両腕でマルギットの背中を抱えて、意識を手放そうとしたけど・・・ちょっと上半身が寒いいかも・・・。


マルギットはそのまま寝息を立て始めたので、そっと、布団を持ち上げてマルギットの顔だけ出る様に布団を掛ける。

 まあ、無いよりいいよね。 と、いい匂いに包まれて意識を手放した。






 目を覚ましたら、窓から差し込む光の角度が傾いて来ていた。

 あ、今日はちょっと寝過ぎかな、昨日みたいにエレオノーラの乱入も無かったし、マルギットも全裸じゃないからちょっと気楽だったしね。

 寝ている間にマルギットは寝返りを打ったみたいで、何時の間にか自分の腕を枕にして寝息を立てている。布団も剥いじゃったみたいで、胸の上にはマルギットの腕しかなかった。ちょっと寒いかも。


「マルギット。そろそろ起きよう。」と、頭を撫でてみると、ううんといいながら目を覚まし、「おはようございます。おはようのキスをいただきます。」と、やはり両手で押さえられディープな世界に入っていった。だからさ~。程々で止めてくれないと息が苦しいんだよ。

 機械的に、背中をトントンし解放してもらう。


「ご主人様分いただきました。これで暫く元気でいられます。不足してきたらまたお願いします。」


「はいはい。」ほんとうに皆サキュバスなんじゃないよね。だったらちょっとショックだな。



 服を着替え、マルギットと一緒に1階に降りてみると、甘太郎は相変わらず盛況な様で行列が出来ていた。


ふと、受け渡し口に紙が貼ってあったので見たら、

「新製品先行試験販売、限定数100個。『カレ太郎』1個大銅貨3枚 お一人様2個まで」の張り紙に「完売」と張ってあった。


 しげしげと見ていたらグンネルが声を掛けて来た。 

「あ、ご主人様、朝のカレーバージョン好評で、あっという間に売り切れてしまいました。凄い人気でした。最初、疑心暗鬼だったみたいですけど、一口食べたらまた並んで買ってくれました。明日もまた売りたいです。」


「はいはい。少しずつ目先を変えるのも必要だからね。また研究してね。で、なんでカレ太郎なの。」


「はい、『ちょっと辛いけど大好きな私のカレは太郎様。』から取りました。略して『カレ太郎』です。」


「素直にカレー太郎でいいような。」


「いいんです。皆納得して付けた名前なんですから。 あ、ご主人様に確認してませんが、もう販売始めちゃいましたからもう名前は替えられませんよ。てへ。」

てへ、って確信犯だよね。 まあいいや。


「はいはい。じゃあ夕食の買い物に行ってきますので、後はよろしく。余り根を詰めないで分担ローテーションして適当に休憩をとってね。毎日のことなんだから無理はしないでね。」


「はい、分かりました。」


「では、行ってきます。」と、出かけようとすると当然の様にマルギットが付いて来た。


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