トリプル属性
「よし出来たぞ」プレードは神殿の真ん中に巨大な魔方陣を描いた。
「これの中心に立ってくれ」「それでセイントになれるんですね」
「ああ今度は本当の本当だ。ただ君に素質が無ければケアマネージャーとプリーストのままだが」
大僧正に言われた通り譲はケアマネージャーとプリーストのW属性である。しかしその能力は未だ発揮された事は無いので一応キューアと能力はほとんど変わらない。法術が使えるのは譲の努力とジョージ、モリスの指導があったからだ。これでセイントになった場合、トリプル属性となりケアマネージャーとプリーストの能力も開花する可能性がある。その点についてプレードに聞いて見た。
「トリプル属性は珍しい。恐らく君が異世界に来る前勉強していた物と関係があるのだろうな。ケアマネージャーが開花すればケアマネジメントの能力が強力になり読心術も使えるようになり、瀕死の物が居れば
プリーストのプレイアクションで治療出来る様になるだろう。セイントになった場合治癒魔法と結界術、連続魔法が使える様になるだろう。無論円輪呪縛法等よりもはるかに攻撃力の高い複数の詠唱魔法が使える様になるだろう」プレードは言った。
とりあえず魔方陣の中央に立って若干風向きの変化のような物を感じる。精霊の働きだろう。
「これからが本番だ。」プレードは相転移言語でアクションを起こす。
「我は新たな力 この者に授けたもうと願う者なり、大地と天空の恵みと共に能力を開花させたまえ」
つかつかと魔方陣の中に入りプレードは譲の手を取る。
「少々痛むぞ」そうプレードが言うと魔方陣が輝きを放つ。譲の周りに見た事も無い精霊が現れ、譲の身体は宙へと浮いた。「かの物に生命力と引き換えに力授けたまえ!」
そうプレードが言うと譲の両腕が発光し火傷を起している。かなり強い痛みだ。数分程続いたかと思うと譲は気を失って魔方陣の中央にドスンと転落した。
プレードはその様子を見ていて「能力開花成功したか?」と呟いた。