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第53話  第3章-第14話

20170516公開


かなり短いですが、敢えて公開します・・・・・

3-13


◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

-14d5h27m19s  白石 玲奈 viewpoint



 時間の感覚がおかしくなった私には、ニューさんが『災獣レックス』の右手を辛うじて躱した事が分かった。

 振るわれた右手に対して、強引に左側に避ける事で右手の外側に半歩だけ身体を動かしたのだ。

 でも、その代償は大きかった。

 バランスを崩しながらも、更に身体を動かそうとニューさんが下半身に力を入れた瞬間だった。

 ニューさんにとっての真後ろから第2撃が襲ったのは・・・

 私たち全員が同時に声を上げたが、ニューさんに反応する時間は残されていなかった。


 背後から襲った『災獣レックス』の左手の爪は、ニューさんのお腹の右側を斬り裂いた。

 信じられない程の鮮血が宙を舞って舗装されていない赤土に降り注いだ。

 衝撃でニューさんの身体が3㍍は吹き飛び、そのまま惰性で道に赤く染まった帯を描きながら滑って行く。

 ニューさんは叩きつけられた場所から2㍍先で停まった。

 私の時間も止まった。

 気が付いたら、私はウィンチェスターライフルの銃身を握って、『災獣レックス』の顔を殴りつけていた。口からは雄叫びの様な呪詛の言葉が出ていた。

 『災獣レックス』からの反撃は無かった。

 何故なら、顔の半分が吹き飛んでいたからだ。

 

 ニューさんは!?

 そうだ、ニューさんだ!

 自分でもノロノロと分かる程の動作で、ニューさんが飛ばされた方に顔を向けた。

 そこには、必死になって『ヒール』を掛けているみんなの姿と仰向けに寝かされているニューさんの姿が在った。

 自分のものでは無いかの様に動こうとしない脚を地面から引き剥がそうとしていると、顔の右横から声が聞こえた。


「玲奈ちゃん、顔を見せて上げてや。ニューさん、待ってるで」


 声がした方を見ると、深雪さんが後ろから私の顔を覗き込むようにして、私の目を見ていた。

 と同時に、背中をゆっくりと押された。

 バランスが前に移った事で、右足が無意識に前に出た。

 次いで、初めて歩いたかのようにぎこちなく左足を前に出した。

 3歩目は心の焦りが乗り移ったかのようにつんのめるように前に出た。

 バランスが崩れたけど、強引に4歩目を前に出す。

 もう、私の目にはニューさんの姿しか映っていない。

 口周りから下は真っ赤に染まっていた。

 迷彩服も胸の部分が真っ赤に染まっている。お腹もここから見える範囲が真っ赤に染まっていた。

 胸が上下に動いているけど、その間隔は有り得ない程に短かった。

 やっと、側まで辿り着いた時に、彩先輩がニューさんの耳元で何かを囁いた。

 その声に反応して、ニューさんが目を薄く開けた。何かを呟くかのように口が動いた。


「玲奈、声を掛けて上げて」


 私を見上げながら彩先輩が言った。

 途端に、視界が歪んだ。

 誰かが立ち上がって、私の肩を抱く様にして来た。


「今さっき、玲奈ちゃんを呼んだの。だから、顔を見せて上げて」


 亜里沙ちゃんの声が遠くから聞える。


 私は頷いて、ソラさんが立ち上がって空けてくれた場所に跪いた。

 その間、ニューさんは私の顔をずっと目で追い掛けていた。

 でも、焦点が合っていない事が分かる。


「ニューさ・・・・・ん・・・・・」


 ニューさんが何かを話そうとするが、声が出なかった。

 代わりに、ヒュー、ヒューという音だけが聞こえた。

 よく聞こうと耳を近付けようとしたが、その前にニューさんの唇が動いた。

 私はその声にならない言葉をひたすら見詰めた。




 そして、15文字目でニューさんの唇は永遠に動きを止めた・・・・・・

 






お読み頂き誠に有難う御座います m(_ _)m


20170517追記

【間違って覚えていたので修正した箇所が何話かに亘っています。ニューさんとソラさんが入れ替わっています。作者自ら設定を勘違いするなど言語道断なので、折檻しておきますね^^

 修正した話

 第48話  第3章-第9話

 第50話  第3章-第11話

 第51話  第3章-第12話

 第52話  第3章-第13話】

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