嘘と本当
「ええい! まどろっこしいわ! カイベルはっきりしないと剣を抜くぞ」
静香王はたまらず暴言をカイベルに向かって投げ付ける。
カイベルは言う。「何を焦っておられるのか分かりませんが時間はまだあると申したではありませんか?」
静香王は鋭い。「フラウ様は処女のはずだ。それが違うにしろ嫌いなシドと性行の業に達しその子を腹に宿すなど気持ち悪くて出来るはずが無かろうが」
仕方ないなと言う顔でカイベルは言う「シドの発露と言うのは分からんのですわ。正直な所。マリアードと言う娘が居た事は真実です。そしてその魂が下界の健人君の物であると言うのも事実。ただ母親が分からないのです」
ファイナルアウトとは何であるかと言う疑問を静香王は早く聞きたい。それ故焦る。
ファイナルアウトとは一体……何だ?
カイベルは短く答える。「このワンダオブシュビリオンに住む全ての生命体が四神獣の怒りと悲しみに気付かず罰せられる。そして浄化され魂が一つとなるのです。これが真実です」
「何だと! そんな危険な賭け事みたいな物を私に習得させてどうするつもりだ!」
カイベルはボソッと「シドが兵を引いてくれればイイのですけどねぇ。このままではマルクは滅びる。それは忍びないなぁ」笑って言った。