異形と国と青年の物語
そこは、戦場だった。
そこには生き物の焼けた臭いと血、
そして死が蔓延していた。
『ガキィン!』・・・
兵士達の鍔迫り合いの音が響く
その戦いは異形のモノとの決戦だった
その戦いは死んでしまうかもしれない戦いだった
それでも兵士達は自分達の使命と想いを胸に
自ら戦いに身を投じた。
愛する者と己が忠義を捧げた国を守るために・・・
ある場所に漆黒の鎧を身につけた青年がいた。
青年は死ぬかもしれない危険な作戦に参加していた
兵士達を囮にし、敵をおびき寄せ叩く
単純な作戦ではあったが異形相手には効果があり
遂に異形の王が指揮する敵本隊を動かすことに成功した。
作戦の成功を確認した青年は自らが率いる
部隊の生き残りを自国の本隊と合流させる為に
指示を出し部隊を動かした・・・
移動の最中幾度かの襲撃されながらも本隊との合流に
成功し野営地に着く
青年はそこで夜営の準備をしながら明日の異形との決戦に備えた所で伝令役から作戦会議を始めるので至急、会議場
に集合と伝えられた
会議は混迷したが作戦は決まり青年は隊員に説明を終えてすぐ眠りについた、明日の決戦を思いながら・・・
鍔迫り合いの音、大砲の爆音、兵士の叫び声
あらゆる音が混ざり鳴り響く戦場で青年は戦っていた
作戦が成功し遂に異形たちを統べていた王を倒し
その残党と戦っていた
最早残党に戦う力は残ってはいなかった
兵士達は全てを終わらせ国を守るために、異形達は目的を失いただ生き残る為に戦っていた・・・
戦いが終わる頃、青年は身につけた鎧をボロボロにし地に倒れていた、身体中の骨は折れ血を流し、倒れていた
青年は死を悟る・・・
避けることの出来ない死を
青年は想う、国に残した最愛の女を
青年は女の幸せと古より信じられてきた輪廻転生による己の次の生を願いながら眠りについた・・・