そして……
そして丁度168時間が経過した。フラウは目覚め呪を唱える。「古代繋がれし反する物の悲鳴を光と共に
再び繋ぎたまえ!」
するとまるで巨大な剣が空から振り下ろされるかのようにキィーンという音を立てて橋となった。「よし良くやったな、フラウ」シドが言う。フラウは息が上がってしまって返事が出来ない。過呼吸で今にも倒れそうだ。それだけエルクスを復活させるのは高度な魔力を必要とするという事だろう。
(ごめんなさい、静香さん。でも……!)
第一師団、第二師団、第三師団それぞれ百人ほどであろうか、それらを連れ成してシドは記念すべき第一歩をエルクスに残した。「崩れはしないだろうな?懐かしさばかりがこみ上げるものだ」
「マリアード先に行け」「はっシド様」マリアードの剣には妖力探知機能の様な物が自然と備わっていたので所謂生命探知機の役割を成す。少しづつ進んで行く軍。
魔剣が震える……「シド様どうやらこの先一キロメートル先に生命反応がありますが、あれを見て頂けますか?蜂の巣の様なドームでマルクが覆われています」「そうだな。かなり強固な結界のようだ。ギューンやれるか?」「はい、恐らく80%は破壊出来るかと、思いますが……」「やれ」「はい。ブラックアウト!」
悪霊が黒い穴からどんどん湧き出てきて結界に襲い掛かる!
その頃マルクでは「残り1680時間です。いえジルバ側から攻撃を受けています!1500…1400…1300…1000…500!止まりました!」神官が大僧正に告げる。
「静香王早く王者の試練を終わらせて……っ」大僧正は悲痛な叫び声を上げる。
そこに譲とジョージ、モリスが帰還した。