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お化け
仰々しい左側が緑 右側が赤の門の前に立つ譲。
それに手を触れると ふーぅっと風が吹くかのように軽々しくその扉は開いた
中は銀色一色。外から見ると四階建てに見えたが、全部吹き抜けで階段も無い。
そこにはお化けが居た。両目が無く、腕が四本あり、髪は黒く長く伸ばされている。
「汚い」「え?」 譲は急な呟きに面喰う。「汚いのだよ全てがーーーセイント以外はーーー!」
譲はその気持ちを不気味に思うが目的はセイントになる事なので問題が無いような気がしていた。だからその見た目お化けの者に尋ねた。「私、セイントになりたいんです!」「証拠を見せろ」「え?」「証拠を見せろ」お化けのような者が言った。
譲には分からなかった。だが確信を持ってこの言葉を言い放つ。私がこの世界に来たと言う偶然に意義を問うために、自分で考え、一度深呼吸をして。
言った。
「私は何も持っていません。あるのは勇気だけです」
お化けはそれを聞いて言った……