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105 カレーには

「太郎様、如何したのですか? そんなに大量の香辛料を購入して何するつもりなですか。」


「勿論料理に使うよ。」


「確かに料理の為だと思いますし、新しい料理用なんだとは思うのですが・・・。なんか、それだけじゃ無い気がするのですが。」


「うん。やっぱりバレた?。 あのおじさんに早く国に帰ってもらった方がいいと思ったからだよ。」


「そうですか。やっぱり」


「おかしいのは気づいたのね。」


「言っていることに嘘はありませんでしたが、大体、香辛料を㎏幾らなんて売り方しませんよ。それに、全て同じ金額なんて変です。香辛料は安価なものも有りますが高価な物が多いです。それに種類によって全然値段が違うはずです。」


「そう、多分、あのおじさんは商人じゃないよ。香辛料の価値が分かっていないもの。多分、他国からの間者だと思うよ。明日此所を立つといっていたから、在庫一掃を装って此所を閉めて戻るのだろうね。」


「え、何か動きがあったということですか。」


「それは分からないよ。でも在庫処分はしたかったと素直に考えよう。」


「私、香辛料の値段を知りませんが、これは安いのですか?」


「そうだね、ターメリック単体だとするとぼったくりだけど、全部だと大盤振る舞いというか責任問題の世界だね。」


「そうなんですか。」


「この国の価値だと分からないけど、僕の国だとあの量のサフランだけで家が買えるよ。だから、サフランだけ袋の口を開けていなかったのだと思う。サフランが無くても市価の半値くらい。それでも多分農家からの仕入れ原価くらいだから王都の買価を考えれば我が家の経済には何の問題もないよ。それに、他国に損失を与えたって考えれば、安いもんだと思う。」


「そうですね。」


「で、太郎様。今日の夕ご飯は何を作っていただけるのですか。」


「これだけの種類の香辛料があれば、「異世界もの」の定番、カレーでしょ、サフランライス付けて。」


「カレーですか? それは何ですか。 それから、「異世界もの」って何ですか。」


「ふふ、食べてからのおたのしみ。 あと、これだけじゃ淋しいからサラダとかも付けるよ。」


 盛り付けはダムカレー ってしても、そもそもダムが何だか分からないだろうから意味ないよね。カレールーの放流 ってやってみたい気もするんだけど、遊びに行って食べたのは焼きカレーだったし。

 ラッシーの代わりにグンマー産のカル○スでも添えようか。

 カレーにはやっぱり福神漬けだよね。グンマー製造の全部国産野菜のカレー福神漬っていうのがあった筈だから、帰ったらポチろう。石臼もね。



 その後、肉や野菜類と、入っていなかったニンニクとショウガを別途購入して、どんなカレーにしようかと頭の中は妄想で一杯になりながら、エレオノーラと手を繋いで家路を急いだ。 脳内演算能力占拠率 カレー>手を繋いでいるエレオノーラ あ、まずいか。






 屋敷に戻ったら、そそくさとエレオノーラを置いて私室に戻る。


 スマホで石臼、大ばあちゃんの親戚んちにあった大きい取っ手が付いててぐるぐる回すヤツと、時代劇の医師が薬をグリグリ磨り潰していた様な臼3個をポチる。カル○スと新○の福神漬、沢田農○のらっきょう(たまり漬けだけど)もポチっておいた。





 食堂に戻り、さも、アイテムボックスの奥から出してきた風を装い、石臼をテーブルに置き、買って来た香辛料をカップ単位で分量を測り並べておく。

 米をといで、水を吸わせている間に、サフランを水に浸けて色出し。


 皆興味津々で、集まって来たので、手伝ってもらい種類ごとに石臼でひいてゆく。

 手隙のスサンに、タマネギを大量にみじん切りにして、フライパンで飴色になるまで炒めてもらうことは忘れない。スサンなら焦がさずいい具合に炒めてくれるだろう。多分


 挽き終わったら手の空いてる者に、荒そうなものをグリグリする方の臼で細かく潰してもらう。

 繰り返して、10種類の香辛料の粉末が出来た。よく混ぜ合わせてフライパンで炒めて、粗熱を取ってから瓶に入れておく。これで暫くは持つでしょ。熟成させよう。

 平行して、ニンニクとショウガをすり下ろしておいてもらう。



 今日は、ビーフカレーにした。肉は一口大に切って、プライパンで両面焼き色を付けてもらい、アレクシス達には野菜の下準備をしてもらう。

 フライパンで小麦粉を炒めてから、カレー粉を入れてよく混ぜておく。


 エレオノーラに炊飯の管理を頼み、「じゃ、作りますかね。」と言い、一口大に切った肉はフライパンで全面に焼き色を付けておき、大鍋で野菜を炒め油が廻ったら、肉と飴色タマネギに水を足して煮込む。アク取りはお願いした。

 ニンニクとショウガそれに念のためコンソメ顆粒も入れておく。


 その間に手の空いてる者に、サラダの用意とピクルスの代わりの塩もみキュウリも作ってもらう。


 10分程煮たら、作ったカレールーを少しずつ入れながら煮込んで、最後にガラムマサラの代わりカレー粉を少し掛けて香り付け。 たしかこんな手順だったと思う。


 サフランライスも炊けたので、よく混ぜておひつに移してもらう。






「なんか、いい匂いがします。」と言いながら、グンネル達甘太郎班が食堂に上がって来た。


「お疲れ様。今日の売り上げはどうでした。」 


「はい、2,000個が完売です。もう、タネが無いのでそれ以上は作れませんでした。ご主人様、明日はもう少し増やしていただけ無いでしょうか。並んでいただいたお客さんにゴメンナサイするのがしのびないです。」


「あ・・。そう。 明日の午前中に仕込むからね。」

 もしかして、有ればあるだけ売る気だったんだろうか。楽しんでやってくれているんだろうな。 まあ、一日金貨2枚の売り上げなら食費くらいは稼いでくれているから、生活はして行けるかな。売り上げ落ちないようにしなきゃね。



「じゃあ、もう夕食の用意は出来ているから、皆お風呂に入って来ちゃって。パーティー対応ご苦労様でしたということで慰労会にしましょ。」


「夕ご飯のあと、お風呂ではないのですか?」


「うん、多分夕食の後は動けなくなると思うので、後は寝るだけの方がいいと思うんだよ。だから、今日はパジャマパーティーと言うことで。」


「ご主人様なにかエッチなこと考えていませんか。」


「考えてないよ。それにもし考えて居たとしても、何を恥じることがあるのかな。」と、胸を張ってみたが、


「それは・・・、確かに此所にはご主人様の正妻と側室と奴隷しか居ませんけど、王女様も戻っていらっしゃいますよ。」


「あ・・・忘れてた。自称正夫人でも王女様だよね。それに王女様にはパジャマをあげてないか・・・。 訂正、皆ジャージで集合。」


「太郎様。ジャージとは何ですか。」とエレオノーラが尋ねる。


「彼女達にあげた服だよ。動きやすい万能用途の服。パジャマにもなる。」


「私はもらってませんが。」


「そうだったね。欲しい?」


「仲間外れは嫌です。」


「はいはい。」と言い、紺ジャージをアイテムボックスから出して手渡す。


「ありがとうございます。では、お風呂に行ってきます。」と、エディット達を引き連れてお風呂に行った。


 これから戻ってくる、フェリシアとマルディダ様用のジャージも用意しておいてから、1階に降りて仕込みの準備をする。


群馬のカレーでは、高崎市の「絶メシ」リストに松島軒、からゐ屋、印度屋が載っています。前橋の老舗ポンチは閉店してしまっています。懐かしいものが無くなっていきますね。


訂正: 前橋の老舗カレー店ポンチは復活しました。

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