戦闘開始?
ここですね。かつてエルクスがあった場所は。フェルドナドが言う。傍らには後ろ手で縄で縛られたフラウ。懐かしげに見いやるシド。
「フラウよ。ここで間違いないはずだ。私の記憶とも合致する。さぁやれ」
シドが言う。
ギューンが剣の切っ先でフラウの拘束を解く。前のめりにつんのめって倒れるフラウ。
シドの傍らにはマリアードもいる。
「絶対しませんわ!命に代えても」フラウが大声で叫ぶ。「そう言いながら死ぬ気も無い癖に」ボンゴが突き出ているお腹を震わせて笑った。(このゴミ屑め。笑っていられるのも今の内だ。ハッハッハ)
「大丈夫だ。今マルクは防御壁を張っている。我々が例え向こう側に入れたとしても結界を破る事は出来ない」シドが言う。そして耳打ちする。マリアードよ。剣は持って来たか? はいシド様、マリアードも耳打ちで返す。シドは言う。「ならば問題無い」
「分かりましたよ……」フラウが諦めた様に言う。「しかしエルクスを復活させる為には最低一週間はかかるでしょう。その間私は仮死状態になります。くれぐれも変な事をしないよう、そして食事も与えなさい」
「全く高慢ちきな女子。分かっている」フェルドナドが言う。
「では参ります」そう言ったか否やフラウは両手を胸の前で固く結んで発光し出した。