表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/299

10 冒険者ギルド


 二人で、宿を出て、冒険者ギルドに向かう。テンプレどおりギルドがあるらしい。


 元世界でこんな美人と二人でホテルから出てくるシチュエーションなんて、望むべくもなかったからな。この世界に来て良かったかも。


「太郎様、もしよろしければ、手を繋いで頂けますか。」ミミリィさんがちょっと伏し目がちに尋ねる。


「よ、喜んで。」と、答えて左手でミミリィさんの右手を握る。上気しているのか分かるが、落ち着け自分、平静を装う。

 ぎこちない雰囲気のまま、冒険者ギルドに向かって歩く。


「見た目普通の男がこんな美人と手繋ぎ。」通行人の嫉妬と羨望の視線が痛い。

 何事も無いように、平静を装う。ミミリィさんはちょっと嬉しそうに見えた。(気がした。いや、確実に嬉しい筈、と日記には書いておこう。)


 冒険者ギルドは、宿から10分位の処にあった。

 二階建ての石造りの建物で、それなりに立派に見えた。テンプレどおり難癖を付けられない様に注意しようと心に刻み、ドアを開けた。


 ドアを開けると、右側がカウンターで左が酒場になっている。右側のカウンターの登録受付は一番奥だった。


「冒険者登録をしたいのですが。」


「では、こちらの書類に記載して下さい。字が書けなければ代筆しますよ。」


「あ、多分大丈夫です。」名前、年齢、職種位なら書けるさ。スキル任せだけど


 名前:間橋 太郎

 年齢:20歳

 職種:剣士


「では、この上に手を乗せて下さい。」と、カウンターに置かれた水晶板に手形を取るように右手を置くと、水晶板がほのかに白色に光った。


「聖属性でしょうか。火属性なら赤、水属性なら青といった色が出るのですけど、白って珍しいですね。はい、犯罪歴等が無いことも確認できましたので、カードを発行します。」

 そう係員が言うと、水晶版の上に銀色のカードが現れた。


「こちらがギルドカードになります。等級が10等級から1等級、その上に特1等級などがあり・・・・・・。」 テンプレどおりの説明ありがとうございました。


 よし、登録完了。これで身分証明書ができたな。出ようかとミミリィさんの方を見ると、「依頼を出したいのですが、良いですか?」と言い出す。

 何かなと思ったら、「この人に王都までの護衛を依頼したのですが。」


「あ、はい。護衛の依頼ですか? 護衛の依頼だと7級以上でないと受けられないのです。この方は登録したばかりなので10級。無理です。」


「駄目ですか。今日この方に助けて頂いたので、引き続きお願いしようと思ったのですが。」


「済みません、規則なので。」


「そうですか、たとえば、今日盗賊20人ほど一人で倒した実績があっても、級は変わら無いのですか。」


「登録前の実績は加味されないんですよ。済みません。」


「分かりました。では、直接契約で依頼します。」


 係員に礼を言い、ミミリィさんと出ようとすると、テンプレどおり絡んでくるむさいオヤジがいた。

「あんちゃん、先輩が冒険者の仕事がなんたるかを教えてやるから、お姉ちゃんを俺に貸しな。」いるんだよね、こういううだつも上がらないくせに「仕事がなんたるか」みたいなことをいってくるオヤジ。それが有効だったらお前はもっと偉くなっているって思わないのかな。そうじゃないか、ここは実力主義の異世界だったっけ。

 ま、こんな美人を初心者が連れていたら、うだつの上がらないオヤジは搦みたくなるよね。


 でも、ウザイ、空間魔法起動:透明結界。ミミリィさんと自分を覆う結界(一応、入力量の倍力で反応するオプション付き。)を張り、そのまま無視する。


「無視すんじゃねーよ。」とオヤジが立ち上がると、ミミリィさんは僕の腕にしがみつき、お呼びでないことを主張するかのような、見下した目で一瞥する。


 激怒したオヤジが殴りかかるが、見えない結界に阻まれ届くことはなかった。何かグシャみたいな潰れる様な音がしたけど気にしない。

 オヤジのパーティメンバーらしき奴等が立ち上がるが、無視してギルドを出る。ヒーラーがいれば直せるでしょ。


 さて、気を取り直して街を散策する。(傍目にはどう見てもデートだ、絶対に。自分の人生初デートだ。生きてて良かった。)


 先ず、服を買うため近くお服屋に案内してもらう。ダッフルコートはそれほどではないが、スーツは浮いている感じがする。ましてや、ジャージは場違い。(だって「赤備六文銭の鎧を着たぐんまちゃん」が背中にでかでかとプリントされているんだよ。)


「王都に行けば買えるのでここでは必要最小限にしましょう。」というミミリィさんが言うので、チュニックとズボン、長靴下を買った。

 靴下が厚すぎて靴が履けなかったので、ブーツも買うことになった。ダッフルコートのままでも良かったが、動きにくいのでマントも購入した。(でも厚くて重い、どっちがよかったんだろうか。)


 下着類は持って来ているから、外見だけをこの世界仕様にする。

 他に必要なものがあれば、後でネット通販で買えばいいよね。ふくらはぎ丈のズボンを探そう。それとブレス○ーモのタイツと手袋も欲しいな。ネット通販、創造神様よろしくね。


 試着室を借り、スーツからチュニックとズボンに着替え、店を出る。買ったばかりの靴はどうもしっくりこない。あと、シャカシャカズボンも欲しいけど、この世界では浮くよな。ネット通販で代替品がないか探してみよう。

 そんな事を思いながら次の店に向かう。



 シャカシャカズボン(パンツ)はウインドブレーカーのズボンのことです。

 グンマーは冬「風に向かって走ろう!(自転車ですが)」すると、普通のズボンだけだと寒いので、必需品です。

 ちなみに、「風に向かって走ろう」は、「あかぎ国体」のスローガンですよ。昭和の時代だよ~ん。なお、このときの「ぐんまちゃん」は先代で、いまの「ぐんまちゃん」とは違うんだよ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ