譲VSマリアード
「静香王何処にいらっしゃったのですか?」譲が尋ねる。フォーと不気味な呼吸音、まるで取りつかれた者の様にフラフラしながら「ファイナルアウトを習得した。最後の手段だ」
「ファイナルアウト?」「なるべく話したくない。今はキューア達を逃がそう」
静香王が大声で「一級のキューア以外はこのドームから出て避難しなさい!東に行けば恐らくジョイオアシスがある。そこでしばらく隠れていなさい。大僧正、モンスターがいるかもしれないから貴方付いて行ってあげて!」
「は、分かりました静香王! 何も聞き申しません。地上人に神に光と祝福あれ。さぁいくぞみんな!」若干混乱した様子で200人程の能力の劣るキューア達は役目を終えそのジョイオアシスを目指して走り出した。
すると譲の肩でコルドが何か喋っている。銀色で長髪の男は「おっと、鍵がそこにあったか。不覚にも。全くマルクも人材不足かと思えば食わせ者がいるものよ。何処に隠していたのか……」
コルドは怯えている様子だ。静香王が何か感付いた様に「譲、その生き物、こっちに投げなさい」
譲は何で? という顔をしていたが、静香王の今まで感じた事の無い圧倒的なオーラに若干恐怖を覚え、ヒョイっと静香王の手の平目がけてコルドを放り投げた。「貴方死ぬ覚悟出来てるわね?その為に生まれて来たんだから。」コルドはキューと鳴いた。「YESと取るわよ。大丈夫最後の手段!」
そして下級キューア達が製造していたマシンガンを譲に五丁、ジョージ、モリスにも五丁、自分は十丁 「効かないのは分かってるけど……ぶっ放すわよー」
景気付けだとでも言わんばかりに弾丸を乱射する四人。しかしマリアードは寸前まで引きつけて魔剣で斬り落とすし、シドに至っては弾丸が身体をすり抜ける始末だった。
「やっぱり意味無かったわね。上等! 譲頼んだわよ!」
何で私が…… そんな顔をしていた譲だったが、力を試してみたいとは思っていた。
どうやらマリアードが先鋒を務めている。彼女と戦う羽目になったようだ。額に菱形のアザの様な物がある少女。「行くわよ!」譲も負けじと前に出た。